異世界魔女の配信生活   作:龍翠

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ちーん

「ええ……。本当に……?」

「ん。私の師匠、つまり先代の守護者は学園で教師やってたみたいだし」

「賢者コウタのことですわね……。確かに多くの魔法に精通しているとは思いましたが、まさか守護者だったなんて……」

「師匠のことだから、守護者の話が出るたびに内心で笑ってたはず」

 

『あり得るw』

『というより間違い無いw』

『あいつ性格悪いところがあるからなあw』

 

 わりといたずらとか好きな人だしね。椅子の上に変なクッション置かれたことは未だに忘れてない。ぶーって鳴るやつ。会うことがあったら殴ってやる。

 殴って……やろうと思ってたんだけどなあ……。

 

「ちょ!? いきなり泣かないでくださいまし!」

「だっでえ……」

「守護者といっても見た目相応なのですわね……。ほら、ハンカチ差し上げますわ。はい、ちーん」

「ちーん」

「よくできました」

 

『なんだこれ』

『ミレーユさんにママ味を感じる……』

『ミレーユママー!』

 

「な、なんですの? 変な悪寒を感じましたわ……!」

 

『マジかよwww』

 

 ん……。勘が鋭いのかもしれないね……。知らない人に見られてるのはいい気がしないだろうから言わないけど。

 

「話の続きですけれど……。森を出た目的は人捜しと仰っておりましたわね? 師匠を……賢者コウタを捜すつもりだったのでは?」

「正解。名前は知らなかったけど」

「ええ……。師事していたのでしょう……?」

「師匠としか呼ばなかったから……」

 

『俺らも名前知らなかったぐらいだしな』

『あいつも初回配信の時は魔法使いとしか名乗らなかったから……』

『リタちゃんが配信するようになってから師匠さん呼びになったはず』

 

 師匠に聞いたことがあるけど、こういう配信では本名は名乗るものじゃないらしい。配信魔法を譲られた時にそう注意されたことがある。私は気にせず本名だけど。日本出身じゃないから影響ないだろうし。

 

「それで、リタさん。これからどうしますの?」

「ん?」

「お師匠様のことはその……。分かったのでしょう? 森の外に出る必要はありますの?」

「邪魔?」

「いえ、そんな、滅相もありませんわ! あなたほどの方が冒険者になってくれるのなら、とても頼りになりますもの。けれど、あなたにとって冒険者という立場は必要ないでしょう?」

 

 旅をするだけならそうだと思う。今まで通り森の外に出なくても同じく。

 でも、師匠が教師をしていたと聞いて、ちょっとだけ思ってしまった。見てみたかった、なんて。

 だから、せめて師匠が何をしていたのか、見に行ってみたい。

 

「学園っていうのを見学するのに、何かしら立場があった方が便利そう」

「見学? あなたが? ……ああ、なるほど。お師匠様の軌跡を調べたいのですわね」

 

 なにこの子鋭すぎて怖い。

 

『さとりようかいかな?』

『いやわりと分かりやすかったぞ今の』

『むしろそれ以外の理由が思い浮かばないんだが』

 

 言われてみればそうだね。私が先生をしたいとか思い浮かばないだろうし、私もやりたいとは思わないし。ちいちゃんに教えるのは楽しいけど。

 

「分かりましたわ。それではさくっと、大きな魔力反応とやらを調べてしまいますわよ!」

「あ、ごめん。その原因、私」

「え」

「ちょっと大きな魔法を何度か使ったから。守護者が魔法の実験をしている影響って伝えておいて」

「ええ……」

 

 正直、えっとなんだっけ……。まっちぽんぷ、というものになってる気がするけど、嘘は言ってないから許してほしい。私もまさか観測されてるだなんて思わなかったし。

 

「ま、まあいいですわ。ちなみにその実験、これからも続けるのですか?」

「ん。定期的にやると思う。だめ?」

「危険はありませんの?」

「精霊様のお墨付きを貰ってるから大丈夫」

「豪華なお墨付きですわね……」

 

 守護者の特権ってやつだね。気軽に見てもらえてとても助かってる。

 そんなことを言ったら何故かとても呆れられてしまった。

 

「今日は休暇だと思ってゆっくりしていって。本ならたくさんあるから暇つぶしは困らないと思う」

「そうですか? ではお言葉に甘えますわ」

 

『リタちゃんが誰かを泊まらせるなんて……』

『正直一生無理だと思ってたよ……』

『成長したなあwww』

『草を生やしてやるなよw』

『オマエモナーw』

 

 喧嘩売ってるのかなこいつらは。

 ちなみに。本棚にある本はどれも貴重なものらしくて、ミレーユさんがとても大騒ぎしていたけど、まあ些細なことだと思う。

 あ、うん。保存魔法かかってるから自由に読んでいいよ。遠慮無くどうぞ。

 




壁|w・)サブタイトルが思い浮かばなかったのは秘密です。
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