異世界魔女の配信生活   作:龍翠

212 / 543
スープカレー

「ごちそうさま。美味しかった」

「うん。喜んでもらえてよかった。リタちゃん、この後はどうするの?」

「んー……」

 

 今の時間は、三時頃。夕方って言えばいいのかな? これ以上食べると、晩ご飯になっちゃいそう。もちろん私はいくらでも食べられるけど、晩ご飯は真美のお家がいい。

 だから、そろそろ帰ろう。あとは真美のお家で待てばいい。

 

「そろそろ帰る」

「そう? じゃあ、お土産もいるよね?」

「おみやげ!」

 

 欲しい。是非欲しい。いくらとか、買えるなら買いたい。精霊様にも食べてほしいし、真美たちにもお土産になるから。

 

「ちょっと待っててね」

 

 香織さんはそう言うと、奥の方へと行ってしまった。厨房っていうところだと思う。何か作ってくれるのかな。それはそれで、楽しみ。

 

「そっか、リタちゃんもう帰っちゃうんだ」

「残念ねえ」

「次は雪が積もってから来てね。スキーとか楽しいわよ」

 

 スキー。テレビで見た覚えがある。細長い板を足に取り付けて、山から滑るスポーツだよね。やってみたいけど、冬のスポーツらしいからもうちょっと我慢だね。

 女の人たちとそんな会話をしていたら、香織さんが戻ってきた。小さなお鍋を持ってる。湯気が立っていて、ここまで香りが届いてきた。これは、カレーかな?

 

「カレー? カレーライス?」

「ごめんね、カレーライスとはまたちょっと違うかな。真美ちゃんなら分かると思うから、聞いてみてね」

「ん」

 

 ちょっと違うっていうことは、カレーに近いものなのは間違いないみたい。渡されたお鍋の中を見てみたら、やっぱりカレーに見える。あ、でも、とろみが少ないような気もする。

 

「むむ……」

「量はあるから、真美ちゃんたちと食べてね?」

「ん」

 

 すごく気になるけど、せっかくこう言ってくれてるんだし、我慢しよう。早く食べたいけど。

 

『カレーの香りに反応してわくわくするリタちゃん』

『見た目相応の反応でかわいかったです』

『あああリタちゃんかわええんやああばくってしてほしいよおおお!』

『いかん! 錯乱兵だ! 衛生兵! 衛生兵!』

『ばくっとされるなら消えるから大丈夫』

『大丈夫とは』

 

 お鍋にフタをしてもらって、アイテムボックスへ。カレー、楽しみ。あとはいくらも少しもらってしまった。これもみんなで食べたい。

 

「それじゃ、リタちゃん。来てくれてありがとう」

「こちらこそ、お料理、とても美味しかった」

「いえいえ。最後に写真お願いしても?」

「ん」

 

 最後の写真はなんだか恒例になってる気がする。私はもちろん問題ないんだけど。

 香織さんとそのお友達さんたちと一緒に写真を撮って、私は真美のお家に転移した。

 

 

 

 真美のお家でのんびり待つ。

 

「不思議カレー、とても楽しみ」

 

『不思議カレーwww』

『リタちゃん、真美ちゃんにいつでもカレー作ってもらえるのに、それでも嬉しもんなん?』

 

「ん。真美のカレーが一番好きだけど、でも他のカレーも食べてみたい」

 

『なるほどw』

 

 今のところ、真美のカツカレー以上はなかったかな。私の好みに一番近いものを作ってくれてる気がする。

 あ、でも、チーズカツカレーも美味しかった。そっちもまた食べたい。

 今まで食べたカレーを思い出してると、真美が帰ってきた。ちいちゃんも一緒で、真っ先にちいちゃんが入ってくる。元気そうだ。

 

「おかえり、ちいちゃん。お土産」

 

 テーブルにお馬さんのぬいぐるみを並べてみる。真美とちいちゃんで一個ずつだ。デフォルメされたかわいい馬のぬいぐるみ。ちいちゃんは早速ぬいぐるみを抱きしめて、もふもふし始めた。

 

「わあ……。すごくふわふわ! ありがとう!」

「ん。真美も」

「うん。ありがとう、リタちゃん。わ……。すごくもふもふだ……」

 

 真美も気に入ってくれたみたい。ぬいぐるみを抱きしめて、嬉しそうにしてる。買ってきてよかった。

 

「それより、リタちゃん。あれ、食べるんでしょ?」

「ん」

 

 真美はぬいぐるみを棚の上に飾ると、私がアイテムボックスから出したお鍋を確認してくれた。お玉で軽くかき混ぜて、なるほどと頷いてる。

 

「これ、スープカレーだね」

「すーぷかれー」

「そう。スープ状のカレー。さらさらしていて粘り気はほとんどないかな。早速食べよう」

 

『なるほど、確かに北海道と言えばスープカレーも定番だな』

『お師匠さんのカレーに似てるかも?』

 

 そうなんだ。それならちょっと楽しみ。

 時間は少し早いけど、真美は早速晩ご飯を作ってくれた。スープカレーがあるから白米とサラダととてもシンプル。もうちょっとおかずが欲しいかも、なんて思ったけど、最後に出してくれたスープカレーにはごろごろとたくさんの具材が入っていた。

 お魚とか、貝とか、そんなのがたくさん。魚介系ってやつだね。それがたっぷり入ってる。

 

『なにこれめっちゃ美味そう』

『さすがはプロの料理やで』

『プロ (カフェ)』

『やめたれwww』

 

 スプーンでスープカレーをすくってみる。おお……。本当に普通のカレーと全然違う。これは確かにスープだ。あと、視聴者さんが言ってたように、師匠のカレーに似てる気がする。

 

「もしかして師匠、スープカレーを作ろうとしたのかな」

 

『それはあり得そう』

『とりあえず食べてみたら?』

 

 それもそうだね。それじゃ、いただきます。

 

「んー……。とりあえず、これだけ」

 

『お?』

『わくわく』

 

「やっぱり師匠はただ失敗しただけだと思う」

 

『ちょwww』

『やっぱりかーw』

 

 そもそもとして、師匠はカレーライスって明言してたしね。味もこっちの方が美味しい。

 カレーライスと違って、さらさらしてる。でもしっかりとスパイスを感じられて、刺激と辛みがある。味はカレーにとても近い。

 ご飯にかけて食べるのには向かないけど、でもこれはこれで美味しい。大ぶりな魚介もいい味になってる。カレー味のお魚や貝になってるけど、それはそれでいい。

 

「スプーンで先にご飯を取って、スープカレーにひたすと食べやすいと思うよ」

「ん」

 

 真美のアドバイスに従って、スプーンでご飯をとって、スープカレーにひたす。ぱくりと一口。

 おー……。さらさらのカレーライス。しっかりとカレーの味を感じられて、でもカレーライスとは全然違う食感。美味。

 

『最後はスープカレーを直接かけておじや風とか』

『わかる』

 

 なるほど。スープカレーをお椀に注いで、ちょっとまぜて……。食べてみると、スープカレーの味がとても強くなったけど、ご飯としっかりとまざって、食感が変わった。これもいいね。

 




壁|w・)カレーの香りだけでわくわくする魔女の図。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。