異世界魔女の配信生活   作:龍翠

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教室巡り

「これが……異世界の肉……」

「ごくり」

 

『いやごくりを口に出すなよw』

『でも美味そうやな……』

『ごくり』

『おまえらw』

 

 真美は少し考えた後、お肉を手で摘まんだ。うん。今更だけど、フォークぐらい借りるべきだった。ちょっと反省。

 ぱくりと、真美がお肉を食べる。もぐもぐとしばらく味わって、そして言った。

 

「あ、意外と美味しい……」

 

『意外とwww』

『真美ちゃんわりと失礼だなw』

『まあ美味しそうな料理を異世界でほとんど見なかったからな……』

 

 私も自分の世界の料理より日本の世界の料理の方が好きだから、何も言えない。真美が失礼だとも思わないよ。正直、あっちの世界はもうちょっと料理を頑張ってほしいから。

 でもこのお肉は、日本でもわりと通用すると思う。お肉や料理の味というより、精霊の森の香草の力かもしれないけど。

 真美が食べたところで、他の人も食べ始めた。みんなそれぞれ、お肉を手で摘まんで食べてる。

 

「おー……。これが異世界のお肉……」

「あ、本当だわりと美味しい……」

 

『待ってめちゃくちゃ羨ましいんだけど』

『異世界料理、日本の料理より微妙でも食べてみたいなあ』

『これ絶対いろんなところの研究機関が発狂してるぞw』

 

 そうなのかな。向こう側の料理にしてみれば美味しいけど、日本の料理と比べるとそこそこ程度だから気にしすぎだと思うけど。

 ただ、確かに日本にはあまりない味付けだとは思う。精霊の森の香草由来だろうけど。

 

『島の高校三年の俺、同じ校舎でこんな素敵イベントが開かれてると知って発狂しそう』

『島の中学二年の私、すでに友達が歯ぎしりして悔しがってて怖いです助けてください』

『ちょw』

『あー、そっか。真美ちゃんのクラスしか関係ないもんな』

『確かにちょっとかわいそうかも……?』

『リタちゃんせめて写真だけでも……!』

 

 日本の人は写真が本当に好きだね。私にはよく分からない文化だ。確かに写真はすごいと思うけど、そんなに欲しいものなのかな。

 まだ食べ終わるのはもうちょっとかかるかな……。じゃあ、うん。せっかく来たし。

 

「真美。真美」

「うん? どうしたの?」

「お肉はみんなで食べていいから。ちょっと行ってくる」

「一応聞くけど……。どこに?」

「いろんな教室?」

「だよね……。いってらっしゃい」

 

 多分私がこう言うって分かってたのかも。真美は苦笑しながら手を振ってくれた。

 真美に手を振り返して移動することにする。確か、校舎の入ってすぐのところに見取り図があったはず。それを思い出して……。このあたり。それじゃ、転移。

 

「来た」

「うわあ!?」

「あわわわわリタちゃんが来たリタちゃんが来たリタちゃんが……」

「おおおおおまえらおきつけきをしっかりももももも」

「先生が落ち着いてください!」

 

 なんだかすごいことになってる。えっと……。

 

「帰った方がいい?」

「ちょっと待ってえええ!?」

「写真お願いします!」

「ん……」

 

 なんだかすごく騒がしい。街の中に転移した時より人は少ないはずなのに、騒がしさはこっちの方がずっと上だ。みんな楽しそうだからいいんだけど。

 教室にいた人たちに写真を撮られて、最後にみんなで並んで集合写真。あとはこれをそれぞれの教室でやればいいかな。

 

『なあ、これさ。もう帰っちゃった生徒もいるんだよな?』

『当然いるだろうなあ』

『今頃家で後悔してそうw』

『くやしいのうwwwくやしいのうwww』

『お前らそもそも関われないからって性格悪すぎるぞ』

『そんなあなたの本心は?』

『ざまあwwwww』

『これはひどいw』

 

 さすがに帰っちゃった人のところにまで行こうとは思えないから、諦めてもらおう。

 その後もそれぞれの教室を順番に回ってから、家庭科室に戻ってきた。お肉のお皿は綺麗になってる。みんなで食べきったみたい。

 

「あ、リタちゃんおかえり」

「ん。ただいま」

 

 最後にお片付け。みんなで洗い物だけど、それは面倒なので魔法で済ませる。使った食器とかを全部一つのテーブルに集めてもらって、洗浄の魔法を使う。これで終わり。

 

「すご……。確かに配信で見てたけど、本当にいいなこの魔法……」

「正直、洗い物って面倒だから、この魔法は本当に羨ましい」

「いいなあ、あたしも使えたらなあ……」

 

『わかる、マジで分かる』

『みんな魔法が使えたら、飲食店とかだと一人は雇うことになりそうw』

『洗浄の魔法をかけて回る商売とかありそうw』

 

 魔法としては難しいものじゃないから、みんな魔法が使えるようになったら商売にはならないと思う。

 使ったものを元の場所に片付けて、教室に移動。授業はこれで終わり、らしい。

 

「それでは、本日の授業はここまでとなります。リタちゃん、どうでしたか?」

「ん? クッキー美味しかった」

「クッキーで全て上書きされてる……!?」

 

『そりゃまあリタちゃんですし』

『最初の授業はちゃんと覚えてるんだろうかw』

 

 さすがにそれは覚えてるけど、やっぱりクッキーが一番印象に残ってしまった。みんなからもらったクッキー、大事に食べようと思う。

 授業の後は、帰宅。みんな挨拶するとすぐに帰っていった。私に話しかけたそうにしていた人もいたけど、まっすぐ帰ってる。少しぐらいならお話しするのに。

 

「最初に決まってたからね。授業が終わったらみんなまっすぐ帰ることって」

「そうなの?」

「でないとみんな、なかなか帰らないと思うから」

 

 そういうもの、らしい。よく分からないけど。

 

「それじゃ、リタちゃん。私たちも帰ろっか」

「ん」

 

 真美と一緒に学校を出る。すれ違った人も話しかけはしてこなかったけど、みんな手を振ってくれた。

 




壁|w・)授業の予定もないのでみんなで教室で配信を見ていたら魔女が乱入してきた、という話。
次回は買い食い。

Q.真美ちゃんドラゴンの肉食ってんのに今更気にすんの?
A.自分以外の人も食べるから気にしたのです。
(本音.わ す れ て た。修正は面倒なのでそういうものと思ってください……)
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