歌姫の騎士【IF&EXルート編】   作:清涼みかん

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※ネタバレ要素がありますので、本編及びフィルムレッドを見てない人はブラウザバックをオススメします。

※オリ主『女の子』バージョンで時飛ばし使ってます。そこんとこを理解して上で呼んでください(切実)


【IFルート】ヤンデレウタちゃん編
【if】傍にいる者、愛す者


「ねぇ、一緒に寝ていいかな?」

 

「いいよ?ほら、こっちこっち」

 

ベッドに寝転びながらフェリは私が寝れるように奥へと詰めてくれた。何度も一緒に寝ているので、そこまで緊張感はないが毎回少し気分がふわふわする。

 

フェリがエレジアに留まってから3年が経った。最初の頃は新しい生活に慣れるので手一杯だったが、今はこうして仲良く一緒のベッドで寝るほどの仲になっていた。

 

ベッドに入り込むと、私を抱き込むようにしてフェリが頭を撫でてくれる。

 

「怖い夢でも見たの?」

 

「ちょっとね。でも、撫でてもらうほど怖いのじゃなかったから……」

 

「いいのいいの、今は甘えときなさい。こうした方が安心していい睡眠が取れるんだよ?」

 

「もう、またお姉さんぶって…。フェリと私って同い年なんだよ?」

 

「怖がってる子に歳も何も関係ありませーん。今はなされるがまま眠りなさい」

 

そう言うと少しだけギュッと包んでくれる腕の力が強くなった。顔の近くで色々と育った柔らかいものが当たっている……私、同い年なのに…。

 

顔には出していないが、成長の差を見せつけられて落ち込んでしまう。だが、そんなことを考えているとだんだんと眠気が私を襲ってきた。

 

人肌に包まれる温かさが心地よすぎるせいでもあり、最近寝つきが良くなくて寝れなかったせいでもう意識が微睡み始めていた。

 

「ねぇ、フェリ…」

 

「ん?どうしたの?」

 

私が最近寝れなかった理由。それは“居なくなる夢”、ルフィがシャンクスがゴードンが、そしてフェリが私の傍から離れていく夢をここ数日間見てしまう。

 

恨み言とか罵倒とか、そういう“私を傷つける”ような言葉は一切ない。何も言わずに背を向けて私の元から去っていく。

 

私は動けなかった。手を伸ばして引き留めようとするが、その手はすり抜けて空振りに終わる。

 

そこからは何も無い空間でずっと1人。何で私を捨てたのかを蹲って考えているしかできなかった。そこで現実へと引き戻されて目が覚める。

 

悪夢だ。罵詈雑言を言われて理由がはっきりするよりも、相手が何を思って私を捨てたのかを知る事のできない方が辛かった。

 

1度この夢を見てしまえばまたあの夢を見てしまう。胸の中をぐちゃぐちゃに潰されるような感覚で目覚めるのが嫌で、本能が寝るのを拒む。そのサイクルが続いて寝不足なった。

 

だから、安心出来る言葉を1番近くに居てくれる人に問いかける。

 

「私の前から居なくならないよね……?」

 

「……」

 

私の目にはうっすら涙が浮かんでいるかもしれない。フェリの胸に顔を埋める。この顔を見られるのは嫌だ、心優しいフェリのことだから絶対に心配してしまう。

 

目の前が見えない中、答えを待っていると急に顔を持ち上げられてフェリと目が合う。

 

「やっ…。み、見ないで…」

 

「ねぇ、ウタって私の事嫌い?」

 

「ッ!?嫌いなわけない!嫌いになるはずがないよ!こんなに優しいフェリを嫌いになるなんてッ!」

 

「だったらさ、私も同じだよ」

 

ゆっくりと落ち着かせるように背中と頭を撫でながら、優しい声で答えてくれる。

 

「私もウタのことは好きだよ。優しいし、明るいし…ちょっと意地っ張りなところはあるけど努力家で強い決断ができる。そんな子を好きにならない理由なんてないじゃん」

 

「ふ、ふぇり…」

 

「そんな泣きそうな顔しないで。私はウタを見捨てない。ずっと傍で守ってあげるから、今はゆっくりと寝なさい」

 

「うん…」

 

安心したらどっと流れ込んでくるように夢の中へと落ちていった。その日以降、私が怖い夢を見ることはなくなったが、フェリと一緒に寝るのは止められなかった。

 

私が1番安心して身を預けられる場所。心の底が熱くなってふわふわする感覚を感じる度に幸せな夢を見る。

 

私にとってフェリはそれくらい大切な人。

 

______________________

 

「ねぇ、今日は一緒に寝ていいよね?」

 

「え、あっ、うん。別にいいけど、シャンクスさん達と居なくていいの?」

 

少しイラついた様子の私に、船首の近くで風に当たって一休みしていたフェリは空のジョッキを片手に戸惑っていた。

 

エレジアを出航して、シャンクスを探す旅を終えた私たちは1ヶ月ほど赤髪海賊団の船に乗っている。

 

理由は2つ、まずはエレジアに戻ることと、世界を見て回って皆の心に響く歌を作り上げること。この目的のために乗船したはいいものの…。

 

「いいのよシャンクスのことは。これからはちゃんと父として会えるわけだし、それにちょっと感極まって親バカになっちゃってるから、ベンさんが「あっちいってろ」って」

 

「あはは、確かにシャンクスさんってウタのことになったら過保護だよね!」

 

「全く…1ヶ月も一緒にいるんだから少しは慣れなさいよね」

 

シャンクスは私……いや、私・た・ち・に随分と過保護になっていた。12年前は普通の親子みたいな感じだったのに、今はちょっとした事だけで親バカになるほどの心配性になっていた。

 

さらに酒が入るともっと悪くなる。いわゆるダル絡みだ。そんなシャンクスをベンさんが相手にしている間に私はその場から離脱、フェリを探して船首まで歩いてきたのだ。

 

「まぁまぁ、シャンクスさんもウタのことを心配してくれてるだけだし。それは赤髪海賊団のみんなも一緒でしょ?」

 

「それはまぁ…そうなんだけどさ…」

 

エレジアでの1件を心配に思っていた赤髪海賊団の皆も心配してくれた。シャンクスほどではないが、ちょくちょく『大丈夫かな?』的な視線を感じるので、私としても少しむず痒いものがある。

 

「シャンクスや皆もフェリのことを可愛がるし…」

 

「あれれ?嫉妬?ウタちゃんが嫉妬ですか!?」

 

おちょくってくるように笑っているフェリ。いつもと雰囲気が少し違うのは酒が入っているからかもしれない。島に着いた際、上等な酒が手に入ったのでせっかくならと宴をすることになった。

 

なぜ海賊はことある事に宴をしたがるのだろうか…。まぁそれはさておき。

 

フェリは『私が可愛がられてるのに嫉妬してるんだ?ぷぷぷ』みたいにおちょくって、私の恥ずかしがる姿を予想してからかっているつもりなのかもしれないけど、そ・う・じ・ゃ・な・い・ん・だ・よ・。

 

「うん、今すっごく嫉妬してるかも」

 

「あれ?認めちゃうんだ?やっぱり私がみんなに可愛がられるのが…!」

 

「嫉妬してるよ?皆に」

 

「ん?」

 

自分との考えていることが何か違うとフェリは感じたが、酒の入った状態では頭が回らず「そうなんだ〜」と何となくの返事を返してきた。

 

「私もう眠いしさ?ほら、早く部屋に行こうよ」

 

「えっ、もう?まだ寝るには早いんじゃあ」

 

「私が寝たいの。いいでしょ?」

 

「それなら…まぁいっか」

 

少し足元がおぼつかない様子だったが、私が支えてあげると私の部屋まで運んであげる。ベッドに寝かせれば「うにゅ…」と可愛い声が聞こえる。

 

「ん〜…ほらウタ、ギューってしてあげ…」

 

いつものように抱いてあげようかとフェリが手を広げていると、ドサッとウタが寝転がったのはフェリの上だった。

 

「ウ、ウタ?なんで私の上に…」

 

「ねぇ」

 

聞いたことの無い声色にフェリは酔いが覚めた。あんなにキラキラ輝いているウタの瞳はどこまでも深く暗く色に染っている。ハイライトが逃走していた。

 

「フェリってさ、シャンクス達のことどう思ってるの?」

 

「何って……優しいお兄さん達?みたいな」

 

「そう、ならルフィは?」

 

「手がかかる弟みたいな感じかな。……ねぇ、ウタが心配してるのって私がシャンクスさん達を取っちゃわないかってこと?大丈夫だよ?私はそんな気なんてこれっぽっちも……」

 

カシャン…

 

と、鉄のはまる音が静かに聞こえると同時にフェリの体から力が一気に抜けた。違和感の方を向くと、付けられていたのは石で出来たブレスレットだった。

 

「な、に……これぇ……」

 

「海楼石で作ったブレスレット。特注だから開ける方法は私しか知らないけどね♡」

 

「う、うたぁ……?」

 

微笑みながら優しく説明してくれるウタに恐怖の目線を向けるフェリ。しかし、それはウタの気分を良くするものでしか無かった。

 

「フェリが悪いんだよ?最近私を避けるから」

 

「それは……しゃんくすさんたちとのじかんを…」

 

「そのせいで私を避けるの???そんなのいくらでもあるんだからいらないのに」

 

しゅんとウタの髪の毛が下に下がるが、「まっ、いっか」と切り替えればウタはフェリの両手首を抑えると、頭の上で抵抗できないように押さえつけた。

 

「フェリは私だけを見ていればいいんだよ?これからずっとずっとずーーーーっと一緒に過ごしていくのが楽しみで仕方ないよ!でもね?私が怒ってる理由がわからない子には“お仕置”が必要かな?」

 

「ぅ、ぁ……」

 

ウタの顔がフェリの顔に近づくと軽く触れ合うようなキスをする。顔が離れるとにこやかな笑みを浮かべるウタが怖くて仕方ない。目の端から涙が出ているがそんなを気にしている場合ではなかった。

 

「ねぇ、フェリ。昔、私にこういったよね?『ずっと傍で守ってあげる』って、私をこんな言葉で捉えて引きずり込んだのはフェリなんだよ?だからさ、せ・き・に・ん♡取ってくれないと割に合わないなぁ」

 

あんなに嬉しそうにしてるのに目だけが光を失っていた。もはやフェリに抵抗する程の気力は残っていなかった。あとは朝日が登るまで“お仕置”が続いた。

 

声は出るが外の人達には絶対に聞こえない。医療用として使用するキノコを混ぜて、ぐっすり深い夢の中に入ってもらっているからだ。だから心置き無くウタはフェリ愛しの人を愛し続けた。

 

離したくない、誰にも渡したくない私だけのフェリ…。もっと早くこうしていればよかった……フェリがこんなに“攻める”とただの子猫になるなんて思ってもみなかった♡

 

もう逃げ道はないよ?ずっと私といようね。

 

私の大切な人♡♡♡




自分でもねぇ、結構やべぇの作っちまった自覚はあるんです……はい……。とりあえず、抑えられない想像が爆発してこんなのを作っちゃいました。

今度は本編のやつを更新するんでよろしく。とりあえず、ヤンデレウタちゃんがこんな感じだということを肌感じてください。(これからのifルートも大体こんな感じになるかもです)
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