魔法科高校の五条悟   作:YUTO1247

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五条悟の記憶探索 その2

 「なら――」

 「あ、でもお話聞く条件があるわ」

 「あ?」

 

 まさか交換条件を持ち掛けられるとは思わなかった五条だがすぐに我に返った。

 

 「条件って?」

 

 真由美が指をさした。

 その先には五条の手があった。

 

 「手?」

 「違うわ。その中よ」

 「中?」

 

 五条が手を目線の高さまで持ち上げた。

 その手の中には解いた包帯があった。

 

 「包帯?」

 「えぇ、包帯を付けないで学校に来ること。それが条件です」

 「は?」

 

 意味のわからない条件に困惑した。なぜそんなことを引き合いに出すのか、そもそも包帯を外させる意味とは。五条の中で様々な疑問が生まれるが答えは出なかった。

 

 「わからない?」

 

 真由美は五条の心を見透かしたかのように訊いてきた。

 勿論五条はわからなかった。

 だがここで素直に言うのは真由美の手の上で踊らされているように感じるため、言わなかった。

 結果として五条は最後の抵抗として黙ったが、真由美はそれを無言の肯定と受け取ったようだ。

 

 「長身で目元を包帯で覆う学生に皆、とは言わないけど一部の生徒は怖がっているの」

 「……マジ?」

 

 予想していなかった答えに五条は再度確認した。真由美は首肯する。

 どうやら本当にそういう理由らしい。

 

 「目の病気だったり、外見に異常があるというなら黙認しようとしたけれど、流石にファッションが理由だとね」

 「いやファッションじゃあねぇから!」

 

 五条が包帯をつけているのにはキチンとした理由がある。

 

 「俺の眼は【六眼】って言って特別なんだよ」

 「六眼?聞いたことがありません。知覚系のBS魔法ですか?」

 

 鈴音の予想はほぼ正しかった。

 恐らく六眼は魔法に当て嵌めた場合、BS魔法に分類される。

 ただし、六眼は知覚だけが優れているわけではない。

 

 「まぁそうだね。だから――」

 「ならば機能を切ればいいのでは?」

 

 鈴音は勘違いしていた。

 五条の持つ六眼は真由美のマルチスコープ、達也のエレメンタルサイトとは違う。

 魔法というよりも特異体質。

 故に機能のオンオフなどない。

 

 「あー、俺の六眼は分類としてはBS魔法だけど、厳密に言うと特異体質なんだよね」

 「特異体質…ですか?」

 

 あずさの問いに頷く。

 

 「そ、俺の眼は皆の眼とはそもそも根本から違うの。機能のオンオフはないんだよね。常にオンなわけ。ま、いいや。とにかく包帯外せばいいんでしょ?」

 「えぇ、そうしてくれるなら約束は守ります」

 

 五条は包帯をゴミ箱に投げた。

 

 「じゃあ、明日はよろしく」

 

 五条はそういうと演習室から出ていった。

 

 「ま、待ってください」

 「ん?」

 

 去る五条を止めたのは深雪だった。

 

 「なぜお兄様が勝つと……」

 

 あの場、あの時まで兄の勝利を信じていたのは深雪だけだった。

 摩利も生徒会のメンバーもなにか面白いものが観れるかもしれないと感じていたが勝利するとは思っていなかったはずだ。

 にも関わらず五条は言い切ってみせた。

 兄の実力を知る深雪が勝利を信じるのは当然だ。

 だが五条は違う。

 達也の真の実力を知らない。

 

 「だって達也強いじゃん。なんとなくわかるんだよね。そういうの」

 

 単純だった。

 達也が服部に勝つと思った理由。

 それは達也が強いからだ。

 強いやつが勝つ。

 簡単な理屈だ。

 

 「じゃあ、そういうわけだから。またな、深雪」

 「――はい、また明日」

 

 振り返ることなく、五条は歩いて行った。

 深雪はその後ろ姿を見て微笑んだ。

 

 「――ありがとうございます、五条君」

 

 『ありがとうございます、五条君』

 

 「え?」

 

 (なんだ、今の……)

 

 頭の中に記憶が迸った。

 今よりも幼く、制服ではなく白いワンピースを着ている深雪の幻影が見える。

 

 『「五条君?」』

 

 突然振り返った五条に深雪は首を傾げた。

 

 「あの、大丈夫ですか?」

 「え、あ、いや、大丈夫。悪い、ちょっとぼーっとしてたわ」

 

 五条は後頭部を掻きながら誤魔化した。

 その様子を少し不審に思った深雪だったが別に問題はなさそうだったので兄の元へと帰った。

 

 「この、既視感……まさか……」

 

 失った記憶のカギを握っているかもしれないクラスメイトから五条は目を離せなかった。 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 『ねぇ悟…』

 『ん?』

 『私、忘れませんから』

 『なんだよ、急に』

 『悟が助けてあげた人たちもお兄様も、全員が悟のことを忘れてしまっても…私、貴方のことずっと、覚えていますから』

 『深雪……?』

 『悟がかけてくれた言葉、悟がしてくれたこと…一つ一つ、全部私の宝物です』

 『……』

 『だから、悟――』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「……んぁ?」

 

 いつの間に寝ていたのだろうか。

 知らぬ間に朝が来ていた。

 なにか、大事なものを観ていた気がする。

 なにか、大切なものを思い出していた気がする。

 確信めいた予感とは裏腹にその何かを思い出すことはできなかった。

 

 「ハァ……ったく、中々難儀だな。記憶を探すってのは」

 




五条悟暗殺計画(魔法師編)

五条悟を殺す方法はたくさんあります。
まず第一に五条には無限バリアがありますが達也の分解魔法を防ぐことはできません。
精神干渉系などの系統外魔法も例外ではありません。
殺すなら魔法で殺しましょう。

とはいえ、そう簡単にいかないのが我らが五条悟です。
呪術で防げないのなら魔法で防げばいいんですよ
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