異世界魔女の配信生活   作:龍翠

240 / 543
腕相撲

 

 最初の一時間はそんな授業だった。日本のたくさんの名産品を知れてとても良かった。次から何か名産品を買うようにしようかな。

 ただ、季節ものもあるらしいから、いつでも買えるわけじゃないらしいけど。季節毎に日本を巡ろうかな?

 一時間の授業の後は、休憩。その休憩の後に先生がたくさんのプリントを渡してくれた。

 

「これは今回のまとめです。リタさんは初めての授業だからちゃんと復習をしておきなさい」

「おー……!」

「あ、まって、そんな純粋な目できらきら見られると先生溶けちゃう……汚い大人には耐えられない……」

 

『先生www』

『なんだこの先生最高だなw』

『資料も全部フルカラーで美味しそうな写真がいっぱいとか先生有能すぎないかこれw』

 

 とても、とってもありがたい資料だ。もちろんスマホでも見ようと思えば見られるっていうのは知ってるけど、こうして手元にあればすぐに探すことができるから。

 スマホは便利だけど、まだちょっと慣れないからね。こうして紙でもらえた方がありがたい。何度でも見返すことができるから。

 でも、とりあえず。

 

「んー……」

「ねえ、真美。リタちゃんこれ何やってるの?」

「うん。覚えてるんじゃないかな」

「いやいやそんなすぐに覚えられるわけ……」

「ん。覚えた」

「うそでしょ」

 

 記憶力には自信があるから。適当に流し見ただけだと忘れちゃうかもしれないけど、ちゃんと見たものはだいたい覚えられる。だから、大丈夫。

 

『そういえばこの子、記憶力お化けだったな』

『なにせ師匠のいないいないばあを覚えてる子だからな!』

『やめたれwww』

 

 もらったプリントをアイテムボックスに入れたところで、次の授業を開始、だけど……。

 

「体育か家庭科?」

「そうです。どちらをやりたいですか?」

 

 そんなことを先生に言われた。

 

「体育って、体を動かす授業だっけ」

「そうだよ、リタちゃん。体育にしたい?」

「んー……。私、強いよ?」

「あー……」

 

 先生は首を傾げてるけど、真美はなんとなく察したのか少し困ってる。考えて、ちょっと考えて、そして言った。

 

「リタちゃん、魔力の強化なしだと、どう?」

「え、いやだけど。無防備になるし、弱いよ?」

 

『そうなん?』

『いやまあ確かにリタちゃんは筋肉むきむきってわけじゃないけど』

『弱いっていうイメージがねえ』

 

 普段は魔力で強化してるから。もちろん最低限以上は維持できるようにしてるけど、多分素だとこの世界の平均あるかないかぐらいだと思う。

 

「リタちゃん、ちょっと腕相撲しよっか。魔力なしで」

「んー……。真美なら、いい」

 

 赤の他人とやるなら拒否するけど、真美なら何もしないって信じてるから大丈夫。でも一応、私と真美を包むように結界を張って、それから体に纏う魔力を解除していく。

 そうしてから、真美と向かい合って、腕相撲。結果は。

 

「いたい」

「え、あ、あれ!? ごめんねリタちゃん!」

 

 んー……。ちょっと、あっさり負けすぎだと自分でも思った。

 

『開始と共にリタちゃんが負けてて、ちょっと意外だった』

『かよわいいきもの……?』

『いや、見た目通りの筋力ってことだろこれ』

『それはそれとして、痛がってるリタちゃんは貴重かもしれない』

 

 貴重かと言われると……そう、なのかな? よく分からない。

 ちょっとだけひりひりする右手に治癒魔法をかけて、痛みを取る。そうしてから、いつものように魔力を纏う。

 そうしたところで、真美が言った。

 

「ちなみに、リタちゃん。魔力を纏った状態で腕相撲したら、どうなるのかな」

「ん? 真美の腕を折りたくない」

「よし分かった! 先生家庭科にしましょう!」

 

『いや草』

『差がありすぎるwww』

『リタちゃんなら加減はしてくれるだろうけど、真美ちゃん以外は怖いだろうからなw』

 

 加減はもちろんできるけど、初めてやることなら忘れる可能性がないとは言えない。多分。

 ともかく、家庭科をすることになった。というわけで、教室を移動。家庭科室という部屋に案内された。なんだか教室よりも広い部屋だ。教室二つ分ぐらいあると思う。

 机は教室にある小さいものがたくさん並んでる、というわけじゃなくて、大きい机がいくつかある。どの机にも、こんろ、だっけ。それと水道が使えるようになってるみたい。

 料理ができる部屋って感じなのかな。おもしろそう。

 

「では、この授業ではお菓子作りをしましょう」

「おかしづくり!」

 

 お菓子を作るってことだよね。自分で作ったことはないから、ちょっと楽しみ。

 

『微妙にリタちゃんのテンションが上がったような気がする』

『お菓子を作るってことは、あとで食べられるってことだからね』

『お菓子大好きなリタちゃんにぴったりやな!』

『つまりはこれ絶対にリタちゃんのための授業やろw』

 

 先生が作り方の紙を配ってくれる。えっと……。クッキーだね。バタークッキ―の作り方だ。美味しく作れるかな。

 

「リタちゃん、がんばろうね」

「ん」

 

 真美がいるなら安心だと思う。むしろ真美に任せてしまった方が……。

 

「ちなみに私は今回、明確な失敗にならない限り何も手出ししないから」

「え」

 

『リタちゃんの顔がw』

『まるで捨てられた子犬のようなw』

 

「て、手伝わないから……!」

 

 むう……。それは、ちょっと、困った。とりあえず頑張ろう。

 先生が配ってくれた材料で、早速作ってみる。えっと……。

 

「お砂糖とバターを混ぜる」

「うんうん」

「いっぱいの方が美味しいよね」

「まってえ!?」

 

『だぱあ』

『袋ごと入れるんじゃねえw』

『周りの生徒が腹抱えて死にかけてるw』

 




壁|w・)リタの素の身体能力はわりと低めだったりする……かも……。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。