ハンター・ザ・ラッド(仮)   作:トッシー

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HUNTERXHUNTERに炎のエルク(中の人有り)がトリップします。
BL無しです。
私は幻影旅団やヒソカが嫌いです。
そういったキャラが大好きな人は読む事をオススメ出来ません。
気分を害する事になるでしょうが自己責任でお願いします。
引き返してください。


目が覚めてくじら島

「まさか、人間がこれ程の力を持っているとは…」

 

光の奔流が走る異空間。

その中心に陣取る光を纏った人影は憎々しげに呻いた。

伺い知ることの出来無いその表情の先には傷つきながらも光を睨みつける戦士達がいた。

遂にここまで来た。

ロマリア帝国を影から操っていた黒幕。

暗闇の支配者をオレたちは遂に追い詰めていたのだ。

しかし-

 

「だがお前たち人間に私を倒すことも封じることも出来ん。この世界が手に入らないのなら、いっそ地上の生物すべてを滅ぼしてやる」

 

「なぜだ!奴は不死身なのか!?」

 

オレは焦りのあまり叫んだ。

今のオレの能力なら力押しで充分に奴を倒せるはずだ。

しかし幾ら攻撃を加えても奴は倒せない。

いくらオレのレベルが規格外に高いとはいえ、もう体力も魔力も限界だ。

こいつ、もしかしてHPが∞なんじゃ?

そんな考えが浮かぶ。

仲間達も限界で既に回復アイテムも底を付いている。

このままでは…。

 

「止めなければ…それだけは絶対にっ!」

 

オレの隣で膝を付いていたアークは剣を杖にして立ち上がった。

 

「や、やめろ!アーク!死んじまうぞ!」

 

「エルク…、後は任せたぞ!奴はオレの命に変えても封印してみせる」

 

「小賢しいわ!」

 

「うわっ!!」

 

暗闇の支配者の放った波動にアークは吹き飛ばされる。

 

「ア、アーク!!」

 

「アークさん!」

 

「しっかりしろ、アーク!」

 

仲間達が悲鳴のような声を上げる。

 

「く、くそ…、此処までなのか!?このままでは…でもどうすれば奴を…」

 

アークはもう限界だった。

剣を持つ腕も上がらない。

魔力も底を付いている。

残りの命を振り絞っても、奴を封印できるとは限らない。

ここまでか…。

誰もがそう思った時だった。

 

-しっかりしてよ、アーク-

 

その声はその場に居る皆にも届いていた。

もう聞くことの出来る筈のない声。

その声は力尽きようとしている者達を励ますように木霊する。

 

「ど、どういうことだ!?か、からだが動かないだと…っ!?」

 

暗闇の支配者は自身に起きた異変に困惑の声を漏らした。

 

「ククル?ククルなのか!?」

 

アークは直ぐにその声の主の名を呼んだ。

最愛の女性の名前を。

 

『アーク、よく聞いて…私の肉体は既に滅んでしまったわ。でも魔王の力が弱まっている今なら!意志の力で動きを封じることくらい出来るわっ!アーク、貴方の力で魔王を封印するのよ』

 

「しかし聖櫃は破壊されて…」

 

アークは異空間の底を見た。

視線の先には既に破壊されてしまった聖櫃があった。

 

聖櫃がなければ魔王を封じることは叶わない。

アークは悔しそうに俯いた。

 

-アークよ-

 

「父さん!」

 

まるで励ます様な父の声にアークは再び顔を上げる。

そこには今は既に亡き父ヨシュアの姿があった。

 

『息子よ、お前の剣に全てを注ぎ込むのだ!力を得た剣が魔王を封印する。アーク、私の意識が消えてしまう前に早く…っ!』

 

「馬鹿な!たかが人間の意志が私を上回るというのか!?」

 

アークは最後の力を振り絞って剣を掲げた。

目を閉じて剣に意識を集中する。

 

「アークよ!私を封印などすれば貴様の命も無いのだぞ!考えても見よ!この世界に貴様がそこまでする価値があるというのか!」

 

「俺は、人間を、この世界を信じる!」

 

アークは自らの魔力を、精霊たちの力を、そして命を剣に注ぎ込む。

剣は眩いばかりの光を放ち金色に煌めく。

 

「精霊の力よ!我が剣に宿り古よりの災いを振り払う力を与えよ!魔王よ、全ての怒りを、悲しみを今こそ思い知れ!」

 

アークは光の剣を暗闇の支配者の体の中心に突き立てた。

 

「がああっ!このまま敗れ去り、また永久の眠りにつかねばならんのか…。だが私はいつか必ず復活する!愚かな人間が居る限り必ずな…っ!!」

 

エルクは光りに包まれていくアークと魔王を見ながら意識を失った。

 

 

 

 

 

それからどれくらいの時が流れたのだろう…。

エルクは寄せては返す波の音と潮の流れで目を覚ました。

薄く開けた視線の先には沢蟹が歩いている。

 

「ねえ、大丈夫?」

 

頭上から声が掛かった。

幼い声。

少年なのか少女なのか分からない。

顔を上げると少年が心配そうにオレの顔を覗き込んでいた。

ツンツンとした黒い髪の毛に大きな瞳。

歳は十歳くらいだろうか。

オレはゆっくりと体を起こして自分の状態を確かめる。

体の節々が痛い。だが動けない程ではない。

 

「大丈夫だ」

 

「そうか、良かった」

 

少年は嬉しそうに顔を綻ばせた。

オレは嬉しそうに笑う少年の顔を見た後に後ろに広がる海を見た。

 

「どうやらオレは漂流したみたいだ。なあ、ここが何処なのか教えてもらってもいいか?」

 

「ここはくじら島だよ」

 

少年は元気よく答えた。

くじら島?

何処かで聞いた島だな…。

 

「どこだっけ?」

 

オレこと炎のエルクは水平線の向こうを見ながら小さく溜息を付いた。

 

 

 

 

 

 

続く?




ラストバトル後のエルクが最高クラスの念能力者とやり合えるか妄想してみました。
多分、引けは取らないんじゃないだろうかと思います。
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