異世界魔女の配信生活   作:龍翠

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久しぶりの安価

 二つ目の魔法は、生命のある惑星から師匠の魔力を探す魔法。これはそのままだね。

 

『てことは、リタちゃんもう日本には来ない?』

『魔法使うので忙しそうだし』

『仕方ないかもしれないけど、寂しいよ……』

 

「あ、えっと……」

 

 それは、うん。私も最初はそのつもりだったんだけどね……。

 私が言葉を探している間に、カリちゃんが代わりに答えてくれた。

 

「いえー。リタちゃんはいつも通りですよー。私が魔法を使うのでー」

 

『え』

『そうなん?』

 

「ん……。まあ、そういうことになってる」

 

 二人で使えば二倍の効率になる、という魔法じゃないからね。近くの銀河から自動的に探していく魔法だから、二人で使っても意味がない。むしろお互いの魔法に干渉して効率が悪くなる可能性もある。

 だから、カリちゃんに全て任せることになった。なってしまった。

 

「本当は私が探したいから、私がやるべきだと思ったけど……」

「それは絶対にだめなのですー」

 

 こんな感じだった。だから私は、暇になってしまった。

 カリちゃんが続ける。

 

「リタちゃんにはーいつも通り楽しく過ごしてほしいですー。大精霊様からもー、リタちゃんを自由に動けるようにと言われていますからー」

 

 ん……。精霊様は過保護だと思う。もちろん嬉しいけど。

 

「魔法は私が引き受けますからー。リタちゃんはいつも通りー、いろんな世界を見てきてくださいー」

「ん……。ありがとう」

「いえいえー。ご褒美にお菓子を期待してますー」

「ん」

「あと褒めてくれると嬉しいですよー」

「ん。カリちゃんすごい。いい子いい子」

「わはー」

 

 指先で頭を撫でてあげると、カリちゃんはとても嬉しそうな笑顔になった。

 

『なんだこのほのぼの』

『やはり管理精霊ちゃんは癒やし枠』

『ただのかわいいとは違いカリちゃんの小さなかわいさとリタちゃんの静かなかわいさが以下略』

『どうした急に』

 

 なんだかコメントが変なことになり始めてるから、気にしないようにしよう。

 カリちゃんは、それではと魔法を使った。お庭を埋め尽くすほどの大きな魔法陣が描かれて、それがまぶしく光り始める。そして光が消えるのと同時に魔法陣も消えて、たくさんの光の粒が空に昇っていった。

 

『おー。神秘的な光景』

『あの光の粒が調べていくのかな?』

 

 そういうことだね。あとは放っておいたら勝手に調べてくれる。生命のある惑星が見つかるたびに、カリちゃんが師匠を探す魔法を使っていくことになる。

 

「それでは、私は暇な時はリタちゃんのお家にいますねー。ご本を読ませてもらってもいいですー?」

「ん。いいよ。でも保存魔法は消さないでね」

「もちろんですー。リタちゃんもずっと研究漬けだったんですからー、ゆっくりしてきてください―」

 

 そう言って、カリちゃんは私のお家に入っていった。最近はずっと一緒だったから、少しだけ寂しくなるかも。

 ちなみに。カリちゃんがこっちに来たから、カリちゃんが管理していたダンジョンには別の管理精霊が配置されるらしい。人間に友好的な精霊だったらいいけど、どうだろうね。

 さてと……。それじゃあ、久しぶりに日本に行こうかな。

 

「真美。真美。いる?」

 

『いるよ!』

『誰よりも早く返事をする推定真美ちゃん、さすがやで』

『日曜日とはいえ、返事早すぎるだろwww』

 

 私は助かるけど、ちょっとだけ心配になるね。

 

「カレーライス、食べたいなって……。だめ?」

 

『作るよ! あ、それとも出前頼む? 美味しいカレーライスの出前があるけど』

 

「真美のカレーライスがいい。カツカレー食べたい」

 

『作る。すごく作る。がんばる』

『これは……てえてえやな……?』

『俺には胃袋掴まれた子供に見える』

『あかんそれにしか見えなくなったw』

 

 否定はしないよ。最初のイメージが強すぎるだけかもしれないけど、真美のカレーライスが一番美味しいと思ってる。

 

『でもまだお昼だけど、お昼ご飯はどうする?』

『安価やろうぜ安価!』

『リタちゃんおかえり記念に!』

 

 んー……。そうだね。晩ご飯は決まったし、お昼ご飯はどこかに行ってみよう。みんなのオススメがいいかな。

 

「それじゃあ、安価で。いつも通り手を叩いてから十番目のコメント。日本語のみ。海外は行かない。もしも海外が選ばれたらやり直し。いい?」

 

『おk』

『おらわくわくしてきたぞ!』

『今度こそ来てもらうんだ……!』

『来てもらっても会えるとは限らないけどな!』

 

 私が両手を前に出すと、コメントの量がすごく減ってきた。まだ流れるコメントは、安価に参加しいない人たちかな。それでも楽しみにはしてるみたい。

 それじゃあ……。ぱん。

 

『沖縄!』『長野県』『今度こそ琵琶湖』『串カツ』『愛媛!』『奈良の鹿かわいいよ』『長崎ちゃんぽんとかカステラとか』『青森……!』『犬!』

『讃岐うどん!』

『鹿児島とかどう?』『東京』『京都!』『鳥取砂丘!』『離島の景色いいよ』

『決まった?』

『コメントが多すぎて分からねえw』

 

 んー……。讃岐うどん、だね。どう見ても地名じゃないのは分かるよ。おうどんの種類だとは思うけど。ただ、ちょっと漢字が読めない。なにこれ。

 




壁|w・)そんなわけで、讃岐うどんです。つまり香川県です。

次回は、ドラゴンのお肉の味見。
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