宇宙暦796年5月自由惑星同盟軍ヤン・ウェンリー少将率いる第13艦隊によって陥落したイゼルローン要塞において引き継ぎの艦隊が来るまで要塞内の調査をしていた調査隊の報告を聞いたヤン少将を始めとした幕僚達は頭を抱える事になった。
《第13艦隊司令官ヤン・ウェンリー少将》
「これは…まいったねぇ?」
《首席幕僚ムライ准将》
「迂闊でした、まさかこんなことが…」
《次席幕僚パトリチェフ准将》
「仕方ないといえば仕方ないでしょうが…」
《副司令官フィッシャー准将》
「うぅむ…」
《薔薇の騎士〘ローゼンリッター〙連隊長シェーンコップ大佐》
「失念しておりましたなぁ?まさか…」
「「「「「軍事施設内に女性用トイレがないとは…」」」」」
調査隊の報告では民間人居住区には女性用トイレはあるものの、軍事関連施設には一切見当たら無いという報告が各フロアに派遣した調査隊から上がって来た。これには軍に女性が居るのは当たり前だった同盟軍には盲点であり意外なところで頭を悩ます問題に発展したのだった…
《副官フレデリカ・グリーンヒル中尉》
「調査隊の女性達から早期の対策を要求しています。というより艦隊の女性全てが、です。」
《ヤン提督》
「まぁ確かに帝国軍には女性兵士は居ないから女性トイレは必要無かったんだろうけど…」
《ムライ》
「まさかこんな形で影響が出るとは思いもしなかった…」
《パトリチェフ》
「どうします?男性トイレの幾つかを転用しますか?」
《フィッシャー》
「それでは逆に男性が困ってしまうのではないか?工兵隊に早急に作って貰えば…」
《シェーンコップ》
「工兵隊に問い合わせてみましたが、資材と人数が絶対的に足りないそうですな」
《パトリチェフ》
「では艦で仕事をしてもらうというのはどうでしょう?」
《フィッシャー》
「其れはそれでいざというときに動けないのではないのか?」
《ムライ》
「提督どういたしますか?女性兵にはかなり切実な問題ですが?」
《ヤン提督》
「…グリーンヒル中尉現在使われていない士官室はあるかい?」
《フレデリカ》
「はい、埃被ってる部屋が幾つかあると報告が上がっておりますが?」
《ヤン提督》
「なら幾つかそれを一時的に女性用トイレに使おう。その間に本国に業者なりを早急に派遣してもらおう」
《ムライ》
「確かにそれしか方法はないかもしれませんな」
後日イゼルローン要塞よりハイネセンに送った通信にトイレ業者の早期派遣を要望したのは言うまでもない。