【完結】罪状記録   作:初弦

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Outside

 知り合いの子どもとその友達が喧嘩している。

 

 頭の痛い話だが、純丘榎には無関係な事項でもある。愛美愛主(メビウス)のような刑事事件レベルならばさておき、友人間の小競り合いを取り持つなんぞ、大人同士でも親しくなければ早々ない。余波は酷いようだがやはり純丘には関係ない。

 

 一方の主張が、明らかに道理にそぐわず、友人たちにも諭されていると見込めば、じきに収まる。

 純丘の価値観は、根底が真っ当な倫理観から形成されている。彼はそのように判断した。

 

 読みとしては正直浅い。しかし、結果的には純丘の読み通り、諍いは終息した。

 

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From:雇い主の末孫

To:自分

Title:∧」レ┐°

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夏イ木ゐ@宿是頁

ゎカゝωナょ─レヽ

 -End-

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From:自分

To:雇い主の末孫

Title:Re:∧」レ┐°

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教えに行けばいいか?

今日? 明日? それ以降?

 

今日なら14時まで空いてる。

明日は学校あるから

早くても17時。

 

それ以降ならとりあえず、

急ぎじゃないだろ。

道場のバイトのあとに

時間空けるが。

 

今日ならついでに昼飯作れる。

 -End-

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From:雇い主の末孫

To:自分

Title:Re:Re:∧」レ┐°

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今日!

ヶ・/ちゃωも来ゑカゝら

ゥ于もイ乍ゑ!

 -End-

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 エマからのメールは、ほぼすべてギャル文字なので、純丘も読み方を覚えてしまった。

 

 佐野家の子どもたちはだいたい、学校に行くことは行くものの授業はほぼほぼ聞かないわりに、宿題だとかは意外にも真面目にやる。期日を越すことは数多あれど、普段の態度に比べれば、誤差だ。

 マジで学校の空気が肌に合わねえんだろうな、とは、純丘がなんとなく思っていること。

 

 あまり悪さをしていると、教師の側も学校に来ると露骨に嫌な顔をする。佐野兄妹の場合は、地毛が規則違反扱いで、教師によっては教室に入れてもらえないことも多いらしい。

 

 そうだっけ、と首を捻る万次郎の横で〝サトセン、ウチにはうるさいのにマイキーに言わないんだもん、ビビっちゃって〟エマが不満げに漏らしていたのを覚えている。

 

「……にしても、宿題ってそんな急務か?」

 

 支度を済ませ、純丘はふと疑問をこぼした。持ち物は、筆記用具とルーズリーフのノート、ケータイと財布と家の鍵。

 とんとんと靴先を両足それぞれ軽く叩いて、家の扉を開ける。

 

 

 

  Outside

 

 

 

「もー、お祭りなんて絶対お洒落しないとなのに、今からじゃ間に合わないカモ……」

「お祭りねえ、どこの?」

「武蔵祭!」

「てことは明日の夕方か……」

 

 テーブルに頬杖をついたエマが唇を尖らせる。相槌とともに、純丘は日本史の教科書に指を這わせた。

 回答の正誤判定と解説を脳内で組み立てながら、なるほど、と内心頷いた。

 

 これはつまり、明日やる予定だった宿題も、まとめて済ませたかった、と。

 

「……君、自前の浴衣持ってたよな? 仕立て直し、知り合いに頼んでみようか」

「知り合い?」

「エマ、確か、御門経由で堤にも会ったことあるんだろ。あいつの職種上今の時期ならまあまあ暇そうだし、たぶん頼めばいける」

「えっあかりさん! すんっごくかわいいひとだよね! それに幸センパイと一緒に遊園地連れてってくれたし! お裁縫もできるんだ!?」

「遊園地行ったのかよ。あいつ大盤振る舞いじゃん……」

 

 引き合わせた純丘の知らないところでどんどん仲良くなっている、仲が悪いよりはマシだが。

 

「まあ、あとはそうだな。前ちょっとしたバイトで給料ついでに、だいぶいいアクセサリ貰ったから、やるよ。俺だとマジで使い所ないから」

「部長ダイスキ♡」

「そうだろー」

 

 言いながらエマの視線がちらっと飛んで、兄と話す龍宮寺を捉えるのを見て、純丘はかすかに苦笑した。答えがうっかり棒読みになったのも致し方ない。

 

 相変わらず好きには盲目で、相変わらず龍宮寺の方は顔に出す気がない。傍らの雑誌を掴む手に一瞬力が籠ったのは、おそらく、エマの位置からだと見えなかったはずだ。

 

 純丘と同じく、すべてが見える位置にいた万次郎と目が合った。……肩を震わせて笑いを噛み殺している。さもありなん。

 万次郎は龍宮寺とエマの仲を応援しているが、と同時に絶対に面白がっている。

 

「つか、なに、君が準備遅いの珍しいな。イベントごとだと、いつも早め早めに準備万端なイメージがあったが」

「ふふん、ウチめっちゃしっかりしてるから」

「してるしてる」

「雑!」

「しっかりしてるエマさん、そこの答え竪穴式じゃなくて高床式な。地面に埋まってないだろ」

「似たよーな名前出してくるのが悪くない!?」

「悪い悪い」

「雑ー!」

 

 そして残念ながら、間違えやすい問題ほど出されやすい。どれだけ覚えたかを判別するのが日本の教育であり、なんだかんだ暗記能力とその手法は役に立つ機会が多い。

 

 可愛らしい色合いの消しゴムが、コピー用紙のドリルの上を走る。黒鉛の答えをきれいに消したのち、丸文字が正解を書き直す。

 

「ホントはもっと前からいろいろ予約してたんだけど、ちょっと前まで中止ってなってたから」

「悪いって言っただろー」

「責めてないでしょー」

「ああ、君ら喧嘩してたってな。一緒にいるあたり仲直りしたんだろうとは思ったが」

 

 純丘が聞いた通りなら、チームが派閥で分断されるレベルだったはずだ。そんな喧嘩中にバイク雑誌見て議論していたらそれはそれで面白くなってきてしまう。

 軽く口角をあげた純丘に「ッス」龍宮寺は頷いた。

 

「ご心配おかけしました」

「君相変わらず堅いよな。(ケン)だけにか?」

 

 若干怪訝な様子で「はあ……」と返されたので、これは完全に純丘が滑ったかたち。

 ギャグを解説するほどつまらないこともない。

 

「まあ、元々大した心配はしてねえけど」

 

 何事もなかったような顔で、純丘は言葉を続ける。

 

「言いたいことぜんぶ飲み込むよか、喧嘩する方がマシだろ。喧嘩もできねえ方が地獄だよ」

「喧嘩しねえで変な顔する部長が言うと説得力あンね」

「はははそうだろところで万次郎ちょっとこっちこい?」

「ヤダ」

「ヤダか……」

 

 サッと逃げた万次郎に盾にされた龍宮寺が、どうするんですかこれ、視線だけで訴える。にっこりと笑った純丘はそのまま目を逸らした。

 

「おい……」

 

 低いつぶやきは置いといて、ケータイを開いてテンキーを叩く。

 

 さほど待たずに——You've got mail♪——メールの着信音、簡素なメッセージが了承を示している。

 

「堤、三時あたりに来るって」

「えっありがとー! お金どれぐらい?」

「支払いが発生する場合、こっちで受け持つってことで取り決めといた。俺もちょうどあいつと話したいことあったからついでに済ませとくわ」

「……ほんとにいいの?」

「いーよいーよ。良くなきゃ言わねえし俺は痩せ我慢はしない」

「部長マジありがと!」

「どーも。ちなみに七一〇年は平城京な。奈良時代だから平安京ではない」

「あーもー!」

 

 消しゴムがプリントの上を走る。【へいじょう京】と書かれたのでおそらく漢字が出てこなかったのだろう。まあ読み合ってりゃ点入るだろ、純丘はそこは突っ込まなかった。

 

 しかしわからないと言っていたとおり、ずいぶんと苦労しているご様子だ。

 確かに、一夜漬けが得意なクラスメイトだとかは、試験の翌日には学習した内容を綺麗さっぱり忘れていたりする。たまに試験当日に忘れ去って詰んでいることもある。

 

「てか、日本史にしたって中一の範囲だろ。奈良時代以前なんざ」

 

 テキストをぱらぱらとめくって、裏表紙も確認して、純丘は首を傾げる。

 

 三年使い続けるタイプの教科書だ。裏面にはエマが中学一年のときのクラス——つまり昨年度——も、エマの氏名も書いてある。当然二年次のクラスも。

 

 純丘も、昨年の長期休暇に時折ヘルプコールが入っていたので、なんとなく範囲は把握していた。

 そうでなくとも彼のアルバイトとは塾講師であり、本業こそ学生だが、副業では個人塾すら経営している。学年ごとの履修範囲は覚える必要すらある。

 

 進度が遅いのかとも考えたが、教科書の隅の落書きは室町時代にまで及んでいた。

 エマには、授業中に話がつまらなくなると落書きする癖がある。これがたとえば万次郎であれば、開き直って突っ伏して寝るわけだが、エマの場合は一応ちゃんとその日の範囲のページを開いていることが多い。

 純丘は、エマが本来習っているはずの範囲を、落書き済みのページの位置で確認する癖があった。

 

「復習にしても妙な時期に出してくるな」

「あァそれ、うちのガッコの歴史の……サガだっけ?」

「いーじゃんもう」

 

 龍宮寺の背中に隠れた——いや、隠れたというよりもはやのしかかっている——万次郎が視線を上げる。横槍に、エマは嫌そうに兄を睨みつけた。

 

「佐藤な。サトセン」

「ケンちゃん!」

「ああそう、サトセンつってさ」

 

 きゃん、と吠えられた龍宮寺、明後日の方を見つめて、とぼけた様子で首を捻る。

 ぐぐぐと押し黙ったエマをよそに、万次郎が何度か頷いた。

 

「目ェつけられてんだって。ホラ、俺が族やってっし? でも俺に言うやつはいねえし?」

「……聞いたことあるなその名前。教室入ったら怒鳴りつけてきたって教師と同一人物か?」

「……てかサトセン、ウチ以外でもイビっていい専用みたいな子、一個のクラスにひとりぐらいいるから。要らない課題まで出されるのはウチぐらいだけど!」

 

 兄およびその友人に次々に暴露されたので、もう開き直ったらしい。憤然とエマが言う。HBのシャーペンが紙面の上をさかさかと走って、答えを埋めていく。

 

「嘗められてんの、どうせできないだろーからって。てかウチがテストとか赤点ギリみたいなの取るから、ウチに合わせた問題作ったのにそんなシンセツも無駄にするんだって絶対言う! 言うからやってやるし」

「……やる気があるのはいいことだな」

 

 純丘は無難に述べた。宿題をまとめて済ませたかった原動力にも納得した。

 

「ちなみに、サトセンさんの所業をもう少し詳しく聞いておきたいんだが」

「さすがにウチそこまでサトセンのこと恨んでない」

「……俺のことなんだと思ってる?」

 

 

 

 近所(でもないが)のお兄さんが関わることといえば、楽しんでこいよというお話と、スリには気をつけろよという忠告ぐらいである。

 

 危ないことをしないようにと忠告しようにも、無免許運転と喧嘩三昧の時点でだいぶ今更、夜遅くならないようにと言うにも夜も元気いっぱい——元気いっぱいだ、いや本当に——なのでこちらも今更。

 保護者監督も、さすがに嫌そうな顔ぐらいされるのは、黒龍(ブラックドラゴン)との件で既に知っている。決まった予定に割り込むつもりはない。それこそかの件のように、メンバーに要請されるでもなければ。

 

 そして要請もないなら本当に純丘が関わることはない。

 

「ふつう仕立て直しって前日に頼まれたらプロでも確実に割増はするからね。私は趣味なんだけど、プロどころか独学の素人なんだけど、だから尚更断ってもよかったからね。というか私が平日休みの職種でよかったね、仕事あったら本当に絶対無理」

「ほんと助かったわ」

 

 そしてここはファミリーレストラン。お互い一人暮らし、遠慮のない腐れ縁ともなれば、外食にしても安価で手軽なお店を選びます。

 軽音楽部の元部長からぷちぷちと淡々ながら怒涛で連ねられる文句に、純丘はうんうんと頷いた。なお、ダメージはゼロの模様。

 

 さすがに無理を言った自覚はある。悪態つかれるぐらいは想定内、なんなら必須のコストとしてカウントしている。

 

「エマちゃんじゃなかったら受けなかった」

 

 ぐちぐち、ちくちく、文句は終わらない。

 堤はアイスコーヒーの結露を指で拭い取る。溶けた氷はときたま、からん、とグラスを鳴らしている。

 

「純丘くんのなら受けてなかった」

「俺は前日に決まるぐらいなら諦めてる」

「純丘くん諦めが早いもんね」

「相変わらず俺に微妙に当たり強いよな」

「さすがに今回は当然でしょ」

「まあな」

 

 気にした様子もないコメントに「それとも、優しくされたい?」堤は平坦な口調で尋ねた。返答の代わりに純丘は肩をすくめた。

 

「そういうとこだと思うよ」

「……まあさておき、報酬の話ですけど」

「一ヶ月タダ働きしてね純丘くん」

 

 やはり平坦に淡々と述べた堤を、純丘は半目で見返した。

 

「……堤さあ、ひとつ聞いていい? 一人暮らし成り立ってんの?」

「週に一回ぐらい御門ちゃんがご飯作ってくれたり掃除してくれたりするよ」

「後輩に生活を寄り掛からせんなよ……」

「御門ちゃんには悪いと思ってるよ」

「だから俺に分散する、と……」

「ご飯とお掃除よろしくね」

「ハウスキーパーぐらいは似たようなことやってっからいいけど」

 

 具体的には佐野家とか。

 

 灰谷兄弟は、そもそもプロを雇って家事はそちらにぶん投げており、元副部長のことは、タダでご飯出してくれる場所ぐらいに捉えているふしはある。

 

「……ちなみに今、恋人とか気になってる相手とかいないよな? その他俺が自宅に上がり込むことでそっち周辺の人間関係に不都合が生じかねない場合は金で払うが」

「純丘くん言い訳するとき突然文語口調になるよね」

「自覚はある」

「問題ないよ。顧問にフラれてから進めてないし」

「反応しづれーよ。なら安心だなって言えばいいのか」

「人の心ないね……」

「しみじみと言いよるわ」

 

 やはり言うほど気にした様子もない。

 グラタンを掬い上げて、もそもそと食む純丘を、堤はしばらく無表情に眺めていた。彼女が持ち上げたフォークがかつんと皿にぶつかった。

 

「……こないだ灰谷くんのお兄さんの方と会ったんだけど」

「ほん」

「あの子、人助けするんだね。しつこいキャッチさんが一言で引き下がったよ」

「まあ堤のこと覚えてたか気分が向いてたんだと思うぜ」

「いつも助けると怯えられるか崇められて面白いけど、部長は逆に怪しんできてそれはそれで面白いって言ってた」

「普段が透けて見えらあな」

 

 他人のことを突いたら鳴るおもちゃだと思っている可能性は、正直否定できない。

 

 パスタをくるくるとフォークの先が巻いていく。巻きながら、堤はぼんやりとつぶやいた。

 

「まだ密な付き合い続けてるんだね」

「まァな。あいつらも飽きねえみたいだし」

「そう。どうでもいいけど、」

「いいのかよ」

「純丘くんさ、あなたの弟くんが今どうしてるかって知ってる?」

「……さーあ?」

 

 純丘は皮肉っぽく口端を上げる。

 普段の彼の、揶揄いや呆れの表情とは似て非なる、明確な拒絶をこめている。

 

「あっちと連絡取ってねえし。父親と一緒にどこぞで暮らしてんじゃねえの。興味はない」

「ふうん。深夜徘徊が増えたとか、グレたとか、悪いおともだちとつるんでるとか、そういうことも聞いたことない?」

「……ああ、去年の三ヶ日に帰省したときにお祖父様と母親に似たような話はされたが」

 

 グラタンをもうひとくち。

 

「俺が好き勝手しよるからってよ。まあどうでも。そうかもしれませんねぐらいは思うが。そっから進んだんだかどうかはマジで知らねえ」

「……。純丘くんの影響はあるにしても、純丘くんが繋いだわけじゃなさそうだね」

「そのへんの分別忘れたらあいつらとこの位置で付き合い続けてらんねえだろ」

「じゃなかったらあなたとの付き合いを考え直したよ。……純丘くんが関わってないなら、私から確認することは他にないよ。うちの実家が首突っ込みたがってるから、先に聞いといただけ」

「あー、堤んとこ相変わらずなわけ」

「いつもね」

 

 お互いにお互いの事情は把握している。

 一線を引くときの声色も覚えている。それ以上踏み込まないための自制心も持ち合わせてきた。

 

 かすかに息を吐き出して、純丘はスプーンを持ち直した。皿の中のマカロニとチーズの焦げと海老をかき集め始める。

 

「……マジで連絡は取ってねえよ。住所は知ってるし、去年は、小学校卒業の前祝いも兼ねて誕プレ送りつけたけど。それが最後だな。あっちからコンタクトはない。俺もどうでもいい。顔を合わせたのは、マジで去年の正月が最後」

「うん。私もあんまり知らない、ほんとにさっき言ったことぐらい」

「知ってても怖ェが」

「はは、それあなたが言うんだ」

「俺だから言うんだよなあ」

 

 だだっ広い人脈と人心掌握術を悪用すると、対象に身構えられるレベルの情報収集が可能です。

 純丘榎は本人が良識的を自称しているだけあって、その有用性と危険性はよく理解している。

 

 場合によっては使うのはそこはそれ、自称良識的ってこと。

 

「うわ、雨降ってやがる」

 

 会計ののち、店外に出て、純丘は思わず顔をしかめた。店内ではレジカウンター近くのテーブル席を陣取っていたので、天気を窺うこともなかった。

 堤は鞄から出した折り畳み傘をカバーから引き抜くのに手こずっている。

 

 ちなみに今の純丘はハンカチ・ティッシュの他に、財布と鍵と絆創膏しか持ち合わせていない。手持ち鞄もなく身軽に動くタイプ。

 

「天気予報の四割が当たっちゃったね。……いちおう聞くけど、純丘くん、傘は?」

「走って帰る」

「……帰ったらちゃんと拭くんだよ」

「さすがにシャワーは浴びるけど。走れば家まで十分ねえんだよな、どうせ」

 

 言いながら靴紐を確かめる昔馴染を、堤は、信じられないものを見る目でまじまじと見つめた。

 雨音はばらばらと響いていて、土砂ぶりまではいかないにしても、まず小雨ではない。

 

「純丘くん、今、目の前見えてる? 本降りなんだけど」

「最近はまともに三食食って運動して太陽もちゃんと浴びてるから、夏の雨ぐらいじゃ風邪ひかねえよ」

「化け物?」

「笑わせるなよ。毎年ワクチン打ってもインフルこじらせてるやつからすればそうかもな」

「うるさいな。傘入れてってあげようとしたのに」

「あ、まじ?」

 

 ぱっと顔を上げた純丘は明らかに目が輝いている。

 

「なら家まで送るからそのあと傘貸して」

「途端に図々しくなるね」

「濡れなくて済むならそっちのがいいよ、俺だって」

 

 音立てて開いた傘が、そのまま純丘に渡される。身長差からみた効率の問題だ。身長が低い方が傘をさすと、高い方は傘に頭が刺さる。布地が突っ張るぐらいならいいとして、なんなら骨組みが脳天に刺さる。

 

 三段の折り畳み傘は、開くと意外と大きく、純丘は大きさを確かめたのち、ちょっと傾けるようにして差した。

 

「そういやあいつら傘持ってったかな。聞いてる限り、この時間帯だと、いつもならまだまだ遊ぶ気まんまんだが……」

「……あ、私そういえばエマちゃんに天気予報の話しようと思ってたのに。忘れてた」

「俺も昨日聞いとくんだっ……いやダメだな。あんときもマジで降ると思ってなかった」

「一応寄っとく? 武蔵神社なら、そんなに歩かないでしょ」

 

 脳内で地図を開き、現在地からルートを考えて、それから純丘は首を横に振った。

 

 港区からは逆方向で、もちろん彼の今の住まいのマンションまでの距離が開くこともあるが、より遠いのは堤の居住地の方。

 純丘の昔馴染たる彼女の自宅は、現在、品川区と港区の境にある。

 

「さすがにこの傘そんな何人も入らねえだろ、てかドラケンくんなんか俺より背が高いし」

「あー、やっぱりそうなんだ。彼、立ってるだけで圧があるでしょ」

「会ったん?」

「エマちゃんの好きな子でしょ? 写真見せてくれた」

「……ほんとに仲良いな」

 

 どちらにせよ、万次郎も龍宮寺も喧嘩をこなす以上、身体はかなり丈夫な方だ。風邪をひくとしてもエマぐらいで、看病のあてはあるだろう。急務ではない。

 

 時折、車道を車が走っていく。ヘッドライトをつけて、どの車も、フロントガラスをワイパーが忙しなくも一定の間隔で拭っている。そのさまはメトロノームを彷彿とさせる。

 

 歩行者は右側へ。純丘が左側、堤が右側、傘の布地を叩く雨粒の音は、ずいぶん特徴的だ。

 傘の下でぽつぽつとたわいもない話題が浮かんでは消える。

 

 会話の最中、ふと耳を澄ませた堤に「どしたよ」純丘はさしたる関心もなく尋ねた。

 

「……救急車、鳴ってない?」

「あ? ……あーほんとだ、相変わらず耳良いな」

「逆方向かな、遠ざかってく……」

「雨だしな。どっかで交通事故かね」

 

 救急車のサイレンが聞こえたとして、人は早々、それが自分に関わりがあるとは考えない。彼らもまた例外ではない。東京都の人口密度を考えれば至極道理。

 

 少し遠くでサイレンを鳴らして、車道をひた走る救急車が、彼らにはある意味ではまるで無関係なことも、事実でこそある。

 

 八月三日のことだ。

 

 

 

 なので、純丘が事実を知ったタイミングは、さらに数日後になる。

 

「部長、そーいやケンチンのお見舞い行く?」

「……見舞い? いいけど、体調崩してたのか」

 

 道場のアルバイトから流れるように、昼食のご相伴に預かることとなり——作るのは純丘なわけだが——その片付けの最中だ。

 言葉通り、いかにもそういえば、の口振りで話を振られたのは。

 

「あドレッシング片しといて」

「うーい。体調ってか」

 

 布巾で皿の水気を拭いて食器棚に入れていく作業中、当然両手は塞がっている。

 純丘の指示に素直に応じた万次郎は、オーロラソースを片手に、冷蔵庫の扉を開ける。

 

「入院してんの。腹裂かれちゃって手術」

「えっ……なに、盲腸かなんかか?」

「いや刺された」

 

 純丘は思わず黙り込んだ。

 ぱたんと冷蔵庫の扉が閉じた。

 

 ……彼は日本国東京都生まれ東京都育ちであり、第一言語ないし母語と呼ばれる言葉も日本語だ。万次郎が今使った言葉も日本語で、声も聞き取れる音量だった。

 当然内容も正確に理解できた。

 

「……ごめん、もっかい」

 

 ただなまじ正しく理解できたからこそちょっと脳が情報を拒絶した。

 

 刺さ……なんて? 聞き間違い?

 

「だから刺された」

 

 万次郎はやはりあっけらかんと繰り返す。聞き間違いではなかったらしい。

 

 純丘の手は、食器棚の中に皿を置く場所を探す。

 ついでに脳内では言葉も探す。

 

「……痴情のもつれ?」

「ナニソレ」

「俺の知り合いに浮気を疑われて刺されたやつがいてな……まあ疑われてってか八股かけて全員本命じゃなかったらしいが」

「ケンチンがンなことするわけねーだろ」

「まあそりゃあなと思うが、周りで刺されたのってそんぐらいで、あとは刺しそうなやつしか」

「なんで? いや、てか、今回は、あー……内部抗争?」

 

 自分で言いながらも、若干首を捻る万次郎。

 一方で、ああ、と純丘は頷いた。

 

「そういえば君ら暴走族だったな」

「部長納得するのそこなん? 俺らんとこは刃物なんざ滅多に出てこねえから。ケンチンは……まあ刺されたけど」

「春樹も刺したろ」

「そーだけど」

 

 純丘榎の暴走族の基準、もっといえば不良の基準は、相変わらずS62世代が平均値として登録されたままだ。万次郎および東京卍會のメンバーとわりとよく話が噛み合わないのは、彼らの先輩諸兄の方々が原因である。

 

 いい加減認識を改めた方がいいのは純丘も薄々わかっている。

 薄々わかっているからと言って、簡単に変わらないのが人間でもある。

 

「見舞い。見舞いなあ、さすがに病院に刃物持ってっちゃダメだろ。ぶどうとか?」

「は? ぶどうは俺が食べたい」

「やかましいな〜ドラケンくんに頼んでくれ」

 

 なまじ病室の場所を覚えているので直行しそうな万次郎の首根っこを掴んで、受付での手続きを済ませる。面会証を引っ掛けてようやく病院内である程度自由に行動できるようになる——そうでなければ不審者なわけで。

 

 龍宮寺は、病室のベッドに腰掛けて、バイク雑誌をぺらぺらと眺めているところだった。

 

「お、起きてる。おはよーさん」

 

 手を挙げた純丘と「ケンチン、ぶどう半分俺のな」万次郎は、挨拶もなく傲岸に言い放つ。

 雑誌から視線を上げた龍宮寺は、その三白眼を半分に細めて、呆れをこめて万次郎を眺めた。さもありなん。

 

「ハァ、好きにしろよ。……あー、ぶどうありがとうございます」

「どーも。思ったより元気そうでなによりだ」

 

 もうちょっと寝込んでいるかと思えば、とうに起き上がってそれなりに歩き回れるレベル。

 刺されたはずだ。これでも。

 

 リハビリはできるようになったうちからできる範囲でなるだけ行うのが吉、確かに正しいがしかし回復力が高い。

 

「てか、その雑誌前号のだよな? もうボロボロだな。週刊だろ」

「入院中って暇なんすよ。薬効いてりゃ痛くもねえし、薬効いてなくても痛ェだけだし」

「思ったよりめちゃくちゃ元気でなによりだこと……」

 

 純丘は今度は、気の抜けた様子でつぶやいた。マジでちょっと裂かれた程度かよ、一応心配はしたんだが。

 

 彼は、龍宮寺が一時生死の境を彷徨っていたなど、教えられていないので、把握していない。

 なんなら死んでいた未来があったことは、それこそ、知りようもない。

 

「そんなに暇ならゲーム持ってくる? 後輩がうちに勝手に持ってきて積んでっから、良ければそっからいくつか見繕ってくるが」

「あマジすか? ンなら——」

「エ、んならマリパしよーぜマリパ」

「——イヤ。やっぱいっす」

「なんでだよ」

「てめーら絶対ゲーム理由にしてここン溜まるだろうが。病院なんだよ、俺みてェに喧嘩の弾みで入院してるやつなんてそういねえだろ」

 

 確かに、めいめいに自由に寛ぐ光景がリアルに想像できる。看護師からのお叱りや、他の入院患者からの苦情の内容まで鮮明に想像できる。

 

「……なんかお疲れ」

「俺最近大人しくしてっけど?」

 

 ベット脇、スツールの椅子をめいっぱいに傾けて、万次郎は伸びた声で言った。

 そうかな、純丘と龍宮寺は首を捻った。大人しくしているとしても当社比だろう。

 

 普段から振り回されているようでいて、実際本気でしおらしくされたらされたで調子が狂わされるのが彼らである。尋常ではない自由人と良好な付き合いが続いている時点で、ただの苦労人ではありえない。

 

 とはいえやはり万次郎は尋常ではない自由人なので、見舞いに来た名目を置いて病院内を自由に歩き回る男。

 ふらっと出て行った少年の背を見送って——見送るな——「さすがに病院を家扱いはしてないよな……?」ふと、純丘はぼそっとこぼした。

 

 家までは言わねえけどシマぐらいには思ってると思う、龍宮寺は内心つぶやいた。

 

「まあ、元気そうで良かったよ。ホント」

「ざっす。俺もさすがに肝冷えましたね。なんなら裂けたし」

「血も流れりゃ冷えるわなー。……ろくでもない冗談言えるようになってよかったなー」

「そりゃあマジで」

 

 棒読みの純丘に、龍宮寺はそこだけは真顔で同意を示した。

 ブラックジョークは、ジョークにできるうちが花だ。死んでしまえば口にすることもできない。

 

「二度はないんで」

「そうだといいな。ちなみに刺された時はナイフ抜くとさらに出血するから、刺されたままナイフを固定した方がいい」

「……アドバイスありがてえっすけど、またやらかすって思ってるだろ、部長」

「この病院自販機どこある?」

「アンタそういうとこだろ」

 

 沈黙こそが肯定とは言うが、それにしても話の変え方があまりに露骨。

 不良少年たちを純丘は大概に嘗めている。

 

 呆れの息を吐いて、龍宮寺はぴっと病室の扉を指差した。

 

「ここ左手に出て真っ直ぐ、突き当たり曲がったとこに談話室あって、そこに二台並んでるんで」

「ありがとう。ちなみにドラケンくんなに飲みてェよ」

「モンエナ」

「さすがに病院の自販機には置いてねーだろうし置いてても腹裂かれたやつに渡すもんじゃねーだろ。天然水でいいよな」

「……うーい」

 

 揃いも揃って出る杭ばかりが目立ちがちだが、龍宮寺も、純丘のことを気安さゆえに嘗めているところがある。

 明らかに反応の悪い少年に純丘はひらひらと手を振った。君もそういうとこだよ。

 

 新聞を読んでいる入院着の老人と、からからと笑い合う親子らしき横を抜けて、純丘は自動販売機の前にたどり着く。

 百円玉を二枚押し込んで、ピッと然るべきボタンを押せば、自販機はコーヒー缶をひとつと十円玉を複数枚吐き出す。それらを回収したのち、今度は百円玉を一枚。

 

 からんからんと何故か素通りして釣り銭として出てきたので、もう一度。

 

  からんからん

 

 ……もう一度。

 

  からんからん

 

「……俺嫌われてる?」

 

 大人しく挑戦し続けること累計五回。

 ようやく小銭の代わりにがたんと落ちてきた水色キャップのペットボトルに、純丘は謎に疲れた心を噛みしめた。俺やっぱ機械って苦手だわ。

 

 自販機でたまに硬貨が処理されない問題は、機械音痴であろうとそうでなかろうと、タイミング次第で平等に降ってくるトラブルである。

 

「ただい——お? はじめまして。ドラケンくんこれ水な」

 

 戻ってきた病室には新客が現れていた。

 純丘は一度会った顔はわりと覚えているタイプだ。完全に心当たりがない顔は、彼が覚えてなくても大抵相手も覚えていない。

 

「ありがとうございます部長」

「あっはじめまして」

 

 投げられたペットボトルを危なげなくキャッチした龍宮寺。新客たる少年も、その傍らで姿勢を正して会釈を返す。

 少年が腕に抱えているのはおそらく特攻服——さすがに純丘とて東京卍會の特攻服は何度か目にしたことがある——それ関連の知り合いか、と純丘は内心納得した。

 

 東京卍會がいい子ちゃんの暴走族とは、灰谷兄弟の揶揄じみた評価だ。

 ただ確かに、純丘が心当たりのある東京卍會所属の知人は、誰もが律儀に挨拶を返している印象がある。

 

「……部長?」

「あーそれ、あだ名な」

 

 ワンテンポ遅れて、ん? と首をひねった少年に、龍宮寺がさっくりと訂正を加えた。

 

「純丘榎さん。マイキーんとこによく来てて俺らも世話ンなってるけど、一応この人はカタギだよ」

「一応どころか正真正銘のカタギだが」

「この人に顔覚えてもらうとなにかと誤魔化してくれっから」

「最悪の紹介を……」

「アッ俺タケミチっていいます! 花垣武道」

「君も乗るん、」

 

 元気よく名乗った花垣武道に半笑いで返しかけて、純丘はそこで一回口を閉じた。

 表情も落ちた。

 

 ハナガキタケミチ。漢字変換はさておくとして。

 

「……もしかして噂のタケミッチ?」

「……噂!? どんな噂!? マイキーくんとか!? あっもしかしてそれともこないだの抗争の」

「いや抗争は俺は知らねえが。あー……エマが」

「エマちゃん? ——アッ」

 

 花垣がばっと青褪めた。

 抗争でないならひとつしかない、今の彼が覚えている限りでは。

 

「エマ?」

 

 龍宮寺が不思議そうに復唱した。

 

 純丘が覚えていて、思い出せたのは、完全に偶然だ。話題が話題で、タイミングがよりにもよって、そして、万次郎が口を滑らせた名前。

 

 〝タケミッチはそんなやつじゃねえよ〟

 

 純丘の身長は男性でも高い方だ。

 好青年じみた面持ちが、すんとした真顔で、花垣を俯瞰する。

 

「……あー、なるほど」

「待ってください」

「さすがにアンタのなるほどは怖ェよ」

「わかったわかった。とりあえず心に留めとくな」

「まっじで待って!? いま俺のなにをどう納得されたんですか!?」

「部長揶揄うなってマジで。タケミッチ弱ェしビビりなんすよ」

「ドラケンくん庇ってくれるのはありがたいんすけど俺今これほんとに庇われてます!?」

「ははは。じょーだん。こいつらと友達してくれてんだろ。万次郎が懐いてそうなこった」

 

 純丘は口角を引き上げて笑う。

 心底慌てていた花垣は、ようやく肩の力を抜いて「はあ、まあ……」青年を見上げる。

 

「マイキーくんとは。……そっすね、ダチって、言ってくれてます。ちょっと、たまに、よくわかんねーけど。でもすげーひとで。かっけーなって。トーマンも、そこにいるひとたちも」

「そ」

 

 純丘が一瞥すれば、龍宮寺は後頭部を掻いて、視線を逸らしたところだった。ものすごく真っ当に照れている。

 まれに、彼も十五歳らしい一面を見せる。

 

「せいぜい仲良くしてくれよ、てことで俺そろぼち帰るわ」

「アッハイ、おつかれさまです!」

「マイキーには言っとくんで」

「おー。早く治しな〜」

 

 病室右手、談話室のある方とは逆に歩くと、段差の小さな階段がある。エレベーターを待つのが面倒で階段を使うのが純丘榎。まあふつうに病人が使うべきでしょうとも、俺じゃなくてね。

 

 一段とばしに階段を踏みしめて、彼は、ちいさく繰り返した。

 

「ハナガキ。……ハナガキ、ねえ」

 

 脳裏に思い浮かぶは黒マスクの少年。独り言じみた言葉を、純丘が拾ったとは思ってもない様相。

 

 花垣武道。万次郎と親しい少年。信頼を寄せられている。

 純丘の観察の主観だが、龍宮寺にも。

 

「んー……」

 

 一階に辿り着いた。周辺に人気がないのをいいことに、階段の真下でしばし立ち止まり、純丘は唸り声を上げた。

 

 彼は、一度会った顔はわりと覚えているタイプだ。真一郎の店でぱっと見ただけの九井一も、乾青宗にも、能力は如何なく発揮されていた。

 

 花垣武道に純丘榎は会ったことがある。

 正確には、一方的に見かけたことがある。

 

 喧嘩賭博の件を連絡した際、龍宮寺から返ってきたメールは、間違いなく、初耳の反応だった。嘘をつく意味もない。

 

 花垣はあのとき、万次郎や龍宮寺に容易に連絡を取れる立場ではなかった。

 

 おそらく、今は違う。

 

「あれが先月の頭。てことは長くても一月の、短い付き合い。あー、うん、信頼……」

 

 ぐっぱーとてのひらを開閉する。

 握る。開く。握る。

 

 開く。

 

「……とりあえず、面会証返さねえと」




 ギャル文字はジェネレータを使うなど。

メール件名
:ヘルプ

メール一通目
:夏休みの宿題
 わかんなーい

メール二通目
:今日!
 ケンちゃんも来るから
 ウチも作る!

ちょっとしたバイト
:「贖いの方法」の潜入捜査
 あくまでも善意の協力ということで現金報酬はなかった
 夢主も正直ほしくなかった
 なんなら現物も要らなかった 面倒そうだし

刃物
:避けたほうが無難

病院内を自由に歩き回る
:ちなみに大病院ぐらいじゃないと屋上は立入禁止どころか存在しないこともある

モンエナ
:モンスターエナジードリンク
 二〇〇二年発売
 入院患者が飲むには推奨されない

水色キャップのペットボトル
:サントリー社発売南アルプスの天然水
 一九七〇年飲食店用に発売、普及

ハナガキ
:結論が玉突き事故
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