使命を胸に、もう一度。   作:悲しみの抹茶

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 普段は読む専でアカウントすら持っていませんでしたが、リコリコの放送が終わってしまった寂しさと、リコリコ二次創作もっと増えろという衝動が抑えられず、試しに執筆してみる事にしました。

 暖かい目で見守って頂けると幸いです。


Prologue

 

 

 

 俺には心から尊敬する兄姉が()()

 

 スポーツや武道、その他、肉体を動かす様な事柄なら何でも少し齧った程度でプロ並に熟せてしまう上に、面倒見も良く頼れる兄。

 勉学に始まり知識面で才覚を見せ、人付き合いも上手く、優しくも厳しくもあった人格者の姉。

 

 そして、何もかもが兄姉に及ばず、中途半端だった俺。

 いつしか、誰かが言った。

 

「あいつは使えない予備だ」__と。

 

 その言葉は俺を表すのに相応しく、俺もその通りだと思った。

 思ってしまった。

 

 

 家族間に愛はあった。

 俺は愛されすぎていた、とも思う。

 しかし、どこか斜に構えた俺はそれを素直に受け取れなかったのだ。

 出来過ぎる兄姉と比べられて生きる生活と、それを良しとする環境。

 気がつけば、俺の思考は腐り、生き方もそれ相応となり、

 無意識に生き物が当たり前とする、生きる、という行為、そして命の尊さ、を軽視する様になっていた。

 

 だから、家族でテロに巻き込まれた時、俺だけが逃げ遅れて__

 

 

 呆然と

 

 

 呆気なく

 

 

 死んだ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 __筈だったのだが。

 

 

 

 

 

 まさか死んでしまうとは__

 

 死して尚、俺の思考はどこか浮ついた雰囲気のまま漂っていた。

 

 どうして俺は、もっと真っ当に生きれなかったのだろうか。

 兄にも姉にも劣っていたとしても、並なら並なりに上手く生きる術はあっただろうに。

 結局は、自分の所為であの兄姉の事も素直に愛せなくしていたのだ。

 自業自得とはまさにこの事だ。

 

 等と、遅れて後悔の念が来るのも俺らしい。

 そして、この死後の猶予をこんな事に費やして無駄にするのも。

 そう思考を回していると、まるで眠りに落ちるかの様に、ゆるやかに意識がボヤけ始める。

 

 この後、俺はどうなるのだろうか。

 

 このまま消えて無くなるのか、天国とやらに連れて行かれるのか、はたまた輪廻とやらで次の命となるのか。

 

 不思議と、恐怖は無い。

 

 まあ、後悔ばかりしていても、仕方がない。

 もうどうせ取り返しは付かない。

 ならばせめて、次があると信じて、祈りを。

 

 

 来世というものが、あるのならば__

 

 

 来世ではきっと、きっと、上手くやる。

 

 あの兄や姉の様、誰かに尊敬される人になる。

 

 生まれた環境なんて関係ない。

 

 誰かの予備品ではなく、己に確固たる芯を__

 

 

 

 

 そう意気込んでいる最中に、

 俺の意識は眠りに落ち、

 

 そして、()()()()()()

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 それから物心ついた頃、つまり、前世の記憶をはっきりと思い出した時には、今世の親に捨てられており、今世で血の繋がった家族である妹共々、そういった子供を集めた施設で暮らしていた。

 

 例え肉親が居なくとも、前世の記憶を活かせば今世を幸せに生きる事が出来る、と意気込み、俺は幸せを得る為の努力を惜しまなかった。

 前世と比べ、この身は素直に動く。子供故の吸収率か、それとも知識があるからか。

 前世の兄姉を真似し、それは妹にも影響した。

 まるで前世の兄姉のと同じ様に、俺達兄妹は幼くして周囲に才覚を見せつけた。

 あの成功例に近付けば近付くほど、心が躍り、幸せを感じた。

 いつしか、俺達兄妹は、施設で特に優秀な子だとされ、注目される様になった。

 

 そうして、()()に見つかってしまったのだ。

 

 そのせいで俺達兄妹は若くして生死の境を彷徨う事となり__、

 

 

 結果、俺だけが生き残った。

 

 

 

 

 

 

 俺の胸元には、梟を模したペンダントと、重々しい使命が残された。

 

 

 

 

 

 

 

 





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