内憂外患? いいえ、フロンティアxフロンティアです! 作:かりん2022
「パパ上!」
『夢ちゃん! 早く学校に帰りなさい。私は1時間後に会議があるから』
「それなんだけど。帰ってきたヴォルデモート作戦を応用して使えないかしら」
『帰ってきた例のあの人作戦!? それは!』
「世界中に魔法界の存在が知られて、様々な記録媒体に残ってしまっているわ。ここから全世界の人々の記憶と記録を改変するのは無理よ。侵略者という相手もいることだもの。ここで対応を誤ると、第二の魔女狩りが起きるわ。今度こそ魔法界に攻め込まれるかも。それで、相手についてはわかった?」
『言葉が違って大変だったが、なんとかなったよ。まあ、未だ推測の域を出ないが』*1
「確定情報と推測を教えて」
『攻めてきたのは帝国。これは間違いないだろう。侵略国家のようだし。侵略準備として、日本で度々誘拐を行っていたらしい。これは推測なんだが、向こうの神のテコ入れで、定期的に異世界の扉を開いて侵略し、文化を吸収してきたのではないかということだ。科学技術が狙われたのか、我らの魔法技術が狙われたのか、両方かはわからない。しかし、帰ってきたヴォルデモート作戦か。普族と魔法族の融和がこんな形で行われようとはな。一応、魔法のタイプが違うのだから、相手を魔法族と見做さず静観するという案も出てはいるのだが』
「侵略者は自衛隊でも一蹴できるでしょう。でもその場合、異世界の技術を得て強大になった自衛隊が向かうのは私たちよ」
『ムゥ』
「今の状態でも、逃げることは可能かもしれなくても、勝利はないわ。自衛隊の強さは間近で見たでしょう?」
『それはそうだ』
「それに、伊丹さんっていう自衛隊の人が桜ちゃんを助けてくれたの。後ほど詳しく報告はするけど、恩には報いなくては」
『伊丹。まさか、自衛隊出動に協力してくれた彼か。彼ならば信用できるだろう。彼とは30分以内に連絡は取れるかな?』
「大丈夫よ」
『では、会議で証言をしてもらおう。夢ちゃんも普族の第一人者として、帰ってきた例のあの人作戦の原案提唱者として、参加できるかな?』
「もちろんよ。でも、後1人でいいから参加を許可出来ないかしら? 普族側からの推薦人を参加させておけば、どんな選択肢を取るにしろ、印象もやりやすさも変わってくるものよ」
「邪魔はしないから、私も行くわ!」
「私も行きたいです〜」
『よかろう。当事者だしな。普族は場合によっては記憶を消す措置もあるし、途中参加途中退場になるが』*2
「承諾させるわ」
『よかろう。学校行きのポートキーはあるな? そこからいつものルートで会議に参加してくれ。40分で来い』
「了解しました、室長!」
私は、くるっと振り向いた。
「伊丹さん、聞いてた? 30分で代表者を決めて連れてきて」