B.O.O.《ブラストオフ・オンライン》   作:Sence023

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Blast3-5

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 

 女子と合流するまでの間、浩太郎の家で飯を食う事を勝手に取り決めていた男子は浩太郎の家に一旦向かい、特別汚い訳ではないが無性にモザイクを掛けたくなる様な状態の部屋を掃除して

激安スーパーマーケット『カマタスーパー』に向かっていた。

 

 買い物籠預かり役兼女子への連絡係を任された利也はタイムセールの広告を見るや主婦を相手に出入り禁止を受けるほどの大立ち回りを演じ始めた隼人達を遠目に見ながら急場でこしらえた買い物メモで

安売りに入っていないものを籠に入れていた。

 

 安売り開始と同時に店舗に突入した時の事を思い出していた利也は開幕と同時の高速タックルで40代のおば様方をぶっ飛ばしていた隼人の悪い笑みを思い出して溜め息を落とした。

 

「皆性格とか素行は良いんだけど情け容赦が無いのがなぁ・・・・」

 

 探偵部でも屈指の常識人である利也の溜め息を遠目に見るおば様方は憂鬱な表情で長葱を掴む少年がまさか特売セールで伝説を作ろうとしている売り場荒らし共の知り合いであると気付いていなかった。

 

 それから一時間後、おば様方からの引っ掻き傷とぶっ飛ばした勢いで陳列棚に激突した際に出来た打撲痕と勝ち取った戦利品を引っ下げて利也と合流した隼人は半目を向けられて怯んだ。

 

「やはり頭数あると楽だな・・・格安の鶏のモモ肉が六つも手に入った。これで八人は楽に食べれるぞ」

 

「隼人君・・・その鶏肉絶対血に塗れてるよね」

 

「正当防衛だ、向こうがプッシュしてきたからな」

 

 それでもタックルはやり過ぎである、そう心の中でツッコんだ利也は自信満々の隼人達が鶏肉二パックずつを籠に入れたのを黙して見守っていた。

 

「隼人君てさ何時ものこの調子なの?」

 

「そうだが」

 

「近所のスーパーで出禁(出入り禁止の略)食らってないの?」

 

「いや? 寧ろ店長から感謝されてるが」

 

「何で・・・?」

 

「名物なんだと。毎回恋歌と商品取り合ってるからか知らんけど」

 

「ああ・・・」

 

 なるほどなぁ、と利也を含めた男子三人は察しの付く理由から納得し、武器無しの生身で隼人と渡り合える恋歌のポテンシャルに恐れ戦いた。

 

 中学校の頃、不審者訓練でエアガンとゴムナイフを持った不審者役の教員をぶちのめした経験(生徒指導行き)がある隼人が武器を持った下手な大人よりも物凄く強い事を重々理解している三人は

少なくとも丸腰で喧嘩しようとは思わなかった。

 

「おい、お前等何固まってんだよ。次のタイムセールあるんだから行くぞ」

 

「お、おう。・・・そう言えばさ、お前と渡り合える人間どれ位いるんだ・・・?」

 

「ん? えーっと、恋歌位か」

 

「そ、そうか・・・」

 

「あ、でもうちの姉ちゃんとお袋と親父は俺より強いぞ」

 

 さらっと言った隼人に三人が固まる。隼人の家にはしょっちゅう遊びに行く三人は五十嵐家が生粋の刑事家系であることは知っていたがまさか全員が生身最強であるとは思ってもいなかった。

 

 逆らわない様にしようと心に誓った三人は首を傾げる隼人に畏怖の目を向けていた。

 

「じゃあモヤシ分捕りにいくぞー、これ済んだら会計な」

 

「おう、よっしゃコウ! 頑張ってモヤシ二つ取るぞ!」

 

 実際順番抜かしなのだが何時も通り過ぎて利也は四の五の言うつもりはなかった。

 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 

 それから二時間後、利也の家に帰って晩飯の仕度を四人並んでしていたムサい男共は先に帰ってテレビを見ている加奈の様子が気になっていた。浮き浮き顔で鶏肉を捌く浩太郎は気づいた様子は無く、

寧ろ他の三人が何かを啜る音に気付いていた。

 

 ネギと豆腐の味噌汁とほうれん草の御浸しを作る隼人と利也、ガスコンロで米を炊いている武は手を止めて小さくじゃんけんをすると負けた利也が恐らくテレビを見ているであろう加奈の方を振り返った。

 

「・・・何?」

 

「いや、何のテレビ見てるのかなあって」

 

「録画してたアニメ」

 

「た、タイトルは?」

 

「言わなきゃ駄目?」

 

「べ、別に言わなくても良いけど」

 

「なら良いわ」

 

 仏頂面の加奈に気圧された利也は落ち込みながらほうれん草を切り始め、それをフォローする隼人と武は火加減を調整しながら浩太郎の表情を窺った。たまに笑い顔で怒っている事があるので注意している。

 

「あ、加奈ちゃん」

 

「な、何? 何か用?」

 

「イヤホン外した方が難聴になり難いよ? 僕等気にしないから外しなよ」

 

 満面の笑みを浮かべてそう言った浩太郎に顔を赤くした加奈はぎこちない動作でイヤホンを外し、ジャックに手をかけて泣きそうになっていた。コイツ鬼だ、と戦慄した利也達は慌ててフォローに入る。

 

「ぎ、銀崎さんは僕等に遠慮してたんだよ! ほら、音出すと気が散っちゃうし!」

 

「でもさ、遠慮しなくて良いでしょ?」

 

「い、いや?! 気が散るから付けて欲しいよ?!」

 

 おっかなびっくりで本音を言った利也は一瞬見えたテレビ画面に映る美少年の静止画にやっぱりか、と内心で思うと不思議そうにしている浩太郎に悟られない様に丸め込んだ。

 

「んー・・・じゃあ加奈ちゃん悪いけどイヤホン付けて見てくれる?」

 

「う、うん」

 

「ごめんね」

 

 寧ろ酷い生殺しをする所だった浩太郎から隠れて安堵の息を漏らした加奈はイヤホンを付けてテレビに向き直った。浩太郎似のキャラクターが出て来る少女マンガ原作のアニメ『ダウナーラブ』の視聴を

再開し、エロスシーンの生々しさに自然と息が荒れていた。

 

 言うんじゃなかったか、と荒れる吐息を耳に入れていた利也達は不意に鳴った呼び鈴に一瞬作業の手が止まった。

 

「はーい、いらっしゃい」

 

 台所のすぐ隣に玄関があるのですぐ傍にいる浩太郎がドアを開け放って作業に戻る。勝手知ったるやと言った風体で入ってきた恋歌達に目を向けた隼人達は調理の終わった副菜とご飯を布巾を敷いた

ダイニングテーブルに移した。

 

「よっす、遅かったな」

 

「なっちゃんの家で買った物置いてきたからねー」

 

「そんなに買ったのかよ」

 

 ご飯を炊いていた土鍋(引っ越し祝いで隼人の家にあった物をあげた)を机の上に置いた武はドキッとしている楓に首を傾げていた。その隣に利也がお浸しの入ったボウルを持ってくる。

 

「あはは、ぬいぐるみ作るのかな?」

 

「そ、そんな所・・・」

 

「裁縫得意だもんね、夏輝ちゃんは」

 

 微笑する利也に俯きながらそう言った夏輝は今でテレビを見ている加奈の方に移動すると一緒に見始めた。少女マンガが好きなんだっけ、と考えていた利也は余計な事をしない様に恋歌達から離れた所でスマートフォンを弄り始めた。

 

「利也、コーヒーいるか?」

 

「え、もうすぐご飯でしょ?」

 

「いや、インスタントコーヒー買いに行こうか迷ってたから」

 

「あ、じゃあ付いてくよ。やる事無くなっちゃったし」

 

「よし、じゃあ。行って来る」

 

 武と利也が並んで出て行くのを見送った隼人は鶏肉とモヤシを炒めている浩太郎を横目に見てからやる事を模索し始めた。本棚整理すると加奈に怒られる(本棚の奥の方にモザイク処理されかねない物があったからと判明)。

 

 何しようか、と思っていた彼は今の畳の上に腰掛けると音も無く近寄ってきた恋歌が胡座の上に座ったのに驚き、身動きが取れなくなってきた彼は包囲する様に座った加奈達に身を硬直させた。

 

「お、お前ら何のつもりだ」

 

「んー? のこのこ乙女の園に来たお馬鹿さんへのお仕置きだよーん」

 

「こ、この状況がか?」

 

「うんにゃ、これから一緒にアニメ見てもらうんだよん」

 

「は? それのどこが仕置きだと―――」

 

 言い掛けて隼人は正面のテレビに映るタイトルを読み取るや否やその意図を理解した。確かに自分はとんでもない所に来た様だ、乙女アニメを見るのは分かっていたがハードタイプまで見る必要があるのか。

 

「お、おいお前らこれ見るのか・・・?」

 

「ん? 何? 問題あるかにゃ?」

 

「あ、いや・・・その・・・な、俺は席を外すから。ぐッ!?」

 

 瞬間、恋歌が抱き付いた隼人の片腕が彼女の体の方へ巻き込まれ、立ち上がる力を逃がしてしまう。無理にも立ち上がろうとした隼人は片腕に抱きつく彼女が腕の筋肉を調べる用に揉み始めたのに力が抜けた。

 

 胡坐から寝転がる形になった隼人を避けた加奈達女子三人は隼人にじゃれ付き始めた恋歌を彼に付けてアニメ観賞を始めた。畳の上に敷かれたカーペット材が枕になった隼人の腕に食い込み、大きく欠伸した彼は

懐で同じ様に欠伸する恋歌に眠気眼で苦笑する。

 

 本当に兄妹みたいだ、と離れた位置から見ている浩太郎が思い、身長さからそうとしか思えないペアを炒め物を皿に盛り付けながら見守っているとコーヒーを買って帰ってきた利也達に笑みを向けた。

 

「お、出来たのか。飯食うか?」

 

「そうだね、あの二人起こしてあげてよ」

 

「ん? ああ、仲良いよなぁあの二人は」

 

 呆れ半分の武に苦笑した浩太郎は添い寝寸前の隼人達の方に移動しようとしてダイブしてきた楓に驚き、彼女のパンチを顔面に食らった。余りの威力に悶絶している武を跨いだ利也がテレビの方を見ない様にして隼人を起こし、

大欠伸をした彼が軽く伸びをしたのを見てその場を離れた。

 

「よし、手伝うか・・・」

 

「わ、私も手伝う!」

 

「ん? 四人もいれば十分じゃないか? まあ、座って待ってろよ」

 

「じゃあ・・・そうする」

 

「ん、じゃあ待ってろよ?」

 

 そう言って彼女の頭を撫でた隼人は恥ずかしそうに顔を背ける恋歌に仏頂面を向けると台所の方に移動していく。せっせと仕度をする男子を遠目に見ていた女子はアニメを見終わり、手持ち無沙汰になって手伝おうかどうか迷っていたが

その間に男子が手早く仕度した為、出番は無かった。

 

 テーブル二つを出し、そこに料理を並べた男子四人はしょんぼりしている女子に揃って首を傾げていたが気にせず座った。

 

「・・・男子女子で分かれると何か合コンみたいじゃね?

 

「混合で座るか。・・・っていつも通りのペアかよ」

 

「まあ、変に合コン形式にならないだけマシじゃね? 気まずいしアレ・・・」

 

 視線を逸らす武に同意した隼人は正座する自分の隣、同じ様に正座して黙々と食べている恋歌に目を向けた隼人は道場通いしていた経験上正座慣れしている彼女の正座に見とれていた。

 

 そんな彼の視線を感じながら食べていた恋歌はガッチガチになりながら鶏肉に手を伸ばす。そんな彼女の隣、嬉しそうに加奈を見ている浩太郎は美味しいと素直に言ってくれる彼女に大喜びしていた。

 

「コウちゃん超嬉しそう」

 

「んまぁ、コウ最初料理下手だったからなぁ・・・満足のいくもの作れたから嬉しいんだろ」

 

「ふぅーん・・・」

 

 何の気も無さそうに言った楓はノーリアクションで黙々と食べる武を横目に見ながら彼に手料理を振舞う様を想像していた彼女は美味しく作れればどんな顔をしてくれるのだろうと思った。

 

「なぁ」

 

「ふぁい?!」

 

「何でそんな驚いてんだ? ・・・ああ分かった分かった気にしねぇから」

 

「んで? 何?」

 

「まあ、そんな怒ってる訳じゃねぇけど何でさっきから見てくんのかなぁって・・・さ。って、何で赤くなんだよ」

 

 困惑する武から顔を逸らした楓はオフモードらしい武の気だるげな声にドキドキしながら先ほど考えていた事がバレていないと確信して食事を続けた。

 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 

 それから二時間後、コーヒー(男子)とココア(女子)をそれぞれ飲みながらテレビを見て雑談しそれから八人総出で片付けて解散した隼人達はそれぞれ帰路に付いた。

 

 恋歌は再び隼人の家に転がり込んで秋保と一緒に風呂に入り、隼人が風呂に入っている間、秋保の部屋に入っていた。

 

「恋姐恋姐、この服可愛くない?」

 

「んー? あらホント、可愛いわね」

 

「今度、夏姐に作ってもらおうよ」

 

「駄目よ、これから夏コミ衣装作るって言ってたから」

 

「ちぇーじゃあ利兄かなぁ・・・」

 

 ベットの上を転がった秋穂は苦笑している恋歌を巻き込むようにして抱き締めると秋穂と身長差のある恋歌はまるで妹のような扱いだった。そんな事に不満を覚えた彼女は秋穂を離すように押したが

腕力が弱いが為に抵抗にならなかった。

 

 持ち前のマイペースさから豊満な胸に押し付けられるのを嫌がっている恋歌を見下ろした秋穂は悪魔か何かを連想させる悪どい笑い方でゲラゲラ笑っていた。豊満な胸の持ち主同士の組んず解れずは

なかなか来る所があるが残念ながら部屋には二人だけしかいなかった。

 

「ねーねー恋姐、今日私と寝ようよー」

 

「えー・・・私は隼人とが良いなぁ・・・」

 

「あ、じゃあ私兄ちゃんの部屋行くよ」

 

「何でそうなるのよ・・・?」

 

「だって、恋姐と寝たいんだもん。良いでしょ?」

 

「は、隼人が良いって言ったらね?」

 

「兄ちゃんなら良いって言ってくれるよー」

 

 のん気に笑った秋穂を背にした恋歌は兄妹の信頼と言うものなのか、と少しばかり嫉妬していた。隠していても感情が現れやすい彼女を後ろから見ていた秋穂は頬を膨らませて

壁を睨む彼女にニヤニヤと笑っていた。

 

「恋姐嫉妬してんのぉ?」

 

「にゃあっ!? そ、そんな訳無いじゃない! 何で私が年下に嫉妬なんか・・・」

 

「いーま嫉妬してた気がするよん」

 

「な、何で分かるのよっ」

 

「だって、昔の私もそんな事してたもん。兄ちゃん依存症だったから」

 

 そう言ってえへへ、と寂しそうに笑う秋穂を肩越しに見た恋歌は抱き付いてくる彼女を逆に抱き返し、驚く秋穂と顔の高さを合わせた。

 

「あ・・・秋穂」

 

「な、何?」

 

「わ、私もその・・・秋穂のお姉ちゃんみたいな感じだし・・・あ、甘えたって、良いのよ?」

 

 ぎこちなくそう言った恋歌は精一杯の笑みを秋穂に向けるとふふっ、と笑いを零した彼女が恋歌の頭を撫でくり回す。

 

「似合ってないよ、恋姐」

 

「う、うるさいっ!」

 

「でも、ありがとね。恋歌お姉ちゃん」

 

「ふ、ふんっ」

 

「えー、折角お礼言ったのにへそ曲げないでよぉー」

 

「さ、さっきの一言で台無しよっ! 全く・・・」

 

「えへへーゴメンゴメン」

 

 苦笑しながらベットから体を起こした秋穂は視線の先、少し開いたドアから様子を見ていた隼人に一瞬悲鳴を上げ、素早く口を押さえた恋歌が秋穂を押し倒す様にしてダイブする。

 

 結果的に大きな物音がしてしまい、両親が飛び起きると思った三人はその場で固まったが日常茶飯事の事だと思われたのか両親が飛び出ては来なかった。

 

「な、何とかなったか・・・恋歌、もう良いぞ秋穂が死んでしまう」

 

「もう、ビックリさせないでよ兄ちゃん!」

 

「悪かった、風呂上がって二階に来て見れば恋歌がいなかったもんだからついな。あそこまで驚かれるとは思っても見なかった」

 

「でさ、兄ちゃん今日一緒に寝ても良い?」

 

「それは別に構わないが・・・恋歌と寝るんじゃないのか?」

 

「恋姐が兄ちゃんと寝たいっていうから一緒に寝ても良いかなぁって思ってー。ね、ね? 良いでしょ兄ちゃ~ん」

 

「まあ、良いか。じゃあ必要なもの持って部屋に来い。恋歌もだ」

 

 そう言って部屋を後にした隼人はものの数分で部屋に来た二人が大喜びで部屋の座椅子にダイブしたのを嫌そうな目で見下ろした。黒のメッシュ素材で出来た座椅子で遊ぶ二人を

他所に漫画を片付ける隼人は山積みになっていた漫画を巻数順で並べた。

 

「よし、片付け終わり。寝るぞ」

 

「えー何か見ようよぉー」

 

「駄目だ。明日学校なんだぞ? 起きられなかったらどうする」

 

「大丈夫だよー正確な兄ちゃんタイマーが―――ギャフンっ」

 

「喧しい、さっさと寝るぞ」

 

 そう言って部屋の電気を切った隼人が布団に入るとベットが嫌な軋みを上げて彼の重量を受け止める。一人用ベットに三人はキツイだろ、と内心冷や汗を掻いていた隼人は壁側から順に

恋歌、秋穂、隼人と並んでいる状態で落ちない様に精一杯努力していた。

 

 バランスを取る隼人の懐で丸くなっている秋穂は間近に感じる兄の温度に安堵を覚えていた。真っ先に眠っている恋歌が静かな寝息を立てるのに微笑を浮かべる隼人は同じ様な表情を浮かべる秋保を

見下ろすと、クスクス笑う彼女に半目を向けた。

 

「何だよ」

 

「兄ちゃんってさ、やっぱり恋姐の事好きなんでしょ?」

 

「何だよ、いきなり・・・早く寝ろ」

 

「寝る前のお話ー。良いじゃん良いじゃん聞かせてよー」

 

「うっせえ、早く寝ろ」

 

 仏頂面の隼人に突っ跳ねられた秋穂は不満タラタラのまま、恋歌を抱き枕に眠った。

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