黎明のポケットモンスター   作:チリラーメン

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21話 VS古の巨人

 ジンダイさんからの情報はかなり、恐ろしいものだった。ここから南に二日ほど歩くと、銃で武装した集団がグループを作っているみたいだ。もう少しで、リラが一人で出会っていた可能性もあるのだ。

 この日本で銃を大量に所有している組織が、国以外でまともなはずがない。

 

 

 グループ名は月華。母体はもともといたやくざが中心となりかなり幅を利かせているみたいだ。一応統率は取れているようで、ポケモンはグラエナを付き従え、銃で応戦しながらポケモンを援護する戦い方をするようだ。

 比較的若いものが多く暴走しがちだが、リーダ格のカゲツはうまく若いものをまとめ、若頭と慕われているらしい。

 若頭ということは、頭が別にいるはずだが、ジンダイさんは会えなかったようだ。

 

 事前にこれだけの情報が知れたのは大きい。いずれ付き合い方も考えなければいけないだろう。ただ、今は別だ。難しい話は終わった。ならばポケモンバトルの時間だ!!!

 

 

 

 

 

 

『えー。マイクテスト、マイクテスト。みんな元気かな!アイドル兼実況のルチアです!』

『解説の魔女っ娘である』

『唐突に始まりましたポケモンバトル。急な生放送にみんな驚いているね。それでも視聴者が多い多い』

『暇人なのか?唐突なのは仕方がない。彼は急にここへ来たのだから』

『そう!この大混乱に一人の大人が旅をする!旅人のポケモンとポケモンバトル』

『対するこちらは、リーダー、参謀、ストーンだ』

『リンチじゃないかって?ノンノン。なぜなら旅人のポケモンは伝説のポケモンなのだ!!』

『伝説のポケモンとは生まれながらの異常個体』

『さあ!登場してもらいましょう!旅人さんです』

 

 カメラがフィールドを向けば一人の男が現れる。今回の戦い、快く放送を許可してくれたジンダイさんだ。またすぐに旅に出るとのことで、あまり時間がなく急なスケジュールとなったが、お互いによい経験にしたい。

 

「紹介に預かった旅人のジンダイだ。こうはよろしく頼む」

『ちょ!!旅人さん!匿名性!』

「む?そうだったか」

『本人がいいのであれば問題ないが。対するは我らが誇るこの三人だ』

 

 反対方向にいる私たちが写される。すでにウインディ、メタグロス、サンダースが構えている。全員戦意は十分だ。

 

「ではこちらも行こうぞ!!」

 

 ジンダイさんが特殊な笛を吹く。もともとは動物の調教用の笛らしく、かなりの広範囲に響くらしいが、その音を人間はとらえられない。

 ただ、ジンダイさんの相棒には聞き届いたようだ。しばらくして地面が揺れ始める。

 そのポケモンは地面が割れると腕が飛び出て、そこから全身を持ち上げる。

 

「行くぞ!レジギガス!!!」

「ギガガギゴ!!」

 

 私たちの相手は、全盛期には大陸を引っ張ったとされる伝説のポケモンだった。

 …ギガス様か!!!

 

 

 

 この戦いは動画映えも気にするため、技名はちゃんと攻撃技を宣言することになっている。それ以外にはルールは存在しない。ジンダイさんが、かなり強力なポケモンだから3体1で問題ないと言うので、お言葉に甘えさせてもらっている。

 もし、この世界の伝説のポケモンと一般ポケモンとの差がゲーム寄りであれば、こちらの圧勝になるだろう。私のチート越しで感じるレベル差は10レベル程度だ。ただ、アニメよりであれば、この戦いがどうなるかはわからない。

 

「レジギガス、はかいこうせん」

「!メタグロス前に出てまもる!」

 

 特殊型か!レジギガスが両手で力をため、巨大なエネルギー砲を放つ。

確かにレジギガスの特異性はスロースターター。この現実でターンの概念はあいまいで、いつまでデバフがあるかは解らないが、攻撃力と素早さが遅い予想できていた。

 先制攻撃はこちらからしようと策を立てていたが、当てが外れる。さらに威力もおかしい。

 四本の足でどっしりと構えるメタグロスがずるずるとかなり後方に押される。まもるにもひびが入る。

 

「メタグロス!」

「メッッツタ!!!」

 

 メタグロスは気合と共に何とか、はかいこうせんを受け止める。ただ、素早さの遅いメタグロスがすぐに戦線に復帰はできない。

 私とリラはお互いに合図する。

 

「ほほう!この一撃を無傷で受け止めるか!大半はこの一撃で倒れるのだがな!さて他二匹は」

「上だ!」

「!!」

 

 私が声を上げる。高く飛びあがったウインディは、太陽を背にレジギガスに迫る。逆光で相手には直視ができない。

 

「はかいこうせん」

「かえんぐるま!」

 

 反動はどうした。レジギガスが右手で、はかいこうせんを放つ。伝説のポケモンには技の反動すらないのか。

落下エネルギーを味方につけたウインディのかえんぐるまが、レジギガスのはかいこうせんに拮抗する。ただ、ウインディは押し負け、はかいこうせんの直撃を受ける。

 

「ウインディ!!」

「甘い!知識はあっても応用はまだまだだな。はかいこうせんを全力で打てば確かに動けなくなるが、放つ威力を調整すれば連発も可能なのだよ。そして私に二の矢は通じん。もう一度はかいこうせん!」

「な!」

 

  ウインディの影からサンダースが現れる。ウインディが壁になりサンダースが攻撃する。

 もともとアニメでも強力なポケモンがはかいこうせんを連発する描写はたくさんある。ウインディが迎撃されることも考慮に入れた策だったが、裏目に出る。空中では身動きが取れない。左手で放たれたはかいこうせんがサンダースに直撃する。

 

「ならば、ボクはこう言わせていただこう!ジンダイさんは知識が足りないと!サンダースにどげりからのでんじは」

「何?!」

 

 煙の中からサンダースが飛び出し、レジギガスにダメージを与える。

 油断したのか、レジギガスは無防備に受ける。サンダースは、そのまま流れるように後方に下がる。メタグロスも戻り、横には傷を回復させたウインディが立つ。

 

「これはまいった!まさかこれだけして結局、こちらは状態異常にダメージまでもらい、そちらはノーダメージとは」

「僕たちの実力は分かっていただけましたかな」

「ああ、子供だけでこの環境で生き残った事実を過小評価してたみたいだ。手を抜くのは侮辱になるか」

「来ますか」

「ああ!行かせてもらう!レジギガス!覚醒!鋼の巨人と雷の巨人の力を!!」

「ギガガレジギガ!!!!!」

「な!」

 

 ジンダイさんとレジギガスが雄たけびを上げると、二人の間に光がつながる。メガシンカのように見えるが、まったく異なる。

 光が収まれば姿かたちはあまり変化がない。せいぜいレジギガスの体に走る黒いラインのうち二本がシルバーとイエローに輝いているぐらいだ。ただ、感じる圧力は先ほどの比ではない。私が持つチートは、防御と特殊防御と素早さが上昇し、タイプも鋼と電気が追加されていることを伝えてくる。まさにレジスチルとレジエレキのいいところを手に入れたような感じだ。

 

「各地には巨人が眠っている。私は彼らに認められその因子を受け継いだ。その力を使うことで私のレジギガスは強化される。さあ!来るがいい!」

「ギガガギゴ!!」

 




この作品のレジギガスは、レジギガス様(ガチ)なので悪しからず
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