ヤン提督「今度は何だい、グリーンヒル中尉……」
イゼルローン要塞を掌握したとはいえ要塞の広さが半端ない為事後処理が終わりが見えずヤン提督以下の幕僚達にも疲労感が漂い始めていた
グリーンヒル中尉「小さな問題は武装解除した帝国兵の小火器の保管場所の確保と装甲車や戦闘ヘリの処分もあります」
ヤン提督「小火器は兎も角、装甲車や戦闘ヘリ?この要塞そんな物まであったのかい?」
グリーンヒル中尉「元々広い要塞ですから運用も可能です。ですが元々はカプチェランカやヴァンフリートに送る為に要塞で造られた物の様です」
ヤン提督「なるほどね、で?大きな問題は?」
グリーンヒル中尉「帝国艦やワルキューレです」
ヤン提督は怪訝な顔を上げた
ヤン提督「帝国艦?駐留艦隊は全て帝国に撤退した筈じゃないのかい?」
グリーンヒル中尉「確かにそうですが、あの時偶々整備に入ってドッグ入りした艦艇です。我が軍の催眠ガスで乗員諸共ドッグに入ったまま拿捕されました」
ヤン提督「あぁそうか、そりゃあ整備の為にドッグ入りした艦艇もあるわな、数は?」
グリーンヒル中尉「戦艦が五十隻、巡航艦が八十隻、駆逐艦が九十隻になります」
ヤン提督「大体二個戦隊位か、確かに面倒だな…ワルキューレの数は?」
グリーンヒル中尉「約三十万機かと…これはイゼルローンの防空隊所属の様です」
ヤン提督「三十万か…やれやれ、まだ休めそうにないな」
グリーンヒル中尉「いかがしましょうか?」
ヤン提督「……小火器やヘリ、装甲車は輸送艦に詰め込んで同盟本国に送るとして…ワルキューレは我が軍のパイロットで動かせると思うかい?」
グリーンヒル中尉「どうでしょうか?操作も言語も異なる戦闘艇を、ましてや我が艦隊は新兵と第四、第六艦隊の残存兵力から構成されてますから」
ヤン提督「確かにね、急拵えの我が軍では事故を起こしかねないな…一旦ワルキューレは棚上げだ、本国から増援寄越して貰わないと話にならないからね。帝国艦はどっち側のドックに入ってるんだい?」
グリーンヒル中尉はファイルを捲った
グリーンヒル中尉「同盟領側に入って居るのもありますが大半は帝国側に面しているドックです。これは同盟領側での戦闘が中心でしたから軽整備なら兎も角、重整備は帝国側ドックの方が安全に行えますから至極当然な配置ですね」
ヤン提督「うーん…これは撤去するなら帝国側ドックの帝国艦かな?だけどこれも本国から人員を送って貰わないとな…やれやれおちおちブランデー入り紅茶を飲む暇も無いな」
グリーンヒル中尉「あと少しの辛抱ですわ、それと閣下お酒はお控えしてください」
ヤン提督「……やれやれ、本当に休む暇も無い…か」