「ただいま」と言うために   作:ZG

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すっかり放置していましたが懲りずにまた更新させていただきます!
ところで皆さんはゴーストガンダムとフルクロスの予約は出来ましたか?私は開始前から待機していたおかげで何とか予約できました!(代わりに財布が大分軽くなりましたが……)発送が楽しみですね!










ビギナ・ギナⅡ(木星決戦仕様)もでないかなぁ……


Memory 7

「何でこんな面倒なことになるかなぁ」

 

その男はとある建物をフラフラと散策していた。

 

「ろくでもない男から受け取る物がこんな所にあるなんて…」

 

白いスーツに何時ものサングラスを着用したゴーストは、そのろくでもない男、ジェイル・スカリエッティから指定された場所『ホテル・アグスタ』に来ていた。

本来なら関わりたくもない事だが、放置する方が返って何をしでかすのか分からないのがあの男だ。下手にややこしくなる前に目的の物を回収してとっとと撤収。ゴーストの頭にあるのはそれだけだった。

 

「にしてもケイトの奴は何処に行ったんだ?」

『会場の知り合いに挨拶しに行くと言っていましたが、随分と遅いですね』

「まぁ、こっちの予定にもまだ、時間があるし建物の構造を把握する時間が取れたからいいけども」

 

視力を失ってから随分と経つが、未だに聴覚のみで周囲を把握するのに時間がかかる。有事の際に動けるように可能な限り把握する必要があった。しかし、構造を把握することだけに集中し過ぎていたのか。上手く集中できていなかったのか。肩に触れられるまで、後ろから人が追って来てるのに気が付いていなかった。

 

「ハンカチ落としましたよ」

「ああ、すいません。物思いにふけっていたもので気が付きませんでした」

 

ゴーストはその女性に話しかけられると、意識を切り替え別の人間の様にふるまう。表に出て活動する時よりもより一層、自分が何者なのかを気づかれないように。何故ならその女性の事をよく知っていたからだ。

 

(本当にろくでもない一日になりそうだ)

「態々ありがとうございます。私はこの度、オークションのお品物を運ばさせていただいたブラックロー運送の社長、クラウン・ライアーと申します。気軽にライアーとお呼びください」

「管理局執務官フェイト・T・ハラオウンです」

「おお、あの管理局のエースの一人、ハラオウン執務官にここで会えるとは」

 

現状もっとも会いたくない組織の、会いたくない人物の一人に出くわしてしまったのだ。溜息もつきたくなるが堪える(ちなみに一番ははやてだ)。何もゴーストはフェイト達が嫌いだから会いたくないのではない。ただ、揃いも揃ってやたらと勘が鋭いのだ。決してバレる可能性は高くないが、少しでもボロを出せばバレるやもしれない、特にはやては賢しすぎるので今は本当に会いたくない。なんとか早々に話を切り上げて、この場を離れたいゴーストだが、中々切り上げるタイミングを見つけられず逃げようにも逃げられない。

 

「ライアーさんは運送会社に勤めて長いんですか?」

「いえいえ、全然まだ3、4年程です。それが、どうかしましたか?」

「いえ、その多分ライアーさん目が見えてないですよね?声を駆ける前の足取りもどこかフラついていましたし。だけど、まるで管理局の魔導士や聖王協会の騎士のように隙を感じられなかったので…」

「・・・・・・良い目をお持ちだ。ええ、私は以前管理局で嘱託魔導士として所属していたのですが…5年前にとある管理世界で起きた戦闘で重症を負ってしまいましてね、それ以来、眼が見えなくなってしまいました」

 

そう言いながらゴーストはサングラスを外し目をフェイトに見せる。何も見えないものの、フェイトが息をのんでいるのは分かる。グロテスクな傷があるわけではないが、視力を完全に失っているのは傍から見ても分かるのだろう。

 

(きっと美人になってるんだろうなぁ)

 

眼が見えない事に後悔しながらも、平静を装い接する。

 

「あぁ、お気になさらず。おかげで色々考えることが出来たので悪い事ばかりではありませんでしたよ。まぁ、今は成長したお前の姿を見れないのは残念だけど

「? 今なんて…」

 

フェイトが何かを喋ろうするが、それをかき消すようにゴーストの後ろから別の男の声がする。ケイトが挨拶回りを終わらせて戻ってきたのだろう。ゴーストはサングラスを戻し踵を返す。

 

「もう少し話をしたかったですが。時間が来てしまったようです。では、オークションをお楽しみください」

 

ゴーストはそのまま足早に去っていく。フェイトが居た方から二人分足音が聞こえてきたからだ。よく覚えている気配が二つ、あのまま居たら本当にバレかねない。無理やり話を切り上げたことに少し申し訳なく思いながら目的地へと向かうゴーストにケイトが話しかけた。

 

「いいんですか?ボス」

「何が?」

「せっかく会えた友人なんだろ?もう少し話してたってバチは当たりませんでしょうよ」

 

何時も飄々としているケイトにしては珍しく真剣な顔をしてそう言う。

 

「俺は彼女達の事を知らない」

「はあ?」

「それでいいんだよ」

 

今更死んだ奴がのこのこ現れたって困惑するだけだろう。何より死人である自分が今を生きている皆の邪魔をしたくない。言い訳と思われるだろうが本当の事だ、現にゴーストは皆のところに戻るには知り過ぎてしまった。元々清廉潔白な組織なんて存在しないし、管理局程の巨大な組織になれば暗い話には事欠かないだろうと考えていたが実際に関わってしまった今はそれがどれだけ甘い認識だったのかを思い知らされている。

 

(アイツらの邪魔は絶対にさせない。そのためにも今は関わってはいけないんだ)

 

ゴーストと名乗る時に決めたたった一つの意志。自分の遺志は皆が受け継いでくれるのなら、死人は死人に出来る事を、皆を守る為にどんな事でもしようと。かつての事件の時瀕死で回収されたゴーストは最高評議会の取引を受けた。

 

「あんたも大概めんどくせぇな」

「誰に言われようと俺が自分で選んだ結果だ、まだ帰るつもりも成仏するつもりもないよ」

 

心底めんどくさそうにため息を吐いたケイトを連れて会場の地下へと進んで行く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「クラウン・ライアー……」

 

やや強引に会話を切り上げられたフェイトは会話をしていた男の名前を繰り返しつぶやいていた。聞いたこともない名前、初めて会った人のはずなのにどこか懐かしい気配を感じていた。

 

「やっと見つけた!フェイトちゃん!」

「こんなとこにおってどうしたん?」

 

そんなフェイトの後ろから二人の女性の声がする。フェイトと同じようにドレスを着こんで会場をまわっていたはやてとなのはだ。二人はオークションが始まる前に改めて有事の際の打ち合わせをしようとフェイトを探していたようだ。

 

「さっきまでオークションの商品を運んで来たっていう人と話してたんだけど…その人がどこか懐かしい感じがして……」

「運送会社の人?そういえばさっきスタッフの人がブラックロー運送の社長が来てるって言ってたからその人じゃないかな?」

「ブラックロー運送っていうと管理局も結構お世話になってるって前にクロノ君が言っとったなあ」

 

そんな会話をしているうちにオークションの時間が迫って来る。世間話もそこそこに始まってからの動きを外にいる六課のメンバーも交えて最後の確認をする。ホテル・アウグスタのオークションはロストロギアを取り扱う事もあるのでそれをレリックと誤認したガジェットが襲う可能性がある。会場にいる間はフェイト達はあまり派手に動き回るわけには行かないが、管理局の人間として魔導師として一般人に被害を出すわけには行かない。各々がそれを胸に自身の役割を再確認し、持ち場へと着く。

 

「頑張ろうバルディッシュ、ムラマサ」

『了解』

『心得ました』

 

居なくなった少年の代わりに大勢の人たちを救う。それが……今の彼女の戦う理由の一つなのだから。

 

 

 

 

 

 

 

「おいボス……こいつは一体どういうことだよ」

「こりゃまた随分素敵なプレゼントだよクソが!あのマッドサイエンティストめ、何を考えてやがる!」

 

オークションが始まったころスカリエッティが送って来たメッセージを元に地下の搬入口へとやって来たゴースト達。そのプレゼントを見るや想像を超えたそれを見て憤りを露わにした。

そこにあったのはロストロギアでもスカリエッティの発明品でもなかった。いや、あの男が作ったのは確かだろう。だが、それは物とは言えない紛れもない命だった。

 

虹色の少女との邂逅が幽霊(ゴースト)を現世に呼び覚ます。

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