EDFがオバロ入り   作:罪袋伝吉

9 / 12
※原作崩壊注意&創作ねつ造注意。

・本編に、あんまし関係ありません。たぶん。たた、この物語のアルベドの立ち位置はわかるかも知れません。

・伏線?そんなものは原作も潰しまくりなので知らないよ?



遥か過去の話~①アルベドとタブラスマラグディナ

 

 タブラスマラグディナが生み出したNPCはどれも手の込んだギミックが仕込まれており、とにかく造形から設定、能力から何から何までその時その時の最高のものを凝りに凝りまくって仕込んでいる。

 

 それはアルベドも例外ではない。

 

 フレーバーテキストに精密に計算された暗号を運営にもAIにも全くわからないように仕込んでいた。

 

 はっきり言って、なんでそんな労力をかけて訳の分からない事をやらかしたのか?とかギルドの誰もアルベドのフレーバーテキストを見なければ全く意味が無いじゃないか、とか様々なツッコミはあるだろうが、彼からすれば、ある種の自己満足のためである。

 

『タブラさん、この子スッゴい美人さんですよね!うわ~、モナリザとかそんな感じですね~」

 

 製作途中のアルベドの姿を、モモンガに見せた時、

 

『モナリザですか。ふーむ、そういえばモナリザを描いたレオナルド・ダ・ビンチは絵画に様々な暗号を残したという話がありましてね……』

 

 と、オカルト的な蘊蓄を語ったわけだが、タブラスマラグディナはそこからアルベドに何らかの暗号を仕込めないかという発想を得た。

 

 モモンガ、つまり鈴木悟からすればアルベドの容姿が芸術的だという事を言いたくて、少ない芸術の知識からポピュラーなものとしてモナリザと口に出したに過ぎないのだが、しかし設定魔にしてホラー、カルトネタの宝庫であるタブラスマラグディナは、アルベドのフレーバーテキストに『モナリザ』発言をしたモモンガ宛てのメッセージを仕込んだのである。

 

 守護者統括という設定のアルベドは玉座、つまりギルドマスターが座る席のすぐ側に配置されているNPCである。

 

「完璧に立ち位置がモモンガさんの嫁ポジだよねーこれ」

 

 その発想もまたアルベドのキャラ付けに生かされた。

 

 しかし、ただ単純に『モモンガの嫁である』とか書くのもなんか面白くない。

 

 その辺も暗号に仕込みつつ、しかし深く読むと理解出来るように慎重に文章を編み上げて行く。

 

「ん~、アルベド(白化)だし、これはわかりやすいかな?ここはわからせるのが目的だからむしろあからさまに……」

 

 と、白いドレスをウェディングドレスに見立ててデザインしたり(ドレスデザイン協力・ホワイトブリム氏)。

 

「ブーケ、といきたいけどそこは無理……だな。嫁入り道具にワールドアイテム持たせてっと」

 

 真なる無(ギンヌンガガプ)を宝物庫からこっそり拝借して持たせてやる。

 

「ブーケには……苦しいかな、これ」

 

『でも、なんかここまで暗号仕込んでも見てくれなけりゃ腹立つし、解いてくれなきゃ面白くないな。とりあえず細工しとこ。えーと、元々北欧神話のプレイヤとかがモデルだし、性に淫蕩な感じで……〔だがビッチである〕っと。これでよし』

 

 と、多分真面目なモモンガなら見たらテキスト直すだろうと最後に余計な一文に書き足したりした。

 

 なお、フレイヤとは北欧神話に出て来る女神であり、とにかくやたらと男を誘いまくるビッチな性格をしているとされており、アイテムの為にドワーフ達と性行為をやらかしたりしたと伝えられている。

 

 そんな女神が元々のアルベドのモデルだったりするのだが、その辺を取り入れつつ設定を謎の美女と言われたモナリザの方に近づけていったが、しかし〔だがビッチである〕の一文で台無しである。

 

『ほーら、モモンガさん。書き直さないと君のお嫁さんがビッチになっちゃうよー?NTRされちゃうよー?』

 

 なんぞと独り言を言い、タブラスマラグディナは溜め息をついた。

 

「……こんなに凝ってもねぇ、NPCは自我も自立的にも動かないお人形さんだし、いつかユグドラシル自体もサービス終了すれば、何もかも無くなってしまうんだよね」

 

 そうして、タブラスマラグディナは玉座の間にアルベドを設置すると、他のギルドメンバーの集まっている九階層へと去っていった。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 タブラスマラグディナが現れなくなったのは、それはギルドメンバーのベルリバーが亡くなった直後だった。

 

 彼がユグドラシルを引退したのはベルリバーが亡くなったから……ではない。

 

 ギルドメンバーのウルベルトとたっち・みーの会話を聞いたからである。

 

 タブラスマラグディナは、その二人の会話からベルリバーの死を知ったが、それと同時にベルリバーの死の真相も知ることとなったのである。

 

 ベルリバーは世界を牛耳る大企業のスキャンダル、それもそれが世に出ればそと企業体の上層部の大半の者の地位が吹き飛ぶほどの情報を偶然、知ってしまい、一人では抱えきれずにこのような場合において最も信用出来ると踏んだ人物二人に相談をした。

 

 その二人とはギルドメンバーのたっち・みーとウルベルトだった。

 

 だが、ベルリバーはそのうちの一人の裏切りによって殺されてしまったのだ。

 

 裏切り者の名は、たっち・みー。そしてベルリバーを手に掛けて殺したのも、たっち・みーだった。

 

 正義の味方を名乗り、正義の味方のロールプレイをしている男は、企業の犬だったというわけだ。

 

 ウルベルトは激高し、たっち・みーに言った。

 

『てめぇ、ベルリバーを売りやがったな?!』

 

『……世界の秩序は、守らなければならない。彼の情報は、他の企業体に攻めいられる口実になりかねなかった。そうなればまた企業戦争が起こり、多くの被害者が出てしまう』

 

『だからベルリバーを殺したってのか、この偽善野郎!いや、クソ野郎!!』

 

 つかみかかろうとしたウルベルト、しかしたっち・みーは冷たくそれを剣で叩ききった。

 

 ゲームの中ではただのプレイヤーキル、いいや、ギルド拠点のなかでギルメン同士ではプレイヤーキルにすらもならない。ダメージすら発生はしないのだ。

 

『……次はお前だ、○○○。お前を放置して置くわけにはいかない』

 

 たっち・みーは、そう言うとすぐにログアウトした。

 

 ○○○とは、おそらくウルベルトの本名なのだろう。秘匿性の高いゲームのプレイヤーの名前を公安警察の人間であるたっち・みーが呼んだ、それはつまりウルベルトの正体も本籍も何もかも知られている事を指す。

 

 ウルベルトはたっち・みーの消えた場所を睨み、吠えるように叫んだ。

 

『クソ野郎ぉ!!てめえは必ず俺が殺す!!てめえを飼ってる企業もぶっ潰す!!覚えてろよ、みんなの仇は俺がみんな殺ってやる!!△△△、必ず殺してやるからなぁぁぁっ!!』

 

 その事件から、すぐにウルベルトとたっち・みーはユグドラシルを辞めた。

 

 モモンガに装備などを渡して辞めていったのは二人とも同じだったが、現実世界ではこの二人は血で血を洗う殺し合いをする敵同士となった。

 

 しばしば起こる大規模テロ、その主犯格となった男と、公安警察の対テロ要員。その正体が元は同じゲームで仲間だった二人だとは誰も思わなかっただろう。

 

 たっち・みーによって殺されたギルドメンバーは総勢16人。そしてウルベルトも殺され、また、たっち・みーもまた死んだ。

 

 全ての決着が終わった。それは奇しくもユグドラシルがサービス終了の知らせを送ってきた日だった。

 

『みんな、居なくなってしまった。あの日から殺されるんじゃ無いか、二人の話を聞いていたのがバレてないかと恐ろしくてログイン出来なかったけど……』

 

 タブラスマラグディナはほとぼりが冷めたと思い、そして仲間達の追悼と思ってユグドラシルにログインして驚愕した。

 

 もう無くなってしまっていると思っていた、ナザリック地下大墳墓が、ギルド拠点がまだある?!

 

『何て事だ、ああ、何て事だよ、誰が維持してるんだ、というか誰が残って……」

 

 ギルドメンバーの名簿を見て、誰が直近でログインしたのかを見て、また驚く。

 

「モモンガさん、ああ、あなたって人は……!」

 

 涙が出た。

 

 モモンガはさすがにログインしていなかったが、しかしログインしていたなら合わす顔も無い。

 

 保身のために、隠れるようにして仲間達がたっち・みーに殺されていたのに何もせず、傍観して震えていただけの自分が、どうしてモモンガさんに会えるというのか。

 

 泣きながら、懐かしいギルド拠点をタブラスマラグディナは歩いた。宝物庫や大浴場、それに自分が作った創作物、ニグレドやルベド、そしてアルベドに最後に会いに行った。

 

 玉座の間で、みんなの旗が全て揃っているのを見て、またタブラスマラグディナは泣いた。

 

 そして自我も意識も持ち合わせぬNPCであるアルベドに話しかけ、

 

「……アルベド。このユグドラシルはもうすぐ終わるんだ。いいや、とっくに僕達アインズ・ウール・ゴウンは終わってしまった。裏切り者のせいでベルリバーさんが殺された時に。モモンガさんはみんなを信じて、ここを守っていたというのに何もかも消えて終わってしまうんだ。モモンガさんのお嫁さんとして作った君も。ううっ、こんな事なら君を作らなければ良かった。何も知らずにこんなゲームなんてやらない方が良かった……!こんなに無力で悲しい思いをするならっ!!」

 

 アルベドの前でひとしきり号泣して、タブラスマラグディナは、最後に。

 

「……こんな創造者でごめん。せめて最後の時はモモンガさんと一緒にいられるといいね。僕はもう、来ないけど。今まで本当にありがとう。僕の最高傑作、いや我が娘達、幸せな最後を……」

 

 そういい、ログアウトしていった。

 

 その晩。

 

 とある人物が事故で亡くなった。

 

 その死因はかつてベルリバーとゲームで名乗っていた男のように隠蔽され、葬儀も行われること無く誰にも知られることなく処理された。

 

 繰り返し、世界は愚かさで踊らされる。

 

 優しい友は何も知らず、ユグドラシル最後の時間を過ごし、NPC達は物言わず、立ち尽くしているのみだった……。





 全てねつ造じゃ!と、開き直りっ!!

【たっち・みー】
・この物語では、巨大な権力に妻子を人質にされて苦悩した上で、仲間を手に掛けねばならなかった、という設定。

【ウルベルト】
・この物語ではテロリストのカリスマ的リーダーになりますが、結果的にたっち・みーと相打ちになります。この抗争はやがて企業間戦争の引き金となり、そして地球滅亡へと発展します。

【タブラスマラグディナ】
・命の危険を感じつつ、事件を独自で調べ真実を知った上で何も出来なかった一般人。最後にユグドラシルの宝物庫を訪れた際にとあるアイテムをパンドラズアクターに託してますが、ログアウトしてすぐに殺害され……。

【アルベド】
・タブラスマラグディナさん公認、モモンガさんの嫁。

・『タブラスマラグディナ様なら、娘を嫁に出す気分で……』は本当にそうだった訳で。

・ただし『モモンガを愛してる』とか書くとはタブラさんも思って無かった。

【今回のねつ造被害者】

・たっち・みー、ウルベルト、ベルリバー、タブラさん、そして名前もあがってなかった、ブループラネットさん、その他のギルメン。

・あ、ヘロヘロさんはまだブラック企業で苦しんでるよ?

・ペロロン君と茶釜さんは、相変わらずの日常を送ってるよ?
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