黎明のポケットモンスター   作:チリラーメン

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新章突入。
もう少しいろいろできそうな章ですが、作者には書く技量がありませんでした。
面白そうなネタが感想にあれば、追加で書くかも(投稿するとは言っていない)


7話 サバイバル生活

 知らない天井だ。いや、天井ではなくテントなのだが、見知らぬ場所で目が覚めたら言わなくてはならないだろう。

 目が覚めても生き残った実感がわかない。

 

 それにしても本当に怖かった。思い返せば、恐怖しか湧き上がってこない。アドレナリンが出まくっていたのか走り抜けることが出来たが、もう二度とやりたくない。

 私がテントにいるということは、作戦の最終段階は成功したのだろう。そう、もし仕掛けが全て不発に終われば、夜の川に飛び込んで死亡偽装をするつもりであった。川は冷たく深く大きく、川の中にどのようなポケモンがいるかもわからない。賭け要素が強かったが、なんとか勝つことが出来た。

 

 安堵とともに、体を起こそうとするが体が重く動かない。川の中でいろいろぶつけた感覚があったので後遺症でも貰ってしまったか、と頭をよぎったが小さな寝息が聞こえてきた。

 目を向ければリラとルチアが私に覆いかぶさり寝ている。物理的に重かったようだ。心配をかけて申し訳なく思うが、重いのでどいてほしい。起こすつもりもないが。

 そんなことを思っていると、顔が舐められる。こいつも心配していたのだろう。

 

「お前も無事でよかったよ、心配かけたなガーデ、いやウインディ」

「ガウ」

 

 川の中で意識を失う前に、きれいな光が見えたのは気のせいではなかったようだ。川底に炎の石でもあったのだろうか。大きな巨体にかっこいいたてがみを持つでんせつポケモンウインディ。

 正直に言えば、川から岸辺に打ち上げられれば生き残れるかも、程度の生存確率だったので、ウインディが川から引き上げてくれなくては、今頃仏様になっていただろう。

 

「お前のおかげで生き残れた。ありがとう。ついでにこの二人も退かしてくれるとありがたい」

「わふう」

 

 あきれたような声を出しながらも、ウインディが二人をそっと退かしてくれる。わかっている。あとでいろいろ言われるだろうが、今は現状を把握するほうが大切なのだ。

 だから、そのジト目はやめてほしい。

 

 テントから出ると、外はもうすぐ太陽が出てくるくらいの明るさであった。

 周りを見渡してみると、大きな広場の川側にテントがあり、近くを流れる川には何かの残骸がある。そして林側にはなにかと戦った跡が残っていた。こちらも激しい戦いがあったのだろう。

 焚火の周りで夜番をしている二人を見つけると、安堵しながら近づいていった。とりあえず誰も失わずに生き残れることが出来たようだ。

 

「みんな無事でよかったよ」

「!!ユウ君。よかった起きたのか」

「………」

 

 ダイゴさんはすぐに返事が返ってきたが、アイからは無言の返答であった。

 手元で何か作業をしているようだが、こいつは意外に律儀だ。返事を返さないということはそういうことだ。

 

「はあ、心配かけてすまなかったな。ただいまアイ」

「…まったく次はないぞ。お帰りユウ」

 

 私とアイはお互いの拳を軽く合わせる。この距離が私たちなのだ。その光景を羨ましそうに見つめるダイゴさん。

 実は友達がいない?なんて失礼な考えが浮かんだ。

 

「現状は?」

「とりあえず安定していると言っていい。ただ、あまり油断はできない。林側にはいくつかのグループがあるが、全てどくポケモンと嫌な構成だ。川には獰猛なヘイガニが住んでいる」

「川から流れていたら、餌になっていたのか」

「そうだな。盟友を受け止める柵を作ろうとしても邪魔ばかりしてくる。幸い川から出れば問題ないが、いつまでも川の中から出てこないとは考えられない。盟友が上流の岸からウインディに運ばれていなかったら、餌になっていただろうな」

 

 本当に運がよかった。それしか言えないだろう。他の疑問もぶつける。

 

「あれから何日たった?それと私の体が元気なんだが、どういうことだ?まともに動けないのは覚悟していたんだがな」

「ああ、あれからまだ1日しかたっていない。そのからくりは…盟友はいい実験台になったよ。きのみのな。オレンのみですらすさまじいな」

「よく悪ぶれるね、アイ君。ウインディに運ばれた血だらけのユウ君を見ていの一番に駆け寄っていったのに」

「…くう」

 

 照れ隠しか。それにしても話を聞く限りきのみの力がすざまじいな。人間であっても瀕死からまともな状態にまでもっていくのか。

 

「残念ながら盟友の左わき腹のやけどの跡は治らないがな」

「これはいいさ。水に入るからわざわざウインディに焼いて塞いでもらったものだからな」

 

 サザンドラとの最後の決戦の時、ガーディを抱きかかえたときにひのこで焼いてもらったのだ。やらなければ出血死していたため、後悔はないがオレンのみでも持っていれば、なんて思いも出てくる。

 ただ焼けど跡が残っていることから、きのみは生物の修復力を強化しているのだろう。外傷は治せても、医者いらずとはいかないようだ。

 

「林方面は?」

「そっちは僕のほうが詳しいね。簡単に言うと上流側から西方面は一匹の強力なロズレイドが率いるスボミー系列のポケモン。西側が数の多いドクケイルが住んでいる。そこから北側の下流方面はスピアーたちの巣になっているね」

「よく無事で」

「本当だよ。初めにドクケイルのところに突入したら毒技のパラダイスだったね。幸いダンバルが鋼タイプだったから、なんとかなっただけだよ。その後南に追いやられて行っていると、急に追撃がなくなったんだ。今思えばここのドクケイルは縄張り意識が高いんだろうね。その後出てきたロズレイドはきのみを渡して通してもらった形かな。紳士的だったよ。問題はスピアーだね。こちらは攻撃的で野心的だ。餌のためか積極的にこちらにも攻撃を仕掛けてくる。今は隣接しているドクケイルに集中しているようだけど、いずれは無視できなくなるだろうね。それに川の向こう側の林は未知数だしね」

「かなりの激戦でしたね。それでダンバルが進化を?」

「そうなんだよ!まあ、それだけ負担をかけている証拠だから素直に喜べないけどね」

「メタ」

 

 そう、ダイゴさんの傍らにはダンバルが進化した姿メタングが佇んでいた。角ばったフォルムは男心をくすぐられる。でも私の相棒のほうがカッコいいからな!!

 

「さて、再会の宴は今度にして、この現状を打破していく方法を考えないとな」

「なら盟友。後ろの二人は任せたぞ」

 

 壊れたブリキのおもちゃのようにゆっくり顔を回せば、鬼が二人いた。起きたら心配していた人物がいなければ、まあ、こうなるだろう。

 

「………元気そうでよかったよ」

「「バカー!!!」」

 

アニメみたいなたんこぶが二つできました。

 

 




主人公たちは九州にいますが、ホウエンのポケモンばかり出るとは限らない。
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