B.O.O.《ブラストオフ・オンライン》 作:Sence023
そう思わずにはいられないセンスです。
あれだけ言っといてこの体たらくだよ!
謝罪いたします、予告詐欺でした。
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翌日、朝早くから身支度をしていた隼人は携帯端末が鳴らす突然の呼び出し音に驚きつつも催促する様にがなり立て続ける接触充電式の充電スタンドに置いていた端末を手に取った。
「もしもし」
『もしもし、後輩君?』
電話の主は生徒会長だった。こんな早朝から何事だろうか、と思いつつもコーヒーメーカーが基本となる中では少々時代遅れのドリッパーから滴るコーヒーを見つめながら呼びかけにこう返した。
「朝からなんだ、会長」
いたずら電話にしては悪質だ、と思いながら内心の不満をひけらかした彼は飄々とした彼女にしてはやけに真剣味を持った様子に直感が騒ぎ出す。
『学校に保管されていた筈のSNL登録者名簿が盗まれたの』
「盗まれた・・・・? 確か登録者名簿はデジタル化されていて・・・」
『そう、だから正確にはコピーされていた・・・ね。コピー記録は履歴に残されているからマスターコードで消去しない限り足跡は残るわ』
「犯人はの目星はついているのか?」
『名簿を使えるのは先生か、生徒会のメンバーだけ。だから、それらを調べれば分かるはずよ』
「・・・その言い方。まるで探偵部が調べる事を期待する様な言い方だな」
『ええ、私はあなた達に協力してもらいたいの。名簿を奪ったのが誰なのかを調べて頂戴』
「報酬は?」
『ボランティア扱いでよろしく』
一方的に通話が切断され、苛立たしい感情が込み上がってきた隼人だったが秘密裏に処理するべき案件なのかどうか脳裏で判断しながらドリップできたコーヒーを飲み始めた。当然、ブラックだった。
と言う訳で一足早く学校に来た隼人は生徒会室を訪れようとして部屋の前にいる黒服の男達にギョッとなった。視線を読まれない為にサングラスを掛けている彼らの顔が隼人を捉える。
一瞬迷った彼は生徒会室に近寄ろうとして進路を塞がれ、ずっと塞がれる堂々巡りを繰り返した後にタックルからの強行突破を試みた。黒服のマッチョマンをふっ飛ばしたヘビー級は生徒会室のドアをぶち抜きながら
転がり込むと襲い掛かってきた男を投げ飛ばす。
その場にいる男達を逮捕術で無力化した隼人は奥の方でログを見ていたらしい生徒会長と目が合い、彼女は隼人の現れた黒服を諌めて下がらせると彼を招いた。デジタル版の登録名簿にアクセスできるパソコン画面を見た彼は
履歴の一つに残された全データのコピーを確認すると何に移されたのかを見た。
「コピー元はMRデバイスのストレージじゃないな・・・この表示、外部の記憶メモリだ。もしかして、USBドライブか?」
「分かる物なの?」
「一応な。恥ずかしながら俺はこう言う物には疎い。だが、電子特別捜査課の姉がいるんでね。こう言うコピー履歴のどこを見ればいいのかは分かってる」
「つまり・・・無線送信型ポートを使ったって事?」
「そう言う事だろう。然し、完全無線送信型のパソコンはそんなに無いからなぁ・・・」
「確かにウチの生徒会でも知ってる子は少数なのよねぇ・・・」
「知ってる奴に心当たりは?」
「あるけど、三人くらいいるわよ」
「まあ、やって見せるさ。聞き込みは今日からで良いか?」
「ええ。お願いするわ。生徒会の子に協力してもらえる様、私からも言っておくから」
「頼む」
そう言ってその場を去った隼人は無人の廊下で鳴った携帯端末に出ると、音割れするほどの怒号が彼の鼓膜を直撃した。音割れのせいで誰なのか分からなかった彼は喧しくノイズを発し続けるそれが収まったのを見計らってそれを顔に当てた。
「もしもし」
『ハァヤァトォオオオオオ!! アンタ! 何で黙って先に行っちゃうのよ!』
「あっ、えっ。その声恋歌か!? あ・・・悪い。急ぎだったから」
『急ぎだったから何よぅ、一声かけるか秋穂に言ってくれても良かったじゃないのよぅ・・・』
「わ、悪い。ホントゴメン、埋め合わせはちゃんとすっからこれ以上は勘弁してくれ」
電話で話しながら頭を下げている隼人に傍を通り過ぎる生徒達はサラリーマンか何かなのかと思いながらHR教室に向かう。基本的に双葉高校は授業中で無ければ携帯電話の使用はオッケーだ。ただ、廊下での大声はあまり褒められたものではないが。
それから暫くして教室で探偵部二年生の面々と合流した隼人は意外そうな顔をする彼らに半目を向けると依頼内容をノートに記入して再確認する。無報酬と言う記入欄を見て一斉にため息をついたケリュケイオンの面々は捜査プランを話し合い始めた。
「今回は少し荒事になりそうだな。ふむ・・・夏輝と利也は部室で情報整理、何ならSNSを調べてくれても良い。香美も一緒にいる様言っておいてくれ。後の面々は校舎内で捜査、と言う配置で良いか?」
「別に構わないけど、大丈夫かなぁ・・・。SNLの名簿の行方を追うなんてさ」
「・・・確かにな。まあ、そこら辺は用心してくれとしか言えん。何せ、人手不足だしな」
「はぁ・・・・そうだよねぇ・・・」
「一応、ガスガンの使用は許可する。心配なら用意しとけ」
「了解・・・。ま、流血沙汰なんてゴメンなんだけど」
「それは皆一緒だ」
そう言った隼人はPK事件に続けて起きたが故に関連性を否定し切れず、だからこそ利也の心配には最大限配慮していた。とは言え、自衛用の武器を持つ以外に対策を取れないと言う事、それらが教員の目には過剰な物に映ると言う事が彼らには心配な事でもあった。
そんな感じでだらけていた彼らは予鈴に気付いてクモの子を散らすが如く自分の席に戻る。これからまた退屈な授業の時間が始まる。
これにてブラスト6終了です!
さて、萌えの時間は(一応)終了です、こっからは血みどろの戦いが始まるのですよ・・・・。
はてさてどうなるのやら。では、次回お楽しみに!