異世界魔女の配信生活   作:龍翠

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見学終わり

 

 お馬さんの次は、乳牛。この牧場にはたくさんの乳牛がいて、牛乳の出荷ももちろんしてるらしい。今回は乳搾りをやらせてもらえるらしくて、分かりやすいように一頭、外に出してくれていた。

 

「どどどどうもぼくはここの牛のののの……」

 

『落ち着けwww』

『これはひどいw』

『下手なテレビより全世界に公開されてるから仕方ないけどな!』

 

 牛の側にいた男の人はとても緊張してるみたいで、声も体もすごく震えてる。そこまで緊張しなくても大丈夫、だと思う。

 牛はなんだかのんびりしてる。私を見て、ちょっと興味深そうに見つめてるけど、それだけ。でもなんだかかわいいので撫でておこう。なでなで。

 

『リタちゃん動物には優しいよな』

『リタちゃんはいつだって優しいやろがい!』

『なおゴブリン相手』

『ばくっ』

『やめろwww』

 

 動物でも、襲ってくるなら話は別だよ。

 改めて、乳搾りの体験だ。適当に掴んでも出ないらしくて、コツがあるらしい。教えてくれた通りにそっと力を入れていって……。

 

「おー……」

 

『さすがリタちゃん、のみこみがはやい』

『俺も子供の頃やったことあるけど、うまくできんかったわw』

『同じくw』

 

 慣れれば簡単だと思うよ?

 絞りたての牛乳は、すぐに飲むことはできないみたい。絞りたてを飲めるかも、とちょっと期待してたんだけど、お腹を壊す人も多いらしい。残念だ。

 

「その……。エルフやハイエルフという種族がそのあたりどうなのかは分からないけど……さすがに何かあったら申し訳ないから……。ごめんね?」

「んーん。気にしてない」

 

 私が残念に思ってるのを察したみたいで、牧場長さんに謝られてしまった。勝手に期待しちゃっただけだから、気にしないでほしい。

 その代わり、というわけではないみたいだけど。この牧場で作ってるアイスクリームをもらえることになった。ここでとれた牛乳を使ったアイスクリーム。牧場の出入り口にある売店で売ってるらしい。

 

 早速売店に案内してもらった。最初に入った事務所の隣にある建物で、大きさはコンビニぐらい。アイスクリームの他にも、ちゃんと飲めるようにした牛乳もあるみたい。

 あと、ぬいぐるみ。お馬さん。ちょこんとお座りしてるのがかわいい。

 

「んふー」

 

『珍しく分かりやすく機嫌がいいなあw』

『馬のぬいぐるみを抱えてご満悦w』

『ほんまに気に入ったんだねw』

 

 ちっちゃい馬、かわいかったから。来て良かったと思うよ。

 とりあえず、お馬さんのぬいぐるみを購入。私と、精霊様と、真美と、ちいちゃんと……。ぬいぐるみぐらいなら、ミレーユさんとかにも渡していいかな?

 買ったのは、両手で抱くのにちょうどいい大きさのお馬さんのぬいぐるみを十個。適当に渡そうかなと思う。精霊様に止められた場合は、私のお部屋にいっぱい並べようかな。

 次に、アイスクリーム。早速一つ食べさせてもらった。

 

「おー……。すごく濃厚で、くりーみー?」

 

『微妙に言わされてる感があるw』

『牧場長、何を賄賂に渡したん? 言ってみ?』

 

「渡してないから!」

 

 本当にもらってないよ。なんとなく言ってみただけだから。

 それにしても、本当に美味しい。今まで食べたアイスクリームよりも美味しい。舌触りがなめらかというか、そんな感じ。

 

「師匠のアイスは何だったのかな」

 

『言うなw』

『凍った牛乳、だっけw』

『そういえば、牛乳とかどうやって手に入れてんの?』

 

 ああ、そっか。知らない人も多いよね。

 牛乳とか卵とか、魔獣から分けてもらってる。魔力で生きる魔獣はしっかりと縄張りがあって何も用なく入ると怒るけど、逆に交渉すればいろいろと分けてもらえるんだよ。

 

 基本的には、魔力の塊。魔力をこねこねして、大きな塊にしたものを渡すと、それだけで満足してくれる。彼らにとってはほどよいおやつなのかも。私が行くから応じてくれるだけかもしれないけどね。

 それを説明すると、一応納得はしてくれたみたい。ちょっと半信半疑の人もいるみたいだけど。

 

『精霊の森の生態系がマジで謎すぎる』

『ゴンちゃんフェニちゃんみたいに、魔力で生きる魔獣がいるのはなんとなく分かったけど、結構いるもんなの?』

『みんな襲ってくるイメージ』

 

 んー……。興味がある人がいるなら、いずれちゃんと説明してもいいかもね。

 おみやげはこれで全部、かな。牛乳も買っておいた。真美が喜びそうだから。

 

「牧場長さん、ありがとう。楽しかった」

 

 牧場の出入り口の前で、牧場長さんに言う。今この場にいるのは、私と牧場長さんだけ。他の人も来たがったみたいだけど、収拾がつかなくなるからやめさせたらしい。

 

「いえ。こちらこそ、来てくれてありがとう。楽しんでもらえてよかった。お馬さん、かわいかったでしょう?」

「ん。ぬいぐるみ、大事にする」

「ふふ。是非そうしてね」

 

 大丈夫。ちゃんと保護魔法をかけたから劣化しない。いつでももふもふ。

 

『いい思い出だろうなあ』

『でもこの牧場、明日以降大変なのでは?』

『見学者が殺到しそうw』

 

 そのコメントを見て、牧場長さんが頬を引きつらせた。いっぱい来られるのは迷惑なのかも。動物が怖がりそうだから当然かな。

 

「牧場長さん。何か言いたいことがあるなら、どうぞ」

 

 光球を牧場長さんの方に向ける。意図を察してくれたのか、こほんと咳払いした。

 

「ありがとう、リタちゃん。えー……。見学希望の方は歓迎しますが、当牧場は予約制となっています。ホームページに詳細が記載されていますので、そちらをご覧ください。間違っても、予約なしに来ないでください」

「ん。だ、そうです。みんな、守ってね」

 

『りょ!』

『予約制かー。まあ当然やな』

『見学料で経営してるわけじゃないだろうしな』

 

 動物園みたいに入園料とかがメインならまた違うだろうけどね。

 牧場、楽しかった。また来たい。でもとりあえず、次はお昼ご飯だ。晩ご飯まで時間はまだまだあるし、今日はゆっくり回りたいと思う。

 




壁|w・)もふもふ!
次回からごはんぱーと。もぐもぐぱーと。
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