異世界魔女の配信生活   作:龍翠

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牧場に行きます

「ごめんね、リタちゃん。わがまま言っちゃって」

「んーん。いつもご飯もらってるし」

 

 これで恩返しになるとはさすがに思ってないけど。

 

「配信しながら見てくるだけでいい?」

「それで大丈夫だよ」

 

 うん。それなら、大丈夫だ。私もちょっとお馬さんに興味がわいた。もちろん知識としては知ってるけど、直接見たことはないから。

 真美たちを見送ってから、静かになった部屋で私は言った。

 

「ちいちゃんの希望で馬を見にいきます」

 

『恥ずかしがるちいちゃんも嬉しそうなちいちゃんもとってもかわいかったです』

『やっぱり幼女は最高だぜ!』

『変なコメントを残すなよ』

『とりま馬だな。馬と言えば競馬場だけど、さすがにちいちゃんが見たいのはそっちじゃないだろうなあ』

『馬にもいろいろいるんだけど、どの馬なんだ』

『でも馬と言えば北海道のイメージ』

『動物園とか触れ合えるイベントとかで馬も当然いるけど、広い場所でのびのび過ごしてる馬が一番かわいいと思います』

『長文でお気持ち表明するなw』

 

 見にいくだけなら、わりとどこでも見れるのかな? でもせっかくのちいちゃんの希望だから、のびのびしてる馬というのを見に行きたい。

 

「のびのびの馬はどこ?」

 

『ゴムみたいな馬だなw』

『それだったらやっぱり北海道じゃね?』

『ただ北海道ってめちゃくちゃ広いぞ』

 

「そうなの?」

 

 スマホを取り出して、地図を開いてみる。えっと……。北海道は、どこかな。コメントを見てみると、北の方って書いてる。北東、とも。えっと……。あ、これ、かな……?

 

「え。この大きい島が全部北海道?」

 

『そうだぞ』

『別名試される大地。冬に行くと雪がやばい』

 

 雪。雪か。雪は見たことあるけど、たくさん積もった天然の雪は見たことがない。師匠が魔法でお家のお庭を雪原みたいにしてくれたことはあるけど、あれがとても広い範囲になってるってことかな。

 

「雪、楽しそう」

 

『あー……。うん……。まあね……』

『スキーとか観光とか、それなら楽しいかな……』

『住むとなるとめちゃくちゃ大変だけど』

 

「ふうん……」

 

 どんな感じなのかな。あとで調べてみよう。今の季節は雪は積もってないだろうから、後回し。

 

「それじゃ、北海道に行きます。美味しいものは何かある?」

 

『ありすぎて困る』

『やっぱ海鮮だよ。特にいくら。旬は九月か十月ぐらいだけど、冷凍品なら手に入るはず』

『俺はジンギスカンを勧めたい。リタちゃんお肉好きそうだし』

『いももち。とあるゲームで有名になった。美味しい』

 

 たくさんあるみたいだね。どれを食べに行こうかちょっと困るけど……。とりあえず今はお馬さんを見に行こう。

 

「まずはお馬さん。オススメ教えて」

 

『それはそれでまた難しいなあw』

『牧場にはそれぞれルールがあるけど、牧場の数そのものも多いし』

『ええい! お前らそれでもリタちゃんを見守る会のメンバーか!』

 

「なにそれ」

 

 私を見守る会って聞いたことないんだけど。変な組織を作らないでほしい。いや、他の人に迷惑をかけなかったら、好きにしてくれてもいいけど。いいかな。ちょっと悩みそう。

 

『それならここは俺の出番だな!』

『おん?』

『まさか牧場で働いてる人だったりする?』

『はははそんなまさか』

『はい責任者です』

『ちょwww』

 

 責任者。牧場の、だよね。じゃあ、この人の牧場に行けば間違いないかな。

 

「行っていいの?」

 

『是非是非。歓迎します。引退した競走馬もいるし、ポニーもいるし、牛もいるよ』

『なんだその牧場』

『何でもありかな?』

 

 牛って、牛乳を出す動物だよね。少し興味があるかも。どうせならその牛も見てみたい。他も比較して考えた方がいいのかもしれないけど、考える時間ももったいないし、この人の牧場を見に行こう。

 

「それじゃ、今から行くね。場所、教えて」

 

『あざーす! 住所は……』

 

 書いてもらった住所をスマホで調べてみる。んー……。北海道が広すぎて、いまいち場所が分かりにくい。山の中、ではあるみたい。えっと……。ここ、かな……?

 

「じゃあ、行きます」

 

『いってらっしゃーい』

『北海道か……。ついに最北端』

『こっちに来てもらえなかったのは残念だけど楽しみ』

 

 牧場の上空を指定して、転移魔法を使う。そうして転移した先は、指定通りに牧場の上空だった。地上にとても広い草原がある。その草原を走ってる動物がいるね。あれがお馬さんかな?

 直接行くのはさすがにだめ、だよね?

 

『お馬さんが驚くから、そこはちゃんと正面から行こうな』

『牧場の人も準備してるかもだし』

 

「ん」

 

 正門は、あそこだね。木の門がある。門の側には少し大きな建物があって、あそこでいろんな人が働いてるのかも。

 とりあえず門の前に下りて、その建物に向かってみる。二階建ての少し広そうな建物だ。ある程度近づくと、大きな声が聞こえてきた。

 

「牧場長! いきなりそんな大切なお客様とか言われても、分かりませんよ!」

「具体的に誰が来るんですか? 経営者の方です? それとも、取引様?」

「すぐに分かるから! もうちょっと待ってなさい!」

 

『予想以上に混乱中w』

『ていうか、責任者って牧場長だよな? 女の人の声じゃなかった?』

『あの責任者、女性だったんかいw』

 

 コメントがちょっと男の人みたいだったね。コメントだと分からないものっていうのは一応分かってるつもりだけど、やっぱりちょっと意外だ。

 




壁|w・)というわけで、北海道です。山盛りのいくらを食べてみたい。
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