異世界魔女の配信生活   作:龍翠

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壁|w・)ここから第二十一話のイメージ。


鮭茶漬け

 

 お船を下りた日の翌日の朝。真美のお家に行くと、いつも通り真美が出迎えてくれた。今日の朝ご飯はお茶漬け。お魚が入ったお茶漬けだ。鮭茶漬けだって。

 

「すぐに準備するから待っててね」

「ん」

 

 待ってる間は何しようかな、と思ってたら、ちいちゃんが私の方に歩いてきた。隣に座ってきたからとりあえず撫でてあげる。なでなで。

 

「えへー」

 

 うん。かわいい。

 ああ、そうだ。配信、忘れてた。

 

「これでよし」

 

『これでよし、じゃないが』

『いつも通り唐突に始まる朝の配信、そしてやっぱり挨拶なし』

『リタちゃんたまには挨拶しよ?』

 

 たまにはやってると思う。

 

「リタちゃんお待たせ。はい、鮭茶漬け!」

「ん……」

 

 私の目の前に置かれたのは、お椀に入ったご飯。お湯……お茶かな? それに浸かってる。魚をほぐしたものもたくさん入っていて、美味しそう。

 

『ほう。お茶漬けか』

『それも鮭茶漬け。鮭茶漬けいいよね、とても美味しい』

『俺は梅茶漬けが好き』

 

 なんだかたくさん種類があるみたいだね。他のも試してみたい。

 

「私はお茶漬けが初めてだけど」

 

『え』

『あれ? そうだっけ?』

 

 真美も目を丸くしてる。知らなかったらしい。

 

「ん。おにぎりは何度もあるけど、お茶漬けは初めて」

「そうだっけ……。ごめんね、リタちゃん。もっと早く出すべきだったね」

「んー……? 別にいい。真美の料理はなんでも好き」

「そ、そう? えへへ……」

 

『てえてえ?』

『真美ちゃんがめちゃくちゃ照れてるのは声で分かる』

『でも真美ちゃんのごはんはマジでいつも美味しそうだよな』

『料理ができる彼女が欲しいです……』

 

 ん。真美のご飯はいつも美味しい。

 ご飯を軽くかき混ぜて、少しすする。ちょっと熱いけど、食べられないほどじゃない。ずるずるとすすって、ご飯も食べる。

 ご飯がお茶で少し柔らかくなってるけど、逆にそれがとても食べやすい。ご飯はちょっと淡泊な味のはずなのに、お茶があるだけで全然違う味になってる。

 あと、お魚。お茶とご飯だけでも美味しいけど、お魚と一緒に食べるとまたちょっと違う味だ。お魚のほのかな塩味がほどよく味を変えてくれてる。

 

「どうかな?」

「もぐもぐ」

「あはは。気に入ってもらえたみたいでよかった」

 

『一心不乱に食べてるw』

『お茶漬けの魔力だよね……。一杯ぐらいならわりとあっさり食べられる』

『分かる。時間があれば二杯目も食べる時がある』

『何よりも食べやすいのがいい』

 

 ん……。とても食べやすい。味も濃いわけじゃないから、飽きもなかなか来ないと思う。

 それに、お茶漬けは他にもいろいろ種類があるみたい。コメントを見てると、鮭や梅の他にも、のり、昆布、たらこ……。なんだかたくさんある。

 

「真美。真美。次は他のも食べたい」

「ふふ。いいよ。用意しておくね」

 

 そう言って頭を撫でられた。ちょっとだけ恥ずかしいけど、お茶漬け楽しみ。梅も気になるけど、昆布もいいかも。のりも。とても、とても、楽しみだね。

 

 

 

 朝ご飯の後は、真美たちは学校の時間。そう思ってたんだけど、その前に真美からお話があるらしい。何だろう?

 

「リタちゃん。ちょっと前に話したこと、覚えてる?」

「いっぱい話してる」

「だよね」

 

『リタちゃんが地球側で一番話す相手だからなw』

『でもリタちゃんならマジで会話全部覚えてそう』

 

 それはもちろん覚えてるけど。でも、うん。真美が言いたいことはそういうことじゃないよね。んー……。

 

「学校?」

「そうそれ!」

 

『学校? 何の話?』

『真美ちゃんが通う学校に体験入学するって話があったはず』

『あったなあそんな話もw』

 

 学校の先生と相談して、みたいな話だったはず。いつ行くか決まったってことかな?

 

「ちょっと急かもしれないけど、三日後、次の土曜日でどうかな? 午後からになるけど」

「いいよ」

 

 私は予定なんて特にないからいつでも大丈夫。五日後に闘技場に行くかどうか、ぐらい。だから三日後なら平気。

 むしろ間にまだ日があるから、どこかに食べに行こうかな。

 

「うん。それじゃ、土曜日のお昼はここで待っててね」

「ん」

「それじゃ、行ってきます!」

「いってらっしゃい」

 

 話が終わると、真美はちいちゃんを連れて大急ぎで家を出て行った。わりとぎりぎりの時間だったのかも。夜に話してくれてもよかったと思うんだけどね。

 さて。

 

「どこかに何かを食べに行こう」

 

『つまり日本のどこかってことですね!』

『ヒャッハー! 久しぶりの日本海だー!』

『海に行くのか』

『誤字に突っ込むなクソ野郎』

 

 どこかに行くことは決めてるけど、どこに行くかはまだ決めてない。どこにしようかな。最近はずっとお魚を食べてたから、お肉が食べたい。

 




壁|w・)先日はアンケートにご協力いただき、ありがとうございました。
ここからしばらく日本回です。


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