黎明のポケットモンスター   作:チリラーメン

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3話 モール

 いま私たち、ショッピングモールの前にいるの

 ただし、シャッターどころか防火扉すら降りているけど。

 どうしようか。

 

 道中の様子は割愛させてもらった。とりあえず精神ががりがり削れるような道のりであったといわせてもらう。興奮したポケモンたちも逃げ惑う人間に注意が向いており、わざわざ隠密行動をとる私たちに目もくれなかった。

 気を紛らわせるために、ロトフォンにポケモンたちの事について聞いてみると、幾つかのことが分かった。

 

一、ポケモンたちはこことは別の場所に住んでおり、突然この世界に移動した。

二、人間については、この世界に来た時に、いつの間にか情報が頭の中に入っていた。

三、ポケモンは基本的に強くなることを目指しているが、その近道は認めた人間にしたがう事。

四、ロトフォンはアイをマスターと認めており、従うこと。ただし、戦うには専用にチューニングされた電化製品が必要。

五、 伝説、準伝説、幻はヤバい

 である。

 

一、はもともと自然豊かな場所に住んでいたのに、気が付いたらこの世界にいたらしい。つまりポケモンたちは、突然連れてこられたため興奮しているようだ。時間がたてば、もう少し落ち着いてくれるだろう。

二,三、はいつの間にか頭の中にインプットされていたらしい。私たち転生者と同じ理論なのか、疑問にすら思わないようだ。

 

四、は元の機械が優秀なため図鑑機能も地図機能も高性能だ。パソコンもあればボックス機能すら手に入れるらしい。あの四次元ボックスが手に入るとか、やばいとしか言いようがない。ただ、ロトムは基本フォルムで戦えない。正確には機械から機械には移動できるが、機械から外、外から機械へは移動の仕方が分からないようだ。無理をすれば可能かもしれないが、地図能力を失うわけにはいかず試していない。アイの目がキラキラしていたのは見なかったことにする。

 

五、は戯れに聞いてみただけであったが、予想以上の情報を得た。なんでも生まれながらに特殊な力を持っているポケモンを伝説、準伝説、幻とするようだ。私が冗談でサンドが陸を創る能力を持ったらグラードンになるといっても否定されなかった(肯定もされなかったが)ことから、顔がひきつった。あとポケモンは後天的に特殊能力を得るものもいるようだ。そのような個体は異常個体に分類されるらしい。会いたくねえ。

 

 そうやって新しい知識を得ながら、ショッピングモールに到着した。残念ながら完全な要塞と化していたが。

 

 

 

「どうしようか」

「いや、あれを見て」

 

 ルチアが指を指した方向を見ると、モールの窓から警察の人が何やら指をさしている。

 どうやら回り込めば出入口があるようだ。

 

「さすがルチアだね。その観察力はボクも見習わないと」

「へへん!アイドルですから」

「さすが我らが歌姫」

「アイちゃん。いつも言っているけどアイドルって言ってほしいな」

「アイ、調子出てきたところ悪いが、知らない人には猫かぶっておけよ」

「行くぞ!!盟友たちよ」

「大丈夫かな」

 

 

 

 回り込んだ先には、ショッピングモールの二階にある家電量販店にモノを運ぶ専用エレベータ。それに付随する階段があった。

 なるほど、もともと見づらい位置にあり誘導されなくては分からない。出入りするにはいい場所だ。

 階段を上った先には先ほどの警察官がいた。

 

「よくここまで来れたね。ここは安全だから」

「ほんとですよ。日が落ちる前につけてよかったです。一人けがをしているのですが」

「わかった。まずは治療だね」

 

 警察の先導に従って、ショッピングモールに入っていく。

 一つ誤算があったとすれば、家電量販店につながっていたことだろう。入ってきた場所を考えれば当たり前なのだが、反応するアンポンタンが私たちにいる。

 

「盟友!盟友!!」

「なん「なあ、こんな世になったんだ!あれはもう我が自由にしてもいいよな」…警官ささん」

「え…あ…うん。家電なんてこんな状況じゃ」

「うひゃー!!我が聖域なり!!!」

 

 どこからか取り出したドライバーやペンチなどの工具を持ち、家電の山に突撃していった。

 いや、どこからその工具を取り出した。

 こっそりロトムもついていることだし、一人でも問題ないだろう。

 

「あははは、個性的な子だね」

「すいません」

「ごめんなさい」

「ちょ!リラちゃんの治療は?!て、聞いてないし」

 

 いたたまれない気持ちのままその場を後にする。

 

 

 警察官に連れてもらった先には同じように逃げてきた避難民がいた。ただ人数は50人ほどしかおらず、この過酷な環境を表しているように見える。

 

「早くこの事態を何とかしなさいよ!!」

「いま本部に応援を頼んでいますから、もう少し辛抱してください」

 

 ヒステリックな叫び声に思わずそちらに顔を向けた。よくいる恰幅のいいおばちゃんであったが、自分が安全になったことから不満が噴出したようだ。警察官の人にあたっている。

 警察官の人も何とかなだめているが、声に出していないだけで不満に思っている人は多そうだ。思うだけで、自分で改善へ行動に移さない人と今後一緒に動くのは難しいだろう。ここに長居はよくないかもしれない。

 

「ねえ、ユウ。ここはあんまり」

「リラちゃんのいう通りだよ。たしかいくつか避難場所を考えていたよね」

「私も二人と同意見だ。もう少し先に大きな川の流れたキャンプ場がある。準備をして後日、そっちに行こうか」

 

 その後はあまり他の避難民と関わらないようにし、食事をとり、分かれて今後必要そうなものをピックアップしていく。

 その後は配布された毛布に包まり、他とは距離を取って就寝した。疲れもあり意識はすぐに落ちていった。

 

 

 

 あとアイは、食事だけ渡して放置している。普通のドライバーやペンチしか持っていなかったのに、キュイーンと電動工具の音がしていたこともあり、怖くて近づかなかった。

 あいつは数時間で何を作るつもりなのか。

 

「ひゃーひゃひゃひゃ!!!」

 

聞こえない。私には何も聞こえない。

 




こんな世界になったのならどんなポケモンを相棒にすべきなのだろうか?
強すぎるということ聞かなく、弱すぎると戦えない。
作者の回答は次話で。
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