内憂外患? いいえ、フロンティアxフロンティアです!   作:かりん2022

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特地分校

常々欲しかったが年齢と実技の問題で貰えなかった教授資格をもらえた。

一応筆記だけなら卒業レベルまで納めているとはいえ、異例も異例である。

というのも、色々あったのだ。

自衛隊を魔法界に入れるのは嫌。

だがしかし、試験さえ通れば普族も魔法界に入れるというのは前例もある立派な決まりである。

その結果の飛び級であり、私を校長とする特地分校の設立であった。

魔法界に入れるまでの時間稼ぎである。

メンバーは伊丹さんの率いる偵察隊、総勢12名。全員が短期間で試験を合格した。

えげつない試験勉強の追い込みについては私は知らないこととする。

本当はもっと大量に受けさせたがっていたのだが、いかんせん試験さえ通ればと言っても、推薦も必要となる。そして、その普族の勢いを恐れた魔法界と、魔法を使いたい普族の激しい駆け引きの結果が、これである。

 

 偵察隊と行動する事で、私はさらに普族について知る。

 向こうは魔法使いとして行動しても問題は起こさないと示す。

 そうすることで、学校や交流をより拡大していこうというわけ。

 

 そういうわけである。

 教室は自衛隊基地から少し離れた所に建物を建ててもらった。

 マジックアニマルの魔法は電子干渉が比較的控えめなのもいい。

 しばらくして魔力が定着したら、魔法であらためて建物を建てる予定だ。 

 

 なお魔法使いの皆さんは魔法のテントである。

 空間拡張してあるので、居心地は良い。

 

「ということで、マジックアニマルを配ろうと思います」

「早いな!」

「マジックアニマル科なので。筆記は既に済ませてますし。生き物相手なので、しっかり頑張ってくださいね。じゃあ、机の上にある紐を引っ張ってパートナーとご対面です」

「相性とかみないんですか?」

「魔力なしに魔力の相性もへったくれも無いんですよ、倉田さん」

「辛辣っ」

 

 兎にも角にも、紐を引っ張り、箱が割れて中に入っていたマジックアニマルとご対面。

 

「お、俺はストロベリーと同じ芋虫か。よろしくな虫丸」

 

 伊丹さんは芋虫が当たって嬉しそう。

 

「おおっ 俺、猫ですよ子猫! やった! 君はノワールだ!」

 

 生徒の中で一番若い(それでも大人)倉田さんは嬉しそうに言う。

 

「セイウチ……?」

 

 戸惑いの声を上げる年配の桑原さん。

 

「蛇!」

 

 栗林さんがびっくりして声を上げる。

 

 まあ、こんな感じで対面が終わった。

 

「名付けは終わった? じゃあ、しっかり世話をするのよ。最初の授業はもうちょっと仲良くなってからするわ。偵察任務中に逃げられないようにね」

 

 という事で、私も一緒に偵察に出発である。

 

 

 

 

 

 

 

 偵察の最中、なんとドラゴンを見つけた。

 集落を襲っているように見える。

 

「ドラゴンですね」

「ドラゴンだね」

「エンシェントドラゴンって奴ですか?」

「あのドラゴン、手懐けられたりしない? 天才君」

「竜って凄い凶暴なのよ。創作の竜騎士とかまずないから。あれは魔法界のドラゴンよりさらに極悪そうだし、対処するには腕ききの大人の魔法使いが数人は必要になると思う」

「それでも数人で済むんだ」

「凄いですね、魔法使い」

「マジックアニマル達も怯えているし、救助はあれが行ってからの方がいいと思う。今は餌やりしましょ」

「そうした方がいいな」

 

 ということで、休憩である。

 餌を与える事で、マジックアニマルとの友好度を上げる。

 早くも名前は認識してくれているよう。

 栗林さんも、ちゃんと嫌がらずにネズミを食べさせてあげている。

 

「それにしても、マジックアニマルは賢いですね」

「そうでしょう? そろそろ仲良くなってきた頃だし、最初の課題を出そうかな。最初の課題は、板を敵に見立てて攻撃させる事よ」

 

「なるほど、大事ですね」

 

 ということで、攻撃をそれぞれ試みさせる。

 

「おおー! ノワール、凄い!」

 

 倉田さんは板で爪研ぎする子猫ノワールを褒める。もちろん、満点だ。

 

「行きなさい、ガラガラ!」

 

 がらがら蛇から取ったのかな? 栗林さんが指示をすると、蛇ガラガラが雷撃を板にぶつける。

 

「きゃー! すごーい! 貴方天才よ!!」

 

 うんうん、皆順調みたいね。

 私が頷いていると、伊丹さんの芋虫、虫丸がマッチの箱を前に転がっていた。

 わかる。初めはそうなる。

 

「これってどうなればいいのかな?」

「マッチの箱に対して向かうことは出来てるから、後は攻撃手段を手に入れるのね。大丈夫。虫って育てると強いのよ。大器晩成って奴? 気長に育てましょ」

「夢ちゃん、手本見せて?」

「行ける? ストロベリー」

 

 ストロベリーは、板をガリガリと食べて、板に板くずをぷっぷと飛ばしていた。

 

「おおー!」

「確かに攻撃してるっちゃしてるな! 威力は別として」

「得手不得手はあるわ。ストロベリーもまだ小さいもの。十年、録に魔法を発現しなかった例だってあるの。その後、巨大化っていうスペシャルな魔法を覚えた例だけどね。それくらい、根気強く向き合わないとダメってこと」

「確かに、ガラガラは既に魔法使ってるし、魔法なら攻撃できるわけだしな。よし、頑張るぞ、虫丸!」

「ちなみに次の課題は二人三脚だよー。意思疎通をさらに綿密にします」

「芋虫の場合どうしろと?」

「私の時は匍匐前進したなぁ」

「匍匐前進なら任せといてよ」

 

 そうこうしている間に竜が去り、私達は現場に移動した。

 非情な様だけど、ドラゴンが暴れてる中に飛び込んで行っても死者が増えるだけだしね。

 

 

 

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