【完結】罪状記録   作:初弦

112 / 128
誰かの所為を推しはかる
懐古/回顧


 救済と預言は神の御業である。

 それを代行せんとする人間は、預言者か、救世主か——咎人である。

 

 

  懐古/回顧

 

 

 二〇〇八年九月九日。

 卍會を名乗るチーム同士の抗争。あるいは、決闘。

 

 決着はつかなかった。花垣は瀕死の重体へと陥ったが、生き延びた。

 花垣を殺しかけた万次郎はまた正気に返り、錯乱し——自らを傷つけた。深々と刻まれた刺し傷から血が滴る。

 

 救急車のサイレンが鳴り響く中で「タケミッチ、おい、しっかりしろ!」「起きろ起きろああ死ぬな!」「マイキー、目ぇ開けろって!」……阿鼻叫喚とはまさにこのような場面を指すだろう。

 

「内輪の修羅場になんざ構ってられるか!」

 

 吐き捨てたのは、気絶から回復した斑目だった。

 

「おい! 天竺! 極悪ども! 集合! 立てねえやつは気合で立て!」

「仕切ってんじゃねえよバカ犬!」

「ったら誰がやンだよ!? イザナがいない間に鶴蝶がマジで死んだら次殺されんのは俺らだろ!?」

 

 斑目の怒声は、しかし今回ばかりは一から十まで正しかったので、望月は今度は文句は返さず舌打ちだけをこぼした。

 

 電車内で倒れていた鶴蝶は灰谷兄弟が探してきたらしく、竜胆が背負い、蘭が特攻服を上から被せたのち、脅し文句とともにべしべしとその頬を叩いている。が、目を覚ます気配が一向にない。完全に意識を失っている。

 万次郎や花垣が抗争の中心で死にかけたので目立つだけで、日本刀で袈裟斬りにされた少年もまたほぼほぼ死にかけである。このまま放置していれば失血か低体温で本当に死ぬだろう。洒落にならない。

 

「聞ィてんのか武藤(ムーチョ)! マジで置いてくぞ!?」

「先行ってろ」

 

 大声に武藤は声を張り上げて返した。

 

「三途とマイキーを回収してくる」

「……マジで言ってんのか?」

 

 極悪の世代はにわかに殺気だった。

 刀傷は素人目にもわかりやすい。この日、得物に日本刀を持ち出してきた人間はただひとりだ。

 

「あのなあ〜武藤(ムーチョ)? 誰がウチの末っ子斬ったのか、まさかわかってねえとか言わねえだろ?」

東卍(トーマン)居すぎてそっちに染まった? 今更情が湧いたとか言う?」

「どうせイザナは下手人ほしがるだろうが」

 

 灰谷兄弟が次々に投げた険悪な言葉に、武藤は振り返り、反駁した。

 

「そんときにどっかで野垂れ死んでました、なんて言ってみろ。それこそ俺らじゃ手ェつけらんねえぞ」

 

 イザナはそういうことをしないかどうかでいうとめちゃくちゃする。

 ハロウィンの惨劇に私怨だけで殴り込んだ男の憎悪は伊達ではない。なんだかんだ天竺の面々はイザナに信頼されているので——彼らもいい加減、自覚が芽生えてきた——鶴蝶の仇を放置したところで殺されはしないが、それはそれとしてサンドバッグにはされるだろう。八つ当たりで全治半年は勘弁してほしいところだ。

 

「……に、してもマイキーまで拾ってく理由にはなんねえだろ」

「あの形相でマイキーだけを捨ててけば、目を覚ました瞬間舌噛んで死にかねねえ」

 

 東京卍會の面々はほとんど花垣に駆け寄っている。万次郎への情が尽きたのではなく、優先順位の問題だ。最強と謳われた男よりは最弱の総長の方が死ぬリスクが高い。

 その人垣の中、ほとんど唯一、三途だけが動かなくなった万次郎を揺り起こそうとしていた。止血しようと必死に傷口を抑え込もうとする。

 三途だけは、万次郎が死んだ過去をいまだ覚えている。弱りきって動かなくなるそのさまを知っている。死の危険はより身近にある。

 

 ……だとして、だ。

 

武藤(ムーチョ)、テメエそれが建前じゃねえ証明はできんのか?」

 

 望月が尋ねる。未だ彼らの目には疑心が蔓延っていた。

 

 本人は一時の仮宿だと公言して憚らなかったが、武藤が東京卍會を気にかけていたのは、仲間たちには一目瞭然だった。

 万次郎とイザナ、どちらが好きだとか嫌いだとかではなく、単に出会った順でしかなかったことももう察している。副隊長の三途とも、組織内の関係以上に個人的にやりとりをしていたことも覚えている。

 

「王はイザナだ」

 

 武藤は言った。もう極悪たちを振り返らなかった。

 

「じゃなきゃハナっから六波羅なんざとんずらしてる」

 

 天竺が六波羅単代に留まったのは、イザナの出所前になんとしてでも寺野南を屠り、組織ごと乗っ取る算段を企てていたからだ。イザナのもとに再度集結すること前提の企てである。

 

 ——出会った順が異なれば、あるいは。

 

 それは武藤が何度も心の中で繰り返したIfだ。

 そして、時間とは本来不可逆なものであり、それこそ花垣のように、タイムリーパーでもなければひっくり返せないだろう。

 

 わずかな差異だが、しかし、もはや覆せない差異だ。

 〝絶対〟は既に位置づけられたまま、不変の事象である。

 

「……どー思うよ、アレ」

「クッセェ」

「気取ってんな」

「ポーズ取ってんじゃねえぞ、蘭かよ」

「ハハハウケる殺そっかな〜」

 

 なおこれが極悪どもの反応。君たちそういうとこあるよね。

 

 しゃあねえなと嘆息した望月が武藤を追った。万次郎と三途、二人を引きずっていくなら人員は一人より二人の方が良い。

 天竺時代からの部下は集められるだけ斑目が集め(普段彼の出しゃばりは敬遠されがちだが、こういうとき、率先して大声を張り上げる人員の有用性がよくわかる)蘭はケータイ越しに何事かを指示し、竜胆は努めて明るく鶴蝶に声をかけ続ける。

 

「鶴蝶起きろ〜テメエが今死ぬとイザナが黄泉まで殴りに行くぜ、っつか俺らがヤバい。マジでヤバイ。あんな暴君のトコに遺してくなよマジで」

「おら雑魚ども、ずらかるぞ! センラクテキ撤退だ!」

「俺ら一番の雑魚がしかもなんか噛んだな」

「ウルッセ! さぞ用意周到なテメエはどーせ足残してんだろ、はよ呼び出せや!」

「もう呼んだわ。五分で来なきゃ殺すってよ」

 

 

 関東卍會天竺一派はこうして迅速に撤退した。

 

 

「ヒッははは大将の坊主とか! ひっさびさに見たわ! 少年院(ネンショー)以来じゃね!?」

 

 出所したイザナ、久しぶりのシャバの空気も早々に、まず蘭をしばいた。

 しばいた蘭を小脇に抱えて横浜のアジトに帰還した。竜胆も望月も斑目ももちろん鶴蝶もその場にいたのだが、誰も止められなかった。

 まあ、ぶっちゃけ自業自得だし。

 

 アジトの床に雑に蘭を放り投げて——竜胆がそそくさと揺り起こして回収していった——周りを見渡して、イザナは半眼になった。

 少なくとも武藤が出所時に迎えに来なかった理由は察した。

 

「……なーんか余計なの、いねえ?」

 

 三途は威嚇するように睨みあげてきたが——生意気なだけの男よりは、その主、いつぞやのように空っぽでがらんどうの瞳の方が、よほど薄気味悪かった。

 

「手紙読まなかったのか?」

 

 とは、王様の忠実なる下僕の言葉。

 

「読んだワ」

 

 読んだうえでワケわかんなかったから聞いてンだよ。イザナの本音はこれである。

 

 寺野が死んだあたりまではあのデカブツ喧嘩売るだけ売っておいて勝手に死にやがって、とキレるぐらいで済んでいたが——キレるな——それから二月もしない間に関東卍會が過去最大規模になって勝手に潰れた。

 なにが起きたんだよ。イザナは困惑した。過去最高の乱気流が一瞬で沈下していった。

 

 手紙こそ確かに届いていたが、刑務官の検閲前提の手紙で仔細な経緯まで詳らかにわかるはずもない。

 

 そうこうしているうちにそこそこの人数が少年刑務所にも送られてきて(もちろんイザナは叩きのめした。しつけは最初が肝心だ)その間の鶴蝶からの手紙もなかなかに信じがたいものだった。

 マジで言ってる? イザナは困惑した。

 

「……それで言うと、オマエがICU入ってたってんのもまあまあ妙な話だけどな、鶴蝶」

「とっくに全快だよ」

「だろーな」

 

 一時は本当に生死の境をさまよっていた、とか、鶴蝶はわざわざ言わない。イザナも聞かない。何故ならそのへんは竜胆がちゃんとチクっておいたので——こういうの報告サボると俺等がシメられンだよな。

 

「さてと。俺がいないうちにウチの手足共がまとめて世話になったようで?」

「俺ら手足かよ」

「つまりイザナ、手足六本あるワケ……?」

「俺は下僕で手足ではねえ」

「なら五本か」

「シンプル化物」

「もともとの手足含めたら九本になるくね」

「オマエら余計なこと言うな……」

 

「……とうとう年貢の納めどきかよ。儚い命だったな」

 

 三途が皮肉のように宣った。背後の喧騒はまるっと無視だ。

 彼の片手がポケットに突っ込まれているのを見て「ナイフ握りこんだまんまで言う台詞じゃねえな」イザナは鼻で笑った。

 

「それとも脇の抜け殻野郎の介錯でもするつもりか?」

「ッてめえになにがわかる」

「まるでわかんねー。とでも言われたかったんだろうが」

 

 イザナは、口ぶりのわりに、つまらなそうに万次郎を見下ろしていた。

 紫がまたたく。

 

「……抜け殻にはイヤな心当たりがある」

「……は?」

 

 ハロウィンの記憶。同じがらんどうの目を、イザナは一度、間近で見ている——そして、彼は同時にあり得ざる過去、起こり得なかった未来を幻視した。

 

〝——最強と謳われた男が、随分落ちぶれたな〟

 

 同じ目をした自分を視た。

 がらんどうでなんにもない。空っぽの己。

 

 タイムリープ。はて、そのような戯言が真実まかり通るとして。

 イザナが見たものはなんであったのか。

 

 変化した未来、重なり合う可能性の一部、そういう可能性はあるとしても。

 

 あれはまた種別が異なる。イザナはそう直感している。

 かの幻覚は、あるべきだったもしもだ。

 

 分岐が行われたのはいつか。下僕の甘言に唆され、東京卍會に手を貸してやったときか。なにもかもに激怒して、ハロウィンの抗争に乱入した瞬間か。一虎と鉢合わせ、芭流覇羅の存在を知った時点か。

 エマの手を振り払えなかった刹那か。真一郎の通夜に、間に合ってしまった、参加してしまった、過ちに端を発するのか。手紙を受け取ってしまったことか。

 

 それ以前か?

 

「まァいい。拾ったもんは拾ったやつのモノだろ」

 

 イザナは気持ちを切り替えて、ご機嫌にのたまった。

 

 ちなみに日本の法律では、拾得物は持ち主が見つからないでもない限りは普通に元の持ち主のものだ。

 つまりなにを言ってるんだこいつは案件。

 

「俺の下僕も極悪どもも——それも、半年もの長い間——貸してやったんだ。挙句借り物に傷までつけて」

「俺らが止めんのも振り切って暴れて案の定刑務所(ムショ)ぶち込まれたやつがなんか言ってンな……」

 

 これは武藤のぼやき。

 

「あンときは、俺がサウスにやられたばっかりに……」

「ありゃ鶴蝶べつに悪かねーだろ」

「つか喧嘩の怪我は傷っつかグンジョウだろ」

「……勲章な。群青ではねえな」

 

 斑目の良いこと言ったとばかりの台詞は、望月が訂正した。良いこと自体はたまに言うんだけどな。こういうところでなんか残念なんだよな。

 

 通常運転の仲間たちはさておいて、イザナは万次郎と三途をそれぞれ見比べた。

 

「ツケ払いに利子もつけるか。関東卍會も潰れちまったんだ、どうせてめえらも暇だろ? 人手は多いほうがいい。キリキリ働けよ」

「は?」

「前科ついてなかったら日本で建国も一興だったけどナ」

「ってわけで、マイキーのパスポートはコレな。ボロ出すなよ〜」

 

 竜胆が配布したパスポートには佐野万次郎とは全く異なる名前が記されている。

 

「……なに……?」

 

 決戦からしばらく、まるで人形のように無口で微動だにもしなかった万次郎は、久しぶりに人間味のある声をこぼした。

 

 

〝天竺ってなんだよ〟

〝ナーランダ大僧院。インドの北東らへん〟

 

 

 西遊記はフィクションであり、出来事の起伏を多分に脚色しているが、実のところ史実を下地にしている。たとえば西遊記における三蔵法師のモデルたる玄奘三蔵法師は、確かに実在した人物だ。

 七世紀初頭前後に隋の洛州緱氏県に生まれた彼は、仏教の心得に感銘を受け、仏路の巡礼を志した。長き旅路の果てにインドへと辿り着いた。ナーランダ僧院で学んだのちに六百余りの経典を長安へと持ち帰り、その翻訳と、布教に努めたとされる。

 

 イザナと鶴蝶が西遊記をなぞらえたのは、所詮幼子の戯れでしかなく、ギャングやヤンキーのチームとしての天竺も仏教のなんたるかなど全く理解してない。

 イザナは墓に意味を見出さず、彼らは死者を弔わない。神も仏も信じない。

 

 だとしても——形だけでも真似る行いがすべて無意味でもないだろう。

 

 かつて夢見た理想郷はモデルの僧院すら既に遺跡であり、真実幸せなだけの国などどこにもない——であれば、作ればいいだけの話だった。

 建国の立地は極論どこでもよく、ただ都合よく、なんとなく、消去法と思いつきが織りなした選択の果てである。

 

「……でもインド行くのはやっぱおかしくね?」

 

 渡航から数ヶ月後。

 三途はようやく正気に返った。炎天下の肉体労働に熱中症になりかけて、ふらふらと木陰に座り込んだタイミングでもあった。

 

「はは、あのな、軽率にナーランダ大僧院とか言ったこといっちゃん後悔したのは俺ら兄弟だから。ナメんなよ」

 

 死んだ目でそう言ったのは竜胆である。木陰に居座って襟元をぱたぱたと扇いでいる。

 木陰を求める気持ちは強く理解できるが、ナメんなよ、が具体的にいったいなにをどう指すのかは三途には全くわからない。

 

 ……てかつまりソレ、灰谷兄弟が元凶ってことじゃねえか?

 

「三蔵法師一行にしちゃ物騒だし、なにより、マイキーと三途まで捕獲してんのは、もうほとんど関東卍會の再現だろ……」

 

 これは九井の辟易混じりの感想。

 

 三途と九井は、関東卍會にて初期から中枢として働きつついがみあい、決戦の地の混乱で散り散りになった——のち何故かインドで合流となりお互いに二度見した。乾もいた。意外なようなそうでもないような。

 彼らはかつて関東卍會で共に万次郎を支えた同志、天竺に拾われた者同士、仲が良い——ということはなく、むしろぜんぜん全くよろしくない。

 

「そういうオマエは犬っころまで一緒なワケ」

「マイキーの犬がなんかほざいてんな」

 

 嫌味に嫌味で返して「……いろいろあったんだよ」九井は投げやりにつぶやいた。

 

「いろいろネェ……」

「……俺にばっかりごたごたネチネチ抜かしてくるけどな。テメエこそ、なにがどうしたら天竺に馬車馬のように働かされることになるんだよ。しかもマイキーごと」

「……。いろいろあったんだよ」

「いろいろネェ?」

 

 九井が意味深に、意趣返しのように繰り返した。

 三途はその顔めがけてつばを吐いた。

 

 胸ぐら掴み合う喧嘩に発展しかけたところで「おっ元気じゃーん存分にやれば? ガンジスの慈悲の底でな」笑顔の蘭が二人もろとも川に突き落とした。

 ガンジス川は彼らの現在地からはもう少し遠いので、ここはただの名もなきドブ川だ。わりとくさいうえに、昨今の日差しに当てられて水温は微妙に生ぬるい。川なのに。

 

「うぇ、げほ……」

「きったね」

「だッれのせいだゴミカス」

「え? もっぺんいっとく?」

「マジざっけんなよ……」

 

 飲み込みかけた泥水を吐き捨てて、三途は万次郎の方を振り返った。

 万次郎は望月とともに木板を黙々と削っているようだった。時折会話もしている。コツを聞いているらしい。

 

 九月九日からしばらくは、呼吸をしているだけの死体のような有り様だった。三途はその様子を見るたびに、最初の世界の少年の死に際を思い出して、嫌な汗をかいていた。

 

 生きている。

 今はまだ。

 

「……てかコレ、俺らはなにさせられてんだ……?」

「こないだの増水で橋が流されたから簡易の橋造りだとよ」

「アァそう」

 

 ぽろっと疑問を落とせば九井が勝手に拾う。関東卍會結成時点から、恒例と化したやりとりだった。

 九井は、ドブ川から一足先に上がって、髪を絞っていた。ぼたぼたと泥水が滴っている。

 

「……前に完成させた小屋はアレなに?」

「台風で寝場所が吹き飛んだホームレスどもの避難所。……違うか、それは前の前か? 前のは台風で吹き飛んだまま放置されてた校舎の代替のプレハブだったか?」

「ずっと似たようなことさせられてね? あいつらなにがしてェんだ」

「知らね……」

「おいそこ! サボってんじゃねえぞ!」

「オマエもしゃしゃってねえで仕事しろバカ」

 

 現場監督のように振る舞う斑目……がイザナにしばかれている。舌打ちをこぼして、しかし三途は大人しく岸に上がって、服の水気を絞って、髪の毛をまとめ直した。

 

 忙殺されるぐらいの仕事量はいろいろと都合がいい。

 ろくなこともろくでもないことも、考える暇がない方がずっと楽だった。

 

 土木工事の傍らで護衛や警察の真似事を何度かやらされ、その隙間に使い走りじみたお遣いをいくつか、いい加減三途もヒンディー語をちょっとぐらいは喋れるようになってきた。

 万次郎の方がこのあたりは飲み込みが早く、乾は物怖じしない性質ゆえかこちらも習得はそこそこ早く、むしろ意外と四苦八苦していたのは九井である。なまじ英語が喋れたから練習量が足りなかったのかもしれない。

 

「慈善事業だって」

 

 三途たちはいったいなにをやらされているのか——その答えを提供したのも万次郎だった。

 

「……はぁ? 天竺がァ?」

「そもそも今の天竺が貧しい人たち向けのNPO団体ってことで運用してるらしい」

「……天竺が……?」

 

 心底信じられないとばかりに三途は繰り返した。片手に握ったままのスプーンが奇妙に上下した。

 天竺は働かせるだけ働かせて衣食住も提供しているので、三途は正直なにか裏があるんじゃないかと勘繰っている。

 

「まァ俺が見てても半分くらい怪しいの混じってるけど」

「マイキーそういうのわかンだな。三途が弾いてるモンかと」

「テメエは俺をなんだと思ってんだよ」

「一応知ってる」

 

 万次郎は言いながら、スプーンでドライカレーを掬う。斜め前ではスプーンに乗せたドライカレーを見つめて「インドだよな、ここ……?」乾が首を傾げていた。

 

「そもそも、金がなきゃ工事もできねえだろ。NPOって金稼がねえじゃん」

「そりゃあな」

「……マイキーってそういうのちゃんと知ってたんだな、三途が弾いてるモンかと」

「マジでなんだと思ってたんだよ」

 

 心底信じられないとばかりの九井が「過保護」短く答えた。

 なにも反論できないので三途は押し黙った。

 

「部長がなんか……いろいろ……」

「……部長?」

「純丘榎」

「あァ、あのひと」

 

 全員納得した。

 納得してから、九井が疑問を示すように眉を上げる。

 

「……あいつ、NPOもやろうとしてたのか? 過労死待ったなしだろ」

「いや、知り合いの団体手伝ってたらしい。少年院(ネンショー)上がりの奴らに飯作ったり」

「なんで過労死しなかったんだ……?」

「優等生ってすげーよな」

「すげーっつか怖ェだろ」

 

 不良の皆々様は優等生とは無縁の生き物なので、ただただ謎の風評被害が訂正されないまま強化されていく。だいたい純丘のせいである。

 

「イザナがパクられなかったら日本でやるつもりだったらしい」

「パクられなくてもイザナクンは少年院(ネンショー)上がりだろ」

「まずインドなら良いみたいな言い方してっけどフツーに駄目だろ」

「俺もそう思う」

「マイキーって思ったより常識的だな?」

「俺はなんだと思われてんの」

 

 これは自明だったので全員がスルーした。

 

 奇妙な日常が続いていた。全く違うようで似たような日々を繰り返していた。おそらくそれは平穏にも似ていた。

 万次郎は、ここ数年の様子がまるで嘘のように、穏やかに暮らしていた。このまま〝衝動〟すらも、なかったことになるのかもしれないと、誰かが思った。

 

 

 もちろんそんなことはなかった。

 

 

「ッチ、よりによって利き腕やりやがってあのバカ……死ぬほど折りにくい……」

「こっちは片腕引き換えにした程度で無敵落としたのにびっくりだよ」

「理性吹っ飛ばしたただの馬鹿力なんざ、足で充分だろ。……あぁ目ェ覚ましたな」

 

 跳ね起きた万次郎に周囲が身構えて「——あ、マイキー……」三途が気の抜けた声でつぶやいた。

 〝黒い衝動〟の有様をすべて見てきた幼馴染は、万次郎の目に正気が戻っていることに、真っ先に気づいた。

 

「……俺、」

「慰謝料。借金返済頑張れよ〜」

 

 本当に〝起きるまで〟を待っていただけで、万次郎の言葉を聞くつもりもなかったようだ。

 紙飛行機を投げつけて、イザナは退室した。先程まで片手で四苦八苦して折っていたものだ。利き手は、首から三角巾で吊っている。

 

 投げつけられた紙飛行機を万次郎は慎重に開く。折り目のついた紙には、ヒンディー語が記されていた。

 会話に慣れるのは早かったが読み書きはまだ苦手な万次郎、彼が四苦八苦して読み取った部分を抜粋するなら、骨折、二ヶ月、ギプス代——要するに診断書と治療費の領収書だ。

 

「……ようやく正気だな」

「俺、また誰か殺した?」

「いいや」

 

 どこに投げたとも知れぬ問いを拾って、乾が首を横に振る。

 

「それこそイザナくんが骨折った程度だ。物理的に」

「俺ら視点だと、気づいたらイザナが首固めて落としてたからな。マジで鮮やかだった。手慣れてたな。さすが大将」

 

 蘭が軽口のように喋って「それ利子トイチだからマジで頑張れよ〜」こちらも退室した。ヒラヒラと手を振るおまけ付き。

 

 三途は万次郎を眺めていた。万次郎は茫洋と目を瞬かせていた。

 万次郎は、今は正気だった。

 

 万次郎の様子の変化に、いち早く気づいたのは、おそらく三途だった。そして、その次にイザナが気づいた。ほとんど同時だった。

 

 ……よく考えなくとも、彼ら天竺幹部がほとんど固まって行動し、また関東卍會からのメンバーが常に似たような位置に配置されていたのは、意図的だったのだろう。

 三途は暴走にすぐさま気づく。初動にさえ気づければ被害を出す前に落とせる、イザナがそうしたように。天竺は誰も彼も、少なくとも、弱くはない。一対一で片付けられなくとも、幹部が総出でかかればなんとかなる。かもしれない。

 

 イザナに限らず、天竺の面々は、万次郎の危険性を全く低く見積もってはいなかった。

 万次郎が正気を取り戻したと悟るまで、彼らは、間違いなく、油断なく無敵の男を監視していた——普段はひた隠しにしていただけで、いつも、そうだった。

 

 万次郎は沈黙したまま、ただ、己の手のひらを見つめていた。

 

「〝黒い衝動〟ってけっきょくなんなんだよ」

「さァ……? あんときの初代は、呪いだとかなんだとか言ってたけど、よくわかんね」

 

 鶴蝶のぼやきに、竜胆が首をひねる。

 

「あのときほぼほぼ聞こえてなかったんだよな……」

「オマエ死にかけだったしな。でもマジで俺らもよくわかってねーよ、佐野真一郎が死んだマイキー助けようとしてタイムリーパー殺して呪われたっつー」

「そうそうだいたい竜胆の言う感じ。ああ、てことは花垣殺したやつはタイムリーパーになれんのかもなとは思ったな」

「なりたいのか?」

「ヤだろ真偽不確かオカルトのためにあんな雑魚殺すの」

 

 治安の悪い笑いが起きた。

 鶴蝶だけが微妙な顔をしていた。そいつ俺の幼馴染なんだよ、実は。言わねえけど。

 

「真一郎が、ネェ」

 

 イザナの独り言に、皆が一瞬静まり返った。

 

「……気ィ遣ってんなよ。めんどくさい」

 

 男は苛立たしげにがしがしと自らの銀髪を掻く。

 

「気遣わなかったらオマエそれはそれで殴るじゃん」

「当たり前だろ……」

「当たり前ってなんだろナ……」

「でもよォイザナ、なんであんな爆弾残しといてんの? 殺しちまった方が楽じゃねェ、イロイロ」

 

 斑目が純粋に問いかける。中身が邪悪真っ黒なのは御愛嬌として。

 

「……」

 

 イザナの脳裏を、かつての記憶が過る。

 これは、幻覚ではない。本当にあった事実だ。たしかに口にした言葉だ。

 

〝……なら、エマは?〟

〝兄貴がそう何人も必要かよ。あるモンで充分だろ〟

 

 記憶の中の幼子は未だあどけない顔立ちで、こちらを見上げている。

 ぬいぐるみを抱きしめて、舌足らずに兄を呼ぶ。寂しがりの少女。

 

 イザナの妹。

 ……かつてのことだ。

 

「……いろいろあンだよ」

 

 彼は、至極面倒そうに言った。

 

「いろいろ、ねえ?」

 

 蘭が意味深に茶々を入れれば「そういろいろだ」イザナは平坦に繰り返した。

 

「テメエらと純丘みたいにな」

「あんな裏切者の名前出すな反吐が出る」

「マジで地雷だからソレ」

「言っといてなんだけどオマエらまだ根に持ってんの」

「あと十年は根に持つわ!」

「なにをどうすればあいつは兄弟両方こんなに拗らせんだよ」

 

 他愛もない会話ですべては流されていった。

 しかし彼らもまた薄々悟っていた。

 

 佐野万次郎という存在は、象徴は、その中身の人間は、既に擦り切れて限界に近づいていた。

 

「イザナさあ。今の俺の借金って、どんぐらい?」

「下僕と部下の貸出延滞料、慰謝料に、あとこないだテメエが破壊した壁の修理代に利子つけてざっと一億」

「せめてこっち見るふりぐらいしろよ」

 

 露骨にスマホの片手間に応えるイザナ(インドはヒンドゥー教に準じた社会構造もあり、スマートフォンが手に入りやすかった)万次郎はなんとも言えない顔で突っ込んだのち「ならさ」と言葉を続けた。

 

「俺の臓器とか売ったらそんぐらいになる?」

「……。全身くまなく、高値で売れたらな?」

「なるンだな」

「全身くまなく、だよ。腎臓一個だなんてちゃちなもんじゃねえぞ。それこそ、」

 

 イザナはそこで沈黙した。スマホを伏せて振り返る。

 尋ねられた意味に思い当たった——借金のために臓器に手を出す輩はいるにはいるが、おそらく万次郎にとって、借金はただの口実だ。

 

「くっ……だらねえ。そりゃ然るべきところに高く買われりゃ大金がサクッと手に入るだろうよ。で? そのために誰が捌く? 誰が伝手に話をつけるって? そもそも、血も繋がってねえ他人の臓器の適合率はそう高くねえ。買い手がつく前に腐ってゴミになるのがオチだ」

「得意そうだと思ったんだけど」

「だいたい、今バラして売っ払うより、もう二十年は働かせた方が稼げるに決まって——」

「ホントに?」

 

 万次郎はやけに平坦な声で言った。

 

「イザナの腕。望月(モッチー)の肋。店舗の壁と、斑目のこめかみ。インドに来て、これで三度目だ」

 

 万次郎の内側に閉じ込められた〝衝動〟は、あれからも何度か暴走した。迅速に取り押さえて無力化することも、もはや慣れたものだ。

 誰かが怪我をしたところでそう致命的にはならないように、警戒は怠らない。

 

 今ですら、部屋の前には鶴蝶が立っている。

 

「〝衝動〟がこれから何度起きるか俺にもわかんねえよ。さっきの、一億ってのはとんだ嘘だろ、でも……俺を生かしとけば、損害は大きくなる一方なんじゃねえの?」

「……まるで俺が殺したがってるみたいに言うな? 責任を押し付けんなよ、死にたがり、グチグチ言ってるぐらいなら勝手に死ね。俺の知らねえところで、」

「死のうとしたんだよ、何度も、なんども!」

 

 悲鳴のような声が上がった。

 万次郎の声だとは、到底、思いがたかった。

 

「なん、何度も——だって俺を止めようとしてた場地は死んだ!」

 

 イザナは伝聞でしか知らない話だ。

 雨降る七夕、場地圭介は、花垣と千咒を銃弾から庇って死んだ。

 

 あるべき役者がいなくとも、物語は、滞りなく進行する。

 代わりのように誰かが現れ、代わりのように誰かがいなくなる。

 

 龍宮寺が(ブラフマン)に入らなかったのに、なぜ花垣も千咒も生き延びたのか——代役がいたからだ。それだけでしかない。

 代替を繰り返し、それでもいずれ、誤魔化しは効かなくなる。上手く失敗できなかったがゆえに、致命的に失敗して、彼らは生き延びてしまった。

 

「俺はサウスを殺すのを止めらンなかった! タケミッチだって二度も殺しかけて、千咒まで殺しそうになった! ここに来てからは一瞬、平気かもしんねえと思ったけど、それでもオマエらだって傷つけてる。今度は……今度こそ三途も殺すかもしれねえ、もしかしたらなんのはずみかでエマかじいちゃんか、それで、それだったなら、自分で死んだほうがずっとマシだってそう思ったのに……」

 

 万次郎の言葉は震えていて、聞き取りづらく、彼の両拳もまた震えていた。

 爪先がてのひらを傷つけて血を滴らせる。イザナはその軌道を眺めた。

 

「……笑えよイザナ、俺さあ、怖くて死ねなかったんだ……喧嘩なんか全く怖くなくって、殺すのになんにも感じなかった、くせに」

 

 拳のふもとには手首があり、傷が幾本もついていた。動脈を横切る形で何本も。

 その数が日を追うごとに増えていることをイザナは知っていた。

 

「もう嫌だ、もう殺したくない、もう壊したくない、でも、壊せ殺せって、俺ン中の〝衝動〟はいつも囁いてる……」

 

 かつて無敵と謳われた少年が、今はまるでそのように見えない男が、膝から崩折れる。

 

 まるで懺悔のようだった。

 まるで告解のようだった。

 まるで断罪を望んでいるかのようだった。

 

 許しを乞うような姿勢でありながら、望むものは、罰でしかない。

 

「——真一郎からもらった命、本気で捨てるわけ?」

 

 イザナは尋ねる。

 平坦に。冷酷に。残酷に。

 

 奥底に残った嫉妬。の、ようなものがひとかけら。

 

 しばらく、彼らはどちらも喋らなかった。

 万次郎は床に膝をついたまま、項垂れていた。イザナはそのうなじを見つめていた。

 

「シンイチローに会いたい」

 

 やがて万次郎はつぶやいた。

 彼の眼差しは床に落ちたままで、もはやイザナを見てはいない。イザナに向かって話しかけているわけでもないだろう。

 

「会って。テメエ勝手になにしてんだって、蹴り飛ばして。殴って、怒って、話して、話したい、話したい……」

 

 床にふたたびなにかが滴った。血液にしては赤黒くもなく、汗をかくには空調が効いた部屋だった。

 涙だったのかもしれない。

 

 自室の扉を開けて、大げさな音を立てて閉じる。鶴蝶は微動だにもせず、待機を続けていたようである。

 扉の脇で壁に寄りかかっていた彼は、イザナの姿に、すぐに身を起こした。

 

「イザナ」

「灰谷呼んでこい。あいつらの方がこういう売買は詳しい」

 

 室内の会話を聞いていることを前提とした物言いである。当然、鶴蝶は聞いていた。

 なにを言うべきか、数瞬、迷う。

 

「……さっき、三途が立ち聞きしてたぞ」

「ほっとけ」

 

 天竺の王はどうでもよさそうに、下僕の報告を脇に除けた。

 本当にどうでもいい。事実を知ったところで、もうどうしようもないからだ。

 

「……なァ、いいのか」

「どうせ武藤(ムーチョ)がどうにかするだろ」

「俺が言ってるのは、三途のことじゃない」

 

 鶴蝶が語気を強める。わかっているだろうと言わんばかりに——ああ、イザナももちろん、わかっていた。

 

「っぱオニイチャンなんざガラじゃねえな」

 

 口の中で小さく吐き捨てる。

 

「……なにか言ったか?」

「なんでも。いいんだよ。どうせ他人だ」

 

 死体はものを喋らない。

 喋れる死体のような人間が喋らない死体になったからって、なんの違いがあるだろう。

 

 イザナは鼻でせせら笑った。

 

 彼らの会話が、二〇一〇年の七月二十日のこと。

 

 佐野万次郎はその五日後に死んだ。

 死因については、詳らかに語るほうが野暮というものだ。

 

 インドの六月から十月といえば蒸し暑い炎天下かほとんど洪水のような雨だ。今は九月末なのでやはり当然に大雨。

 昨年汗みずくになって架けた橋が残骸になって流れていくのを、三途はぼんやり眺めていた。

 

 もとよりあれは代用品の突貫工事だった。まともな橋に関しては今年の前半期には計画を完成させたのち、雨季が過ぎれば工事に着手する予定になっている。来年には架かるだろう。

 

 万次郎も架ける際に協力した橋は、残骸となって流れていった。数日も経てば、そこにはなにもなかったかのように、風景になじむだろう。

 万次郎の遺灰も、ヒンドゥー教の慣習に則って、川に流した。生存の痕跡は跡形もなく拭い去られる。

 

 三途は、雨に打たれながら、濁流を眺めていた。

 七年前の記憶を思い出してもいた。

 

 二重となり、重なり合い、その境界がにじんで見分けがつきづらくなっても、やつれた真一郎の笑顔は思い出せる。

 川に落ちていく身体、てのひらが虚空をつかんだ感触。

 

 すべては手遅れである。

 今もなお。

 

 雨は変わらず降り続いていたが、しかし三途は、雨の代わりに奇妙な感触が体に触れたことに気がついた。ずいぶんと間を空けて、茫洋と振り仰ぐ。

 

 己の身体には傘が差し掛かっていた。

 

 シンプルで、いかにも安価な傘である。日本ならばそのへんのコンビニでワンコインで買えるだろうか。インドでも200ルピーもかからないはずだ。

 

 傘が差し掛かけられていた。

 差し掛けた人はもう川岸にはいないようだ。

 

武藤(ムーチョ)おっまえその濡れ鼠で入ってくんな、シャワー行けシャワー」

「すっげえ床びっちゃびちゃ。エこれオマエ掃除するよな? しろよ?」

「せめて服脱げ」

「誰かタオル寄越してくれ」

「はー、人をパシるのばっか上手くなりやがって。おらよ」

「あいつ、もうすぐ死ぬか?」

「……引きずるだろうが、死なねえだろ」

「マその方がいいな。下僕のぶんの弁償がまだ三億はある」

「ガバ計算にも程があるだろ」

「イザナイザナ、とりまフツーに墓石管理はあいつにやらせとけば? 俺ら絶ッ対ェやんねーよ?」

「というかそもそもこの国、フツー墓作らねえだろ。なんで買ったんだ」

「まずイザナ、墓嫌いだったろ。覚えてるからな俺」

「その場のノリ」

「いつもの」

 

 一周忌が過ぎたころ、ようやく三途は墓参りをした。懇意にしている寺院の脇に造らせてもらった石標である。

 一年野ざらしにされた墓は当然誰も手入れしなかったので、砂埃にまみれて、みずぼらしくなっていた。

 

 雑巾を絞って、石の表面を丁寧に拭いた。一頻り拭いたのち、さらに乾いた布で水気を拭った。あたりを掃いて、新品の花瓶を添えた。

 

 天竺には相変わらず三途はこき使われていた。三途は適度に文句を言いつつ、彼らの指示に従った。

 鶴蝶を袈裟斬りに掻っ捌いたことは三途は全く反省してなかったが、墓の管理代を持ち出されればなにも言えない。

 

 月に一度か二度、墓石を手入れする。その石の下にはなにもない。遺品はそもそも、万次郎は最低限の日用品以外をついぞ持たなかった。遺灰は川に流してそれっきり。

 

「マイキー、客だ」

 

 彼らは無意味な石標を墓石として取り扱う。




最強と謳われた男が〜
:20巻172話
 あるいは「贖いの結末」擬似乱数の確率論 より

拾得物は~
:遺失物法で規定されている

玄奘三蔵法師
:三蔵法師自体は役職名みたいなもので、特定の個人を指すわけではない

隋の洛州緱氏県
:今でいう中国の河南省洛陽市のあたり

軽率にナーランダ大僧院とか言ったこと〜
:「償いを望んでいる」これから始まる今の件 より

ドライカレー
:インドのキーマカレーを日本でアレンジした らしい
 ハウス食品公式サイトより

NPOって金稼がねえじゃん
:正確には、金は稼いでも問題ないが、利益分配が認められていない
 詳しくは特定非営利活動促進法を参照
 それはそれとして実際稼ぎづらいのは本当なので、主な財源が寄付金だったり補助金だったり会費だったりする

知り合いの団体〜
:「違法にはできない」off-air より

トイチ
:十日で一割とかいうとんでも金利、闇金の代名詞
 日本では当然違法
 インドでももちろん違法

あるモンで充分だろ
:「不毛にはなりえる」弁論準備 より

臓器
:健康な成人男性を頑張って全身きれいに解体して買い手がつくと数十億になるらしい

ヒンドゥー教に準じた社会構造もあり〜
:カーストによって職業が決まっている
 のだが、IT関連は比較的近年現れた職種なので、カースト制度が(比較的)適用されていないため、一発逆転の目標とされやすかった
 インドがIT関連で大躍進を遂げた一因ともいわれる
 これにまつわる禍根やデメリットもあるので詳しくは調べてください

200ルピー
:当時のレートでも300〜400円くらいかな

ヒンドゥー教の慣習
:他の教徒から希望があれば土葬もするとか

覚えてるからな俺
:20巻175話
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。