内憂外患? いいえ、フロンティアxフロンティアです! 作:かりん2022
「夢、良くやった!」
「夢、なんて事をしたんだ!」
2人の父の言葉は真っ向から反していた。
「よく生き延びた」
「なんであんな危険な所に!」
その差は、愛情ではない。2人からの愛を、夢は疑ったことはない。
では、どこでその差が出たのか。
それは、結局は自分ごとって奴なのだろう。
夢は本当の父親の胸の中に走り込んだ。
「私、頑張ったよ。頑張ったもん。ヨユー!」
「頑張らなくていい。頑張らなくていいんだ!」
ぎゅっと抱きしめられるというその時!
「夢ちゃあああああああん!! もう絶対離さない! 甲斐性なしどもには全く期待しないわ! 私の子よ! 私の子なのよ! 絶対に離さないから!」
「マ、ママ……」
半狂乱になって私を抱きしめるママに、申し訳なく思ってしまう。
抱きついていると、小さく呟く声が聞こえる。
「お父さん……」
「覚えていたのか」
「覚えてるよぉぉぉ……会いたかった。でも私、出来損ないだから」
パパ上は本当の娘、星灯ちゃんを抱き上げた。
「うーん、やっぱり親子を引き離すのはよくないんじゃないの? 魔法が使えるとか使えないとか、関係ないじゃない。2歳でも親を覚えてるんだからさぁ……。7歳や8歳で愛されてて両親がいるのに孤児院行きとか里親とか酷すぎない?」
そういって生徒の栗林さんがいう。
伊丹さんが、蒼白な顔をしていて、桑原さんに支えられていった。
どうやら、ご両親の関係でひどいトラウマがあるらしい。
私は複雑な身の上だが、それでも幸運な方なのだと分かっている。
それから、魔法族と普族はこれをきっかけに話し合いをもつ事になった。
日本政府は、試験的に魔法使いの親と非魔法使いの子供、非魔法使いの親と魔法使いの子供のふれあいの場を作る事を提案。
日本政府がその支援をする事を提案した。フワッフワである。
特に具体的な子供の年齢などもあげず、とりあえず巨大な建物だけ建てることが決定され、予算計上もされた。
その提案に全力で各国が乗った。
それはもう、日本の言う通りだと思います! とばかりに全力で乗った。
特にアメリカは、日本が政策の前段階の提案を告げた瞬間、しっかり練りに練られた政策を出してきた。
中国、ロシアもそれに倣い、全世界がそれに賛同し、未だかつてない一体感である。
それで、各国で試しに15歳から20歳の子供が支援を受ける事となった。魔法教育は各国の制度によるが、例えばイギリスは11歳から始まるので、魔法の暴発がなさそう、といった年齢を選定されたのだ。
それと、誘拐された子、攫われる予定だった子供、孤児院や里親へ移動される予定の子供の公表もされた。ついでに成績表や普段の様子も。さあ、非魔法使いの両親が反発しないわけがない。
もちろん、魔法使いも全くされるがままというわけではない。そもそも、魔法使いの子供は繊細である。あまり傷つくような事があると、黒い災害となってしまうし、学校に行けなくなったりもする。魔法使いには、健やかな成長を育むための支援と理解が必要であり、それは非魔法使いに準備できるものではない。
それに腹を立てたのは政府である。子育て支援ができないと? ならば見るがいい! 本当の子育て支援というものを! 爆速で魔法使いの子供達を支援する法案が成立されまくり、魔法使いもそれならばと頷かざるを得ないほど。
そんなわけで、魔法使いになる子供達は国の支援が受けられる事になり、魔法使いの子供達は子供達が望めば親元に帰還できる事になった。両親が二組となり、悩む子供達だったが、概ね両方の両親と仲良くしていきたいという子供が多かった。
サポートが必要なのは、むしろ非魔法使いの子供達だった。
何せ、文化が違う場所に自我か確立してから移動させられるのだ。
それも、出来損ないとして。
苦しい思いをしている子も多くいて、彼らは魔法使いが戸惑うほどに手厚く支援を受ける事となった。もちろん、これは、魔法使いの子供達を丁重に扱うから、自分達の子供の事はもう誘拐するなよという各国政府の援助パンチでもある。
あと15歳から20歳は恋愛のできる年齢なので、魔法使いを増やしたい国ではお見合いの話も乱れ飛んだ。
実際、昔は援助なしでもハーマイオニーのような立派な子は非魔法族によって育まれたりしているので、魔法を隠したりしなければ、むしろ援助を存分に受けられるのであれば、非魔法族が魔法族に育てられるのは問題ないとは言わないが、可能なのである。
化け物扱いされる? 他の幼い兄弟が危ない目に遭う?
それこそ政府の出番である。
魔法を使える特別な子を育てたい里親なら星の数ほどいる。
別に育て親と生みの親が交流を持っていてもいいのだ。子供さえ健やかに育てば。
逆に、虐待を受けた子は災害になると言うのなら、積極的に国が介入するいい口実だ。魔法使いの子供を育てる場合は、手厚い支援の他、監視してどうしても虐待になりそうなら別の里親を探すシステムも爆速で出来た。
流石に、魔法使いのサポートは必要で、その魔法使いの数が少ないのでサポートセンターは一国につき一つが限界だった為に、家族揃っての引っ越しは必要だが、何も言わずに誘拐されるよりは国の支援のもと引っ越しした方がまだましである。
そんなこんなで、基地に戻って1ヶ月後には、試験的に生みの親のもとで魔法使いが育てられることとなっていたのだった。
展開が早い。
まあ、8歳から14歳の誘拐された子を持つ親にとっては今ようやく戦いが始まったばかりと言う所なのだけれど。12歳の娘が成績が悪くて虐められているという話を聞いた世界的大企業の社長は、娘を取り戻さんとそれはもうヒートアップしているらしい。
私は、そんな激動の時代を、ひたすらマジックアニマルの授業をする事でやり過ごしていた。
天才魔術師レレイと、その師匠、カトー。エルフのテュカと亜神のロウリィはよく授業の見学に来る。そして微笑ましそうに見つめてくる。
子供達にも大人気である。
マジックアニマルのなつき度も上がってきた頃、住民からお願いがあった。
住民……もと難民は自衛隊の支援の元、自活出来るように現代に侵略しにきた連合軍の乗っていた騎竜の鱗だったり、馬だったりを採取していたのだが、それを売りに行きたいらしい。
そこで、護衛についてきてくれると嬉しいそうだ。
なるほど。
マジックアニマルの遠征の時が来たわけですね?
私に任せろ!
私は自信満々で薄い胸を叩いたのであった。
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今度からマシュマロ返信することに致しましたので、
返信不要の場合はお題箱の方に感想をくださるか、返信不要とお書きください
お題箱
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