「おぉ!次はあそこ行ってみよ!」
「ははは、いつまでたってもお転婆だな!ウタは!」
「そうですねぇ…あははは……」
私たちは今、とある島にて買い物をしていた。真ん中がウタで、その両サイドには私とシャンクスさんが挟むような形で腕を組んでいた。
正直あの宴の件があって以来、私はどうにもウタに対する対応がぎこちなくなってきている。今のところ赤髪海賊団の人は何も言ってこないけど、これが続けば必ずどこかでわけを聞いてくるはずだ。
でもどう説明しろと?『お宅の娘さんに海楼石のブレスレットをつけられて、一晩中可愛がられました』とストレートに言えるわけが無い。
今は楽しそうに歩いてるウタもひとたび攻める側になると…………ッ///もうあの時のことは忘れよう。じゃないとこっちの身が持たない。
まぁ、こうしている分には普通だ。私に重い愛を向けてこないし、シャンクスや赤髪海賊団の人達にもちゃんと甘えている。そう、一時の過ちと考えればまだ何とか…なるかな?
そうだよ!幼馴染のルフィくんをくっつければいいんだよ!私、ナイス名案!仲間の人たちから彼は鈍感とか聞いてるけど、幼馴染なら少しくらいは対応が違うよね?
二人がくっつく→ウタとルフィくんは幸せ→私はその様子を微笑ましく見ている→シャンクスさんも友達のルフィくんなら許してくれるはず。完璧な流れじゃないか!
そうと決まればどうくっつけようかなぁ。と悩んでいると、ウタが何かを思い出したかのように「あっ」と言った。
「そういえばホンゴウさんからおつかい頼まれてたの忘れてた」
「ホンゴウから?昨日の内に必要なもんは補充したのに?」
「単に補充忘れだって、そこの店で買ってくるからちょっと待ってて!」
店の中へと走り去っていくウタを見送ると、シャンクスさんは退屈にならないよう私に話しかけてきた。
「随分と好かれているようだな!ウタに」
「えぇ…まぁそうなんですけどね」
「どうした?嬉しくないのか?」
「嬉しいは嬉しいんですけど、懐かれすぎても困るじゃないですか。私たち女の子だし」
「そんなに気にすることか?」と能天気にシャンクスさんは答えてくれる。あの体験する前だったら「それもそうですね」と返してたかもしれないけど、今はそう簡単に口にはできない。
「おまたせ……ってどうしたの?」
「ただ世間話してただけだ。気にするほどの事じゃない」
「そっか、じゃあ船に帰ろ!」
また腕を組んで私たちはレッドフォース号に戻った。その日は特に何も無かったが、シャンクスさんたちはいつも通りに酒を飲んでいた。やっぱり海の男たちは酒が好きなのかもしれない。
私も完全に酔わない程度で飲んでいる。『飲んでも呑まれるな』ということわざをこの前の宴で嫌という程身に染みた私は潰れないよう量を調整して飲んでいる。
ちびちびと端で騒いでいるシャンクスさんたちを見ながらお酒を飲んでいた。すると、ウタが手に何かを持ってこちらに近づいてきた。
「フェリ、これいる?私の手作りなんだけど…」
「ウタの手作り!?も、もちろん大切にいただくよ!」
「あはは!そんなにかしこまらなくたっていいのに!」
ウタは持ってきた1枚の皿を手渡してきた。横に広い白の皿の中にはスープが入っていた。見た目的にコーンスープかと思ったが、香りが違う。
「これは?」
「じゃがいもスープだって、ルゥが言うには『最初はこれくらいでいい』だって……でも一生懸命作ったからちゃんと味わって食べてね」
「うん、いただくよ」
スプーンでひとすくいして口の中に運ぶと、確かにじゃがいもの味だったが塩コショウで味付けしているためかなり美味しかった。普通のスープのようにサラサラではなく、ほどよくドロッとする感触が舌鼓を打つ。
「美味しい!」
「ほんと!よかったぁ!」
ぴょんぴょんとウタの髪の毛が動いている。こう喜んでくれるとこっちも何かしてあげたくなるな。まぁ、また今度私の手料理でも振舞ってあげようかな。
「お〜い、そろそろ片付けるぞぉ!」
「「は〜い!」」
_______________________
あの後、酔いつぶれたシャンクスさんたちを部屋へ送ったり、甲板にあるジョッキやら皿を回収するのを手伝ったりとなかなか忙しかったが、半刻くらいで終わらせることが出来た。
そろそろ深夜に近づいてきているので、最近忙しかったこともありみんながみんな目をこすっていた。私はまだ余裕がある方だったが、明日のことも考えて早めにベッドに入った。
だが……
「ハァッ!ハァッ!なんか…からだがあつい?」
原因不明の発熱に悩まされていた。最近は体調管理とかに気を配っていたし、今も体がだるいとかの症状は無い。むしろ逆に体が暑くなって発散したいっていう感覚だった。
(おなかのしたあたりがぁ……くるしい、んっ!!)
寝間着をめくってお腹を辺りを触ってみると、ゾワゾワとした言葉にしづらい感覚が身体中を駆け巡るような衝撃が私を襲う。
(なんか…ちがうぅ…ッ!)
このままでは不味いと思い、ホンゴウさんにでも相談しに行こうと考えた。しかし、外で誰かが歩いているのを確認すると、もう少し耐えてからにしようと考えていたが……
コンコン
(このたいみんぐでぇ!?)
とりあえず、寝たフリをするように布団を被った。誰が尋ねてきたのかは分からないが、相手が寝ていると分かればここから離れるはずだ。と、思っていたのに……
ガチャ
(えっ!?はいってきた!?)
予想を裏切るようにして扉を開けられた。布団の中ですっぽり埋まるように丸まっているので、この姿は見られていないが息を殺すのにも限界というものがある。
(はやくどこかいってぇ……)
祈るように体の異変と戦っていると、私の被っていた布団が勢いよくめくられた。驚きのあまり丸まったまま動かなかったが、一向に何も言わない相手を不思議に思って顔を上げると……
「う、うた…」
「こんばんわ、フェリ」
相手の正体がウタだと分かると、私の顔は少し青くなっているかもしれない。夜にしかもこんな状態の私に遠慮なく迫ってくるということは……
「これは、うたが…?」
「そうだよ!ねぇねぇ、どんな気分?教えてほしいって言っても、その状態だと言うまでもなさそうだね♪」
ウキウキと言った様子で訪ねてくるウタ。多分、仕掛けたのはあのスープだ。普通の料理に見立てて何かを仕込んだはず。
「なにを、いれたの?」
「あのスープの中に2つ薬を入れただけだよ?『相手が強制的に発情する&刺激が快感に変わる薬』と『効果が半永久的に続く&思考妨害効果付きの薬』」
案の定、中々にやばいネームの薬を使っていた。前者はこの状況を見るに予想はついていたが、後者の薬の効果はよく分からなかった。
だが、原因が薬だと分かれば対処は可能なはず。まずはウタ押しのけて部屋から出ないといけない。
「どいて、うた。ほんごうさんのところにいく!」
「じゃあ力任せに行ってみたら?出来ないと思うけど♪」
「ッ……」
グッと力を入れてウタの肩を押しのけるつもりだったが、何故かウタはビクともしなかった。何度も力を入れて押してみるけど、結果は変わらない。
「どうして……!?」
「言ったでしょ?『思考阻害効果付き』だって」
ま、まさか。自分の脳が力を出していると錯覚させる薬!?じゃあ今の私はウタにすら勝てない非力の子になっているって訳!?
「理解出来たかな?」
「あっ……」
今度は私が肩を押されてベッドに押し倒された。立ち上がろうとするも体の力が抜けているため、軽くウタに体を押えられるだけで動けなくなってしまった。
「うぅぅぅ……」
「あはっ!今のフェリすっごく可愛いよ♡ご褒美に撫でてあげる♡」
「ぇ、ぁ……ああぁぁぁ♡」
ウタが私のお腹をゆっくりと撫でるように触ると、身体中が跳ねるような快感に襲われる。自分で触っていた時よりも数倍の衝撃に色っぽい声が漏れてしまう。
「この薬はね。『相手が苦手にしている刺激だと効果が上がる』んだって!フェリってさ?くすぐられたり、優しく触られるの苦手だったよね?」
「ひっぐぅ……うあっ♡」
「いい声だよ。ゾクゾクしちゃう♡」
ウタはゆっくり上の方へ滑らせるように指を持っていく。その度に感じる刺さるような感覚に私の体は何度も跳ねた。
「ここ、触ったらどうなるのかなぁ♪」
「ぃゃ……」
「ダーメ♡」
軽く片手を落とすようにウタは私の胸を触ってきた。その瞬間に襲ってきた快感は今までの奴よりも数倍、いや数十倍もの威力があった。
「ッ〜〜〜〜〜〜〜♡♡♡♡」
もはや上か下かも分からないほど、私の頭の中身はぐちゃぐちゃになっていた。許容をはるかに超える刺激に私の体は自動的に意識を遮断させた。
のだが…
「ひぎゅ!!?ぁっ、えっ……」
「あっ、起きた?」
何故か強制的に起きていた。既に回らなくなった頭で考えようとするが、すぐにさっきの感覚を思い出して思考が霧散してしまった。
「ごめんね、フェリ。材料の調合をミスちゃって『50回イカない』とその状態が続くようになっちゃった」
「ご、ごじゅ……」
絶望的な回数に私は放心してしまった。たった1回であれほどの衝撃なのだ。これをあと49回?と考えるだけで怖くなってくる。しかし、体はそれに反するように敏感になっている。
「でも、まぁ。ちょっとくらい長くなってもいいよね?夜はまだまだこれからだし」
「まっ、まっへ……わたししんじゃう……」
「大丈夫大丈夫!さっきは一気にやっちゃったからダメだったんだよ。今からはじっくり時間をかけて段々とイカせてあげる♡」
「ぁぅ、ぁ……」
ポスッと私の上に股がったウタの表情は恍惚だった。でも、目の色が暗かった。嫉妬することや怒ることなんて何も無かったはずだ。だけど、一つだけ分かる、『私は今からめちゃくちゃにされるんだ』って。
私たちの行為は翌朝までに及んだ。その間私は何度もウタの手でイカされ気絶したが、次の瞬間にはまた目覚めて再開。頭がおかしくなりそうだった。
全部が終わった瞬間に私は泥のように眠った。体力の底のそこまで使い果たした私ができることは何もない。ただただ、眠って体力を回復させることしか出来なかった。
「すぅ……すぅ……」
「可愛い♪」
フェリが眠る隣でウタも一緒に横になってフェリの頭を撫でる。こうなるのも彼女の計算通りだった。
最近、あの出来事以来フェリの対応はぎこちなかった。それもこれも突然に愛を伝えたからに違いないと思ったウタは『なら何度も愛を伝えればいいのでは?』という発想に至った。
そこからの行動は早かった。とある商人に2つの薬と数点の道具を依頼、その後はお出かけを装ってその商品を受け取りに行くだけだった。
今回使った薬は液体状だったので、手作りのスープなどに混ぜれば難なく相手に飲ませることが出来る。
ここで予想外だったのが服用量だった。通常ならば数滴垂らすだけで効果を発動することは出来たものの、ウタはそれを全部投入してしまった。
おかげで効果が暴走し、ここまでフェリをいじめないといけない事態に発展してしまった。いじめる分にはいいが、それで嫌われて知ったら本末転倒である。
(でも、なんだかんだ言いながら許してくれるんだよね。ほんと優しい)
面倒見が良く、優しくそしてカッコイイ。そんな彼女に惚れてしまったらもうこの身は完全にハマってしまっている。そこには抜け出せない欲望と嫉妬がグルグルと渦巻いていた。
(絶対に私のモノにしてみせるからね♡)
眠っているフェリのおでこにキスをする。これはウタなりのマーキング、絶対に逃がさないという意志の表れでもあった。
えっとですね……勢いで書きました。後悔も反省もありません。脳内でこの構図が浮かんだ瞬間、『ダメ』と分かっていながらも筆が止まりませんでした。
お楽しみ頂けたら幸いです。アンケートを鑑みて、今回は前の続きの物語として書きましたが、ネタがなくなったらショートストーリーの方もあげていきます。そこのところご理解お願いします。
(ちなみに裏設定)
今回ウタが利用した商人
フヨフヨの実 (状態付与人間)
:あらゆる状態を全てのものに付与することが出来る悪魔の実、戦闘能力は皆無だが、商品作成やサポートにおける効果は絶大である。
フヨフヨの実を使った商売が中々軌道に乗らず、困っていたところをウタが依頼。初めての大量依頼だったのでめちゃくちゃ張り切った。
その後、ウタのレビュー配信によってその噂は各地へと広まり瞬く間に引く手数多の商人となる。
今でも自分のことを広めてくれた神でもあるお得意様のウタの依頼は最優先で行っている模様。
(今回購入したもの)
『相手が強制的に発情する&刺激が快感に変わる薬』
『効果が半永久的に続く&思考妨害効果付きの薬』
『一部屋分の音を完全に防音することの出来る御札』
『意識がこっちに向かないようになる御札』(扉専用)
『大量の回復剤と活性化剤』(主に私用とフェリ用)
『味の変化を消すことの出来る水』
以上
こうしてみると結構チートっすよね『フヨフヨの実』、今後登場するかは分かりません。あくまでこういう設定があるということだけは覚えておいてください