わずかな噛み合わせの食い違いにより、運命は差し替えられて挿げ替えられていく。
極小のズレが増幅されて膨大に進化していく。変転していく。変遷していく。
物事が同じ時間同じ場所で起こらなければ、あるいは繋がっていないようにも錯覚するだろう。
しかし実のところ、あらゆるものがどこかでは接触している。接点から影響していく。影響されていく。あらゆるひとがどこかでは関わっている。関与して変形していく。変形させていく。
世界は特定の誰かを中心には回らない。世界は特定の誰かにばかり都合よく進まない。
すべてのものごとが、過去を前提に作られて、相互に連鎖している。
「ぶ。……塾長」
「……無理に呼び名を変えろとは俺も言わねえよ?」
「ケツイメイヒョウ」
「決意表明な。まあ変えたいならそれはそれでお好きにどうぞとは思うぜ」
呼び名ひとつを変えるのだって、今までの積み重ねが阻んで意外と上手くいかなかったりする。
本人が好きで苦労してるならそっとしておくか、純丘は記憶領域の片隅にそう記した。放っておいても害はない。
慣れない呼称を使ったのは場地だ。呼んだからには呼ぶ理由がある。彼にはひとつ気になることがあった。
己用に積まれたドリルをシャーペンの頭で指して「これよォ」低く言った。
「……マジで中学の数学の範囲?」
「中学の数学の範囲だよ。半分は」
「半分違ェのかよ!?」
「君が今やってるあたりは小六の範囲」
「エッ、」
昨年頼み込んできた際にテストした結果、四則演算の後半からぼろぼろだったので、割算の計算からやり直させていた。一年間で二年分履修を終えたと考えればかなり進んでいる。
なお場地本人としては完全に初耳だ。本人にくらい伝えておけという。
固まった彼を哀れに思ったので、純丘は付け加えた。
「四分の一ぐらいは日商簿記四級の範囲」
「……ソレナニ?」
「ん〜簿記ってのが、そうだな、ざっくりいうと会社の金とかを管理するためのルール。それがちょっとわかってますよって証明できる資格」
場地はますます訝しげな顔をした。澄まし顔の純丘は一応簿記の専門学校に通っている。
「ペットショップやりたいんだろ? 起業すんなら取っとくと便利だぜ」
「……俺のアタマで取れんの?」
「ははは〜俺の教え方と君の努力とやった数と運次第」
「……ベンキョウってキツくね?」
「素質も積み重ねも物を言う分野だからそういうこともある。まあマジでできねえなら外部に委託する選択肢もあるけど、できるできないも触ってみなきゃわかんねえだろ」
純丘宅に設置されたローテーブルは楕円形で、うちゆるやかな弧の片側に場地は居座っている。教科書と参考書と純丘お手製ドリルと筆記用具を散らかしている。
純丘は急勾配の弧の片側を占拠して、テキストとノートを広げていた。テキストには【日商簿記一級問題集】と記されている。
「できねえならやめてもいーのかよ」
「できないことやり続けても嫌いになるだけだろ、俺だって音楽とかパソコンはできねえまんまだ。別に一人っきりでなんもかんも完璧にする必要はねえよ、できた方がかっこいいだろうけど」
「俺が最初っからできねえとは思わねえの」
「俺は未来見えてるわけでもないしな。君は目標があればそれに向かって頑張れるタイプだから、上手くハマれば伸びるよ」
言いながらもテーブルに置いてある時計を確認して、純丘は立ち上がった。
「一回休憩入れるか」
「おー……」
場地はその背を眺めている。シャーペンをふらふらと指で振ってもいた。
飲み込むかどうか迷った言葉は、数秒ほど考えたのち、吐き出すことにした。
「……ぶちょ、塾長さあ」
「んー」
「わざとだけどマジで本音なのがタチ悪ィよな」
「なんとでも言え」
きゅっと蛇口のハンドルを捻って、じゃばじゃばとやかんに水を注ぐ。場地はぼんやりとそのさまを眺めている。
「てか塾長だって専門そろそろそつぎょーだろ? どっか就職とかすんの? 教師とかやんねえの」
「教師になるには教職課程……教師になるための授業をやってる学校に入る必要がある。副業が緩いとこを探すのも面倒だ」
やかんをコンロに置いて、着火。そのまま火力を最大まで引き上げる。
純丘は肩の筋を押さえてぐっと伸びをした。肩が凝っている。
「それに俺は知らねえチビたちをいっぱい抱えんのは向いてねえよ」
「……塾の生徒百人ぐらいいるよな?」
「全員知ってる生徒だろ」
「……マァ塾長の勝手だけどよ」
「どうも。なんか食う?」
「せんべい」
せんべいとともに、熱湯で淹れた麦茶を持ってこられたので、場地は明らかに何か言いたげな顔をした。
なにも言わずに一口飲んだ。
己も麦茶を確保して、元の場所に腰を落ち着ける。問題集を再びもそもそと書き写しながら「そういえば——」純丘はふと話を変えた。
「君、柴八戒くんの人格に詳しい?」
「……人格?」
こいつたまに言葉選び変だよな、とは場地の感想である。口にはしない。
天板の上に両肘をついて、煎餅のパッケージを開ける。
「弐番隊の副隊長で、三ツ谷の舎弟だろ。それ以外はよくわかんねえけど。会ったんか」
「会ったのは会ったよ」
話しながらも純丘は、左手では皿に出したあられを一粒摘んだ。軽快に菓子を砕く音が響く。
「ずいぶん素直で懐っこくて愉快な子だとは思った」
「……もしかして三ツ谷と一緒んときに会ったんじゃねえの?」
「……なんでわかる?」
「あいつ三ツ谷の前だとキャラ変わる」
「松野くんタイプか……」
「だいたいそう」
前歯と右の八重歯を煎餅に突き立てて、ばきん、割って、音を立てて咀嚼する。飲み込んで、場地はパッケージの中に残ったもう一枚を手にした。二枚重ねで個包装されている煎餅は少なくない。
「……三ツ谷なァ」
含みのある言い方である。
「仲悪かったっけ?」
「悪かねーよ全然ダチでマブだワ。……ハロウィンのことキレられただけで」
「……へえ?」
純丘がここで、テキストから顔を上げた。面白がるように目を細めた男に、場地は居心地も悪く視線を逸らした。
「……なんでも話せとは言わねえけど勝手に突っ走りすぎなんだよとか」
「ご尤もだな」
「一虎は俺らも気にしてたんだからなんで独り占めしてんだとか一虎も一虎で連絡しろとか」
「友情だな」
「手紙送ればよかっただろっつったらなんでオマエの手紙届くんだよってまたキレるし」
「少年院だと、許可取らないと家族以外の手紙届かないだろ。許可自体もマジで滅多に下りない……え、逆に君手紙送れたのか? 差し戻されたり、検閲でストップされてねえの」
「フツーに返事きたけど」
少年院内の知人に手紙を送った経験者同士のくせに、お互いに困惑している。
首を捻った純丘は、まあ彼らの場合は経緯が経緯だからか? 内心ひとまずの答えを出しておく。わざわざ確認を取るようなことでもあるまい。やり取りできてなかったならさておき、実際できていたらしいし。
「あとは」
場地はそこで口をつぐんだ。
三ツ谷が場地に〝キレ散らかした〟のは、場地が自分のコンディションを自覚して、東京卍會の引退を伝えた直後の話である。諭すでもなく、叱るでもなく、怒るというよりもキレていた。
三ツ谷がそのように振る舞うのは珍しい。たいてい、仲間内における説教のポジションは龍宮寺が担当する。立場の問題があるからだ。
対等な友達として怒っていた。だから場地は甘んじて受け入れた。
〝場地さあ、稀咲のこと殺ろうと思ってたろ〟
見物半分の灰谷兄弟にすら気取られるなら、友人が気づくのは道理である。
〝アイツはめっちゃ怪しい、俺もぶっちゃけ思ってる。オマエが
〝あんな野郎に思うことなんざ半分もねーよ〟
〝半分未満はあったんじゃん〟
揚げ足を取って、そのとき、三ツ谷は溜息をついた。
〝……
場地は、これには答えなかった。
答えなかったが、答えない事実そのものが、ある種の答えでもあった。
〝これからはああいうの、やめろよ〟
〝実際なったらやんだろ。オマエだって〟
〝あー。うん。俺もやりそうだなってのは思う。だからっつうか〟
場地の反駁を三ツ谷も否定しなかった。むしろ、ゆえにこそ危惧を忍ばせた物言いだった。
場地にも、三ツ谷がなにかを真剣に危ぶんでいることは、汲み取れた。
〝俺ら、ダチのためならたぶん人も殺せんだなって。だからオマエは稀咲をブン殴ったし。……マイキーは一虎を殺しかけた〟
稀咲は場地の一撃を受けても、なんなら場地よりも健在だ。万次郎は現場にいた複数人の協力により食い止められた。
すべては奇跡的な均衡の上で実現した。悲劇はわずかに逸れて停止した。
同時に、十二分に有り得た、というただの事実を提示した。
悲劇のその先の可能性が脳裏をちらついた。
〝たぶん、俺らだけだったら、アレって止めらんなかったよ〟
急に黙り込んだ場地を、純丘は特にコメントもなく眺めている。
なにか言われたんだろうなくらいは予想はつくが、なにを言われたのかは知らない。彼らの個人的な会話を無遠慮に掘り下げるつもりもない。
「……やっぱいいわ」
「……いやはや、君は本当に愛されてるよな」
「たまになんで気味わりー言い方すんの?」
「気味わりーとは失礼だな。……本当に失礼だな」
真顔になった純丘に「ていうか」場地は話題を切り替えた。三ツ谷隆という名前でついでに連想されることがある。
場地は友達思いなので、友達が困っていたら原因に忠告することもやぶさかではない。
「塾長、また最近なんかしたのかよ?」
「なんかって。……またって」
「三ツ谷がガチでヒいてたぜ。俺が言うのもナンだけどよォ、俺とかマイキーレベルまで慣れてねえんだからもうちょい猫被ってやれよ」
「よしんばそうだとして君らが振り回してる量のほうが絶対大きいからな。絶対」
万次郎や場地が仕方なく許容している……みたいな言い方をされると純丘としては甚だ不服である。君らの方がとんでもないだろと強く主張していきたいポイント。
残念ながら、振り回し度瞬間風速で論じるならどっこいどっこいだ。
「……というか三ツ谷くんって、もしかして、あれか!? 俺が処理したかもしれないが引かれるような事態になったのは俺のせいじゃないぜ!?」
「あれがどれだか知らねえけど心当たりあるんじゃねえか」
「心当たりはありますね」
純丘は年下の知人たちに思いきり嘗められているし、理解できない生物判定されているので、年イチくらいの頻度でサクッと濡れ衣を着せられる。
火のないところに煙は立たないを体現しており、八割の確率で純丘もいまいち否定しきれないので、濡れ衣は着せられたままに終わる。
日頃の行いって大事なんですね。
機縁が奇縁の立脚点
ところで純丘はわりとライトに人付き合いを行えるタイプだ。知り合ったら気軽に声をかけていくし、そこそこ世間話を弾ませる。そのスキルがある。
それゆえに——つまり、己の能力を意図を以て用いるだけで、本人ないし周囲から容易に引き出せるからこそ——特別な事由もなく、他者の人となりを尋ねて回ることはない。
「こんにちは、八戒くん」
ならば何故場地に人格について尋ねたかって、そりゃあ当然ながら特別な事由があったからだ。
純丘と八戒はこれが二度目まして。朗らかな挨拶に「……こんちは、」一方で八戒は、端正な面持ちに緊張を滲ませている。
集合時間より五分早めの時刻を狙って、狙い通りに訪れたはずだが、八戒はずいぶん前には着いていたらしい。とうに底に氷を残すのみとなったグラスを一瞥して、純丘は向かいの椅子を引いた。
「ちょっと待たせたみたいだな、なんか追加で頼む? 払うよ」
「エじゃあ……クリームコーヒー飲みてェかも」
「了解。あ、すみませんすみません、アイスティーのストレートとクリームコーヒー、あとエッグサンドください。八戒くん食べ物とかはいいかんじ?」
「このハンバーガーみたいなのいっこ」
「アイスストレートティーひとつ、クリームコーヒーひとつ、エッグサンドひとつ、ドミグラスバーガーひとつですね。ご注文は以上でよろしいでしょうか」
「大丈夫です」
新しいお冷とスマイルの気配を残して店員はメニュー表とともに下がる。氷をつがれたグラスを指でなんとなくなぞって、純丘はつぶやいた。
「それで。……話ってのは?」
八戒の動作が明確にこわばった。グラスを掴み損ねたてのひらに純丘は頭を傾げる。一回気を抜かせたのは逆効果だったかもなあ、と、心の中でつぶやいた。
決めていた覚悟を一旦挫いたかたちになった、かもしれない。
付き合いが短過ぎるので純丘がその真実を判別する手段はない。なにしろ本当に二度目ましてである。
正確には、ハロウィンの抗争をカウントするなら三度目だが、あれはあれで呑気に世間話をしている余裕もなかった。
「君が俺をどれだけ知ってるのか、俺はちょっと詳しくないんだよな。だから、なんで話し相手に選ばれたのか、俺には見当もつかない。話し相手に選んでくれたのは嬉しいよ」
付き合いが短いというのは、もちろん、八戒の側も純丘榎を知らないということだ。わざわざ連絡先を入手し、一対一を指定して約束を取り付けた——手間がかかっている。
それだけのコストを割くだけの根拠が、いったいどこにあったのか、絞り込むには情報が足りない。
八戒は、何度か口を開閉した。躊躇って、口を開いて、もう一度閉じた。
純丘はこの間に届いたアイスティーを啜って、少し考えてからガムシロップを入れた。
「タカちゃんが、めっちゃカッケェんだけど」
「三ツ谷くんか」
「ウン。妹に手ェ上げんなんて絶対ねえし、家族のために体張って頑張ってっし、難しいこともちょちょいってやっちまうし、それ全部えばんねえで、理想の兄貴で、俺、タカちゃんみてェになりてえの」
「へえ、三ツ谷くんはしっかりしてるなと俺も思うよ」
「そうなんだよ! そんで、タカちゃんが、部長くんのこと褒めてた」
八戒が〝タカちゃん〟を語るときは、どこか幼い顔つきをしている。憧れであり目標、本心からの言葉だろう。
純丘は相槌を打ちながらも、ストローでアイスティーを軽くかき混ぜた。行儀としてはマイナスを突っ切っている。
「ずる賢くて、変なこといっぱい知ってっから、俺らが思いつかないことぽんぽんやるって」
「……アリガト〜」
それは本当に褒められていたのか? 純丘は訝しんだ。
なまじ場地と三ツ谷が交わしたであろう会話を踏まえると、三ツ谷の苦情を八戒が好意的に受け取っているだけの可能性が高い。
「タカちゃんがさ」
「うん」
「部長くんは嘘がわかるっつってたんだけど」
「……んー。そうだな。ぜんぶわかるとは言わないが、わかることはひとより多いんじゃないか」
「口が固ェってのも」
「言いふらす趣味はないよ」
「……。マジなときに嘘つかねえってのも」
「まァ真剣な話で嘘つけるほど器用じゃねえよ。嘘つかねえのが必ずしもいいとも言えんが」
そのタイミングでエッグサンドとバーガーが届いたので、純丘はサンドをひとくちかじった。いつも美味しいサンドイッチだが今日はどうにも味がしない。
八戒は眼前に置かれた巨大なバーガーと見つめ合っている。
「……イザナくんから俺の話とか聞いてる?」
「……君の? ううん、覚えている限りでは、話題に出たことはないな……知り合いか?」
「知り合い。つか。こないだ、話した。っつか」
「それだと、俺と黒川くんはそんな頻繁にやり取りする仲じゃねえからってのもあるかも。ハロウィンでも会話すらしてねえし」
イザナと共通の話題は、灰谷兄弟と、佐野家のことしかない。純丘は純丘でいいよなあ血縁を素晴らしいものと思えるのは、なんてやさぐれた考えを持っていて、イザナとは本来壊滅的に思想が合わない。
不定期に短時間顔を合わせるならさておき、万が一にでも長いこと時間を共にする場合、お互い嫌いになるだけで済むならまだいい方だ。
「次会ったときにでも聞いておこうか」
「ッいや! ……大丈夫、大したことじゃねえから」
純丘は一呼吸置いてから「りょーかい」とぼけたように肩をすくめてみせた。
「ところでバーガー食べねえなら俺が貰おうか」
「食べる食う食う」
純丘榎はどちらかといえば世話焼きで、お節介な方だ。同時に、線引きや領分を気にする方だ。
八戒が何事かを飲み込んだのをなんとなく読み取った。おそらく本題が切り出されなかったことを察した。踏ん切りはつかなかったようだ。
それを尋ねるか、どうか、迷って、純丘は結局やめた。
繰り返すが、純丘と八戒はまだ二度目ましてであり、お互いの情報は知人との会話でちょこちょこ耳に挟んでいるが、それだけの間接的な情報しか知らない。
人となりを知らない人間の事情に、同じく人となりを知られていない人間が、いったいどこまで踏み込むのが適切かという話である。
妹に手を上げない。家族のために身体を張って頑張れる。難しいことも当然のようにやってのける。それらを威張ることがない。理想の、兄。
八戒が、三ツ谷のすごいところとして上げたポイント群だ。彼は三ツ谷のようになりたいと述べる——純丘はここでひとつだけ疑問を抱いたが、それも、口には出さなかった。
憧憬とはどのような感情から生まれるだろうか。
たとえば多くの辞典には、理想とする物事や人物に心惹かれるさまを指して【憧れる】と定義している。
理想——転じて、現時点において、本人の自認では実現していない事柄、と捉えることもできる。目標と言い換えてもいい。
ああなりたい。
八戒の言い回しは、まるで、自らの現状はそうではないと言うようでもあった。純丘はそのような思考がちらと脳裏をよぎった。
穿ち過ぎた憶測を、それもほとんど交流のない少年の前で軽率にも発言できるほど、純丘は自らの思考を信用していない。
「……」
帰路である。
日が落ちるのも早くなった。冬至まで残り一ヶ月ほど。
細く薄暗い路地を街灯が照らしていて、純丘は速足に自宅へと急いでいる。いつまでも寒い外に居続けたくはない。
マフラーに顔をうずめて息を吐く。白く周囲がかすかに曇る。冷え込みゆく季節だ。東京都港区は日本の太平洋側にあるからして、冬は季節風の影響により、乾燥しやすい。空気も静かに乾いていく。
純丘榎のリソースには限りがある。確信もなく、況してや知り合ったばかりのほぼ他人のために、心を砕くだけの余裕はない。
彼はその取捨選択ができる。切り捨てなければならないものを適切に切り捨てることができる。無視しなければならないものを無視することができる。
同時に純丘榎は知己曰く養殖のクズだ。なにもかもに無情にはなれない。なりきれない。
引っかかった物事を、たとえ切り捨てて、無視できても、決して忘れることはできない。
「さみー……」
日商簿記四級
:2017年4月から名称が初級に改正された
ドミグラスバーガー
:コメダ珈琲
自らの現状はそうではない
:容赦もない兄であったり
姉に守られるしかない己だったり