内憂外患? いいえ、フロンティアxフロンティアです! 作:かりん2022
「うえっ うえっ うえええええええんっ!!」
私は泣いていた。ガチで泣いていた。
「あー。同情はするけど、自業自得かな」
「ぴぎゃあああああああああああん!!」
もう一度言おう。ガチ泣きである。
レディの秘密に触れるなど、許すまじ。許すまじ。
しかもお友達の前で!
ちょっと学校抜け出してエロ本買おうとしただけじゃん!!
皆するでしょ!? 誰だってするでしょ!!?
「ぴやぁぁぁあぁん!!」
「どうするかな……泣き止めー。あ、同人誌見る?」
「みゆ」
私はピタッと泣き止んだ。
話は昨日に遡る。
「ストロベリー! お願い!!」
ストロベリーは、ふわりと花びらを召喚する。
癒しの花びらだ。
一度に数は出せないが、傷に貼り付ければかすり傷ぐらいなら癒える。
ストロベリーはモリモリキャベツを食べて花びらを量産してくれる。
キャベツはレストランから頂いた。
牡丹と桜が人よけの結界を張り、怪我人を連れてきて治療する。
レストランは、今や野戦病院と化していた。
そんなこんなで頑張っている間に外の大人の魔法使いは撤退し、自衛隊が盛り返し、このレストランにも救助にやってきてくれたのである。
私たち三人が寝落ちてしまった時に普通に人よけ結界も切れてしまったようなので、自衛隊が奪還してくれて本当に良かったと思う。
とにかく、私達は病院の同じ病室のベッドに寝ていて、起きたら相方に抱きつかれ(飛びつかれ?)ていたのだ。
「ここ……」
「夢ちゃん、おはよう。俺は伊丹 耀司って言います」
「未来 夢です」
私はペコリと頭を下げた。
「うん、よろしくね。喉乾いてない? お腹空いてない? 痛いところは? お友達が嫌がるから、お風呂とかも入れてあげられなくてね。着替えもお風呂の準備も手当ての準備も出来てるけど」
「お風呂はいゆ」
ぼんやりしたまま答え、私は2人を起こした。
お風呂に入り、可愛い着替えに袖を通し、ジュースと朝ごはんをもらい、私達は人心地ついた。
もちろん、相方達にもご飯を貰っている。
「昨日は頑張ったね。ありがとう。君達のおかげで、いっぱいの人が救われたよ」
「当然よ!」
「頑張ったです〜」
「もっと褒めていいのよ?」
「それで、君達の話を聞きたいって人がいるんだけど、呼んでもいいかな? あ、だめね。わかった」
私達は露骨に顔を顰めてしまっていた。
普族には気をつけろと口を酸っぱくして言われているので、ちょっと。
伊丹さんは、昨日、桜ちゃんを助けてくれたからいいのだけれど。
ちなみに来ていた服と杖と鞄はきちんと綺麗にされて枕元に置いてあった。ありがたい。
「お父さんとお母さんに連絡を取りたいんだけど、取れるかな?」
「学校を脱走していた事がバレるからやだ」
「そうよね」
「はわわ、駄目です〜」
「お父さんもお母さんも、きっと心配しているよ。それに多分、バレてるんじゃないかな」
「今から学校にこっそり戻ればワンチャン大丈夫。今、学校休みだし」
「そうかなぁ?」
そこに、窓がコンコンと突かれた。フクロウだ。それもたくさん来ている。
「フクロウ? 嘘だろ、手紙を持ってる?」
「げっ ママのフクロウ! 吼えメール!」*1
「ヒェッ 火山文です〜」
「ひゃっ」
私達は縮こまった。
「い、伊丹さん! 伊丹さん! 離れたところで開けて!」
「ええ? なんか膨らんでて怖そうな巻物なんだけど」
それでも伊丹さんは手紙を開けてくれ、手紙は伊丹さんに炸裂した。
「このっ このっ ばか娘っ!!! 老け薬と先生の服を盗んで学校を脱走してエッチな本を買いに行って戦争に巻き込まれるなんて!! お友達まで巻き込んで!! 先生にはしっかり叱ってもらうから、さっさと帰りなさい! 罰として、漫画全部捨てます!」
花火のように輝きながら、吠え立てる吼えメール、もとい火山文。
そしてポートキーが飛び出してきて伊丹の頭にぶつかって落ちる。*2
自衛隊の人が飛び込んできて、伊丹が心配ないって言って、ワフが自衛隊の人に吠えて、再度下がっていく。大丈夫です、叱られているだけです。
「え、エッチな本?」
「はわわ〜」
そして冒頭である。
「落ち着いた?」
「次の吼えメール開けて。全部開けてから同人誌みゆ」
牡丹ちゃんと桜ちゃんと私は再度耳を保護して丸まった。
「あー、頑張れ悪戯っ子」
そして、伊丹さんは次の火山文を開いた。
ドアの隙間から心配そうに自衛隊の方らしき人達が見守っていた。
そっとして置いてください。