平均的な逸般人に生まれ変わった転生者はハーレム目指して頑張ります 作:年上お姉さんに甘やかされたい
「……よし」
草むらから顔を出し辺りを見渡しながら危険を確認。
右よし左よし、正面よーし。
後ろに控える双子姉妹に手招きをしながら草むらから出た。
2人と出会った場所から既に数キロの移動。
さすがに疲れたなぁ。
目の前に見えるのは湖。土地の色や空と見比べてみると段違いに透き通った綺麗な場所。喉が渇いたしちょうどいいね。……飲んでも大丈夫だよね?腹壊したら壊したでそんときだ!
そんなことを思いつつ手で作った皿に水を掬い口へ。
うーん、潤う。
双子姉妹も俺の方を見ながら恐る恐るといったように水を飲んでいた。
さて、休憩して数分ほど経った。
警戒心を俺に対して持つ双子姉妹。そんな彼女たちと未だに距離は縮めることが出来ていない。
まずいな。こっからどっかのお屋敷に届けなきゃいけないというのに、これはヒジョーにまずい。
このあとの展開を考えていなかった。はてさてどうするか。
そんなことを思っていた時だった。
「……どうして助けてくれたんですか?」
双子姉妹の片方がそう聞いてきた。
声をかけてきたのは俺が押し倒した時に睨んできた方。恐らくこっちが姉なような気がする。なんとなくだけど。
衣服のボロボロ具合がもう1人と比べて酷いからね。姉として妹を守ってきたと考えると感動だな。
さて、なぜ助けたか。……ぶっちゃけると選択肢が出たから流れ的だったし。
【君たちの体が好みだったのさ(キラリン)】
【体が勝手に動いていただけさ(イケボ)】
キチィーなおい。
てか唐突に出てくるなよ選択肢。なんやねん。も少し助走をよこせ。びっくりするわ。
てか上!何がキラリンや!そんなん言ってみろ!ドンビキーやでほんま!
下は……まあ無難だけど俺にイケボなんて求めないで欲しい(切実)。
てか言い方がキザったらしくて俺は好きじゃないです(真顔)。
まあ下を選ぶけども。
「体が勝手に動いていただけさ」(掠れ声)
アカンわ。イケボ出えへんがな。死にかけのチンパンジーみたいになったぞコノヤロウ。キメるところはキメさせてほしいゾ。
「そう……です、か」
……なんか引かれてない?大丈夫そ?
【てか服脱げよ(姉)】
【てか服脱げよ(妹)】
おいぃぃぃい!それはもう事案なんだよ!
てか唐突にそういう選択肢来るの!?なに!?俺を犯罪者にしたいとかそんな感じなの!?
引かれたところに間髪入れずに来るなや!ざけんな!
でも選ばなきゃ時は前に進まないんやろ!クソッタレが!……クソッタレがぁ…。
……しょうがない。ここはマシな方を選ぼう。
…………いやどっちもまずいわバカが。マシな方とかねぇよこれ。
ほんとにアシスト機能なの?ねぇ?……ねぇ!?
はぁ…。とりあえず何とかリカバリーする方法を考えよう。
どっちを選んでなんと言えば切り抜けられる?
………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………よし、決めた。
「てか服脱げよ」
「「!?」」
俺は意を決して姉の方にそう言った。
すると途端に驚き、そして、怒りに染った顔になる姉と顔を青ざめ絶望的な表情をうかべる妹。
「や、やっぱり体が目的で…!」
「……」
俺は何も答えない。いや、"答えられない"。
どうやら相手がその行為をし終わるまでこちらからのモーションはダメらしい。なんてこった、パンナコッタ。
「……くっ」
「お、お姉ちゃん」
「…大丈夫。あなただけは私が守るから…!」
感動的だな、だが無意味だ。
もう俺の心が罪悪感でいっぱいすぎて…。はぁ…はぁ…!(過呼吸)
そうして待っていると服を脱ぎ捨て下着姿になる姉。
いや確かに子供ですけどね?言うてそれでも小学校中学年くらいの子達なんです。もうね、犯罪臭しかせんがな。
「ぬ、脱ぎましたよ…!ヤるなら早くして…!」
そんなことを言う姉。
辞めて!俺もう死にたい!ごめん!ほんとに口下手で!(選択肢が)
震えて睨む姉に近づいて、そして、
「……へ?」
俺は着ていたパーカーをその小さな体に被せた。
「服がボロボロだったからな。あんなボロ切れ着てても寒いでしょ。妹守ってたんでしょ?……頑張ったな」
目線を合わせて、努めて笑顔でそう言葉をかけた。
ほうけた顔の姉。やがてその目に涙が浮かんできていた。
さて、
「妹ちゃん。その服貸して?」
「え?あ、は、はい…」
姉が着ていた服を受け取り湖へ。
ザブザブと軽く洗いながら汚れを落とす。
「この服思い入れのあるものとかだったりする?」
「え、あ……い、いえ…」
「そ」
うん汚れは多少落ちたな。
あとは手頃な……これでいいかな。
落ちていた木の枝を2本手に取りながら服をちぎり破る。
そのまま姉のもとへ行き極力怖がられないように注意しながら優しい声音で話しかけた。
「はい、腕出して」
「え?」
「左腕。折れてる……かはよくわかんないけど関節部分痛めてるでしょ?念の為固定しといた方がいい。ほら」
「は、はい…」
ちらっと見えた時青く腫れてたからね。見てて痛々しかったわ。
差し出された左腕を優しく手に取りながら2本の枝で挟みながら布で固定。簡素だけど応急処置程度ならこれでいいでしょ。
「よし、オッケ。痛くない?」
「あ……だい、じょうぶです」
「うんうん、それならよし」
さて、こっからどうしようか。
ルシファー邸だっけ?場所分からんのよな。
……聞いてみるか。
「お2人は行く宛ては?」
「……ない、です」
そうだよなぁ。姉の言葉に納得する。
となれば地道に聞き込んで「でも」……お?
「一か八かで行ってみようと思ってる場所はあります」
「……ほう。どこ?」
「現魔王のルシファー様のところです」
ビンゴ!
「場所は分かる?」
そう聞くと頷く姉。
これなら何とかなるな!ゴールが見えてきたな!やったぜ!
「よし、じゃあ行こっか。そこまで送るよ」
「……あり、がとうございます」
「……!ありがとうございます!」
姉に続いて妹ちゃんまで頭を下げて来た。
……初めはこんな地雷原みたいな子供に関わりたくないと思ってたのに普通に可哀想に思えてきちゃったよ。とことんまで付き合ったるで!
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