異世界魔女の配信生活   作:龍翠

152 / 542
フルーツ&コーヒー牛乳

 

 エスカレーターで一階に戻って、向かう先は売店。買うのは、真美が美味しいって言ってたジュースだ。本当はお風呂上がりに飲むのが一番美味しいらしいけど、ちいちゃんも寝ちゃったから、そこは諦めよう。

 

「フルーツ牛乳とコーヒー牛乳が美味しいんだっけ」

「うん。あ、私とちいのもお願いできる? お金は後で渡すから」

「ん。お金はいい。ここに入る時のお金も渡してないし」

「いや、それこそ付き合ってもらってるから別に……」

「ん。だから、せめてジュースは出す」

「ええ……。えっと、ありがとう?」

 

 それじゃ、ジュースを買おう。たくさん並んでる棚からジュースを探すと、すぐに見つけられた。なんだか大きなケースに入ってる。扉があるケースで、開けてみるとひんやりとしてる。手に取って見ると、しっかりと冷えていた。

 これを持っていけばいいんだよね。何本いるかな。んー……。

 

「店員さん」

「は、はい!」

 

 店員さんを呼ぶと、エプロン姿の女の人がすぐに来てくれた。ちょっとだけ緊張してるように見えるけど、光球が気になるのかな。

 

「これとこれ、たくさん欲しい」

「た、たくさんですか? 何本ぐらいでしょう?」

「んー……。じゃあ、控えめに、五十本ずつぐらいで」

「ごじゅっ……」

 

『なんて?』

『控えめ (計百本)』

『なんかやべーこと言ってるぞこの子』

 

 だって、あまり大きくないみたいだし。これなら、毎日一本ずつとかでも飲めそうだしね。精霊様にもいいお土産になりそう。

 店員さんや視聴者さんよりも慌てていたのが、何故か真美だった。

 

「まってまってリタちゃん! どうしていきなり大量買いしようとしてるの!?」

「ん? 美味しいって言ってたから」

「私は美味しいと思うけど! でもリタちゃんも美味しいと感じるかは分からないから!」

「大丈夫。真美が美味しいって言ったものにはずれはなかった。この世界では真美を一番信じてる」

「嬉しさよりもプレッシャーの方がずっと大きい!」

 

『草』

『そりゃそうだw』

『リタちゃんに信頼されてて羨ましいけど、確かにプレッシャーがすごそうw』

 

 そこまで気にしなくてもいいんだけど。私も、真美と同じ味覚だとはさすがに思ってないし。ただ何度も来るのはちょっと面倒だから、ここは真美を信じようと思っただけで。

 でも結果としては、さすがにいきなり百本は買えなかった。他のお客様に売る分がなくなってしまうから、だって。言われてみれば当然だね。

 だから、とりあえず十本ずつ購入。美味しかったら、改めて注文しにくることになった。取り寄せしてくれるらしい。

 

「ん。じゃあ、また来る」

「はい。お待ちしていますね」

 

 店員さんに手を振ってから、帰る。真美が分かりやすいほどに安心してたけど、そこまで気にしなくてもいいのにね。

 

 

 

 真美の家に帰り着いて、早速ジュースを飲む。ちなみにちいちゃんはベッドに運ばれた。このまま寝るのかなと思ったけど、あとで歯磨きさせるみたい。虫歯予防は大事だね。

 

「どっちが美味しい?」

「どっちも美味しいよ」

 

 フルーツ牛乳とコーヒー牛乳、どっちから飲もう。もちろんどっちも飲むつもりだけど……。んー……。

 

「じゃあ、フルーツ牛乳から」

 

 アイテムボックスからフルーツ牛乳を取り出す。細長い瓶に入ってる牛乳で、紙キャップというものがついてる。視聴者さんが言うには、昔懐かしい形状とキャップらしい。

 

『牛乳キャップ、よく集めたなあ』

『友達と交換したり、メンコみたいにして遊んだりした覚えがある』

『レアなキャップ持ってるやつはヒーローだったなw』

『お前ら何歳だよ……』

 

 今ではあまりない、のかな?

 

「私もあの店でしか見ないかなあ。紙キャップなんて、もうほとんど使われてないと思うよ」

「ふうん……」

 

 今だとポリキャップというのが普通らしい。何度も開け閉めできるらしいから、そっちの方が便利だと思う。あのお店が紙キャップなのは、観光客向けの商品だからなんだって。

 私としてはどっちでもいいけど。美味しければいいです。

 とりあえず、一口飲んでみる。

 

 んー……。フルーツジュースとはまたちょっと違う。フルーツがたくさん使われていてとても美味しくて、それでいて牛乳特有のなめらかさがある。美味しい。

 コーヒー牛乳もちょっと似てる。コーヒーのほのかな苦みを牛乳で中和させた、のかな? とても甘くて、美味しい。

 

「たくさん買う」

「あはは。気に入ってもらってよかった」

 

 また注文しに行かないとね。

 

「でも、どうして瓶にフルーツとかコーヒーとかしか書いてないの?」

「あー……。見た目で分かるから、というのが一つだけど……」

 

『ぶっちゃけ法律の問題。牛乳表記はできないんだ』

『昔いろいろあったのさ』

 

 法律なら仕方ない、のかな?

 

「満足。そろそろ帰る」

「うん。今日は付き合ってくれてありがとう、リタちゃん。楽しかった」

「ん。私も楽しかった」

「また行こうね?」

「ん……」

 

『照れてるリタちゃんかわいい』

『照れ照れリタちゃん』

『てえてえ?』

 

 余計なことは言わなくていいよ。

 苦笑いする真美にフルーツ牛乳とコーヒー牛乳を二本ずつ渡して、私はすぐに森に転移した。

 




壁|w・)フルーツオレが好きなのに、最近は種類が少なくなっていて寂しいです。
次回は、精霊様へのお土産。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。