異世界魔女の配信生活   作:龍翠

270 / 543
二度あることは三度あるしもっとある

 

 ギルドに入って、受付に向かう。たくさんの人が私のことを見て、ひそひそ話してる。何かあったのかな?

 受付にたどり着くと、以前にも会ったお姉さんが対応してくれた。

 

「ようこそ、隠遁の魔女様。優勝、おめでとうございます」

「ん。王様に会ってきた」

「それはそれは……。何をお願いしたのか聞いてもいいですか?」

「情報。それだけだと少ないからって、お金ももらった。美味しいもの食べたい」

「なるほど……。魔女様は美味しい物に目がない、と……」

「ん……」

 

 はっきり言われちゃうと、なんだかちょっと恥ずかしい。でも美味しいものは大事。美味しいものを食べると幸せだから。

 今日は真美がカレーライスを作ってくれるはずだから楽しみ。何のカレーライスかな。カツかな? チーズかな? もちろん何もなしでもいい。楽しみ。

 

「魔女様?」

「ごめん」

 

『心ここにあらずで何を考えていたのやら』

『話題から察せられるだろう? カレーだよ』

『真美ちゃんにおねだりしてたもんなw』

『おねだりって言うとなんかかわいいw』

 

 美味しそうな香りをまき散らしてたあの宿が悪いと思う。

 

「そろそろ次の街に行きたいから、挨拶」

「あら。それはちょうどよかったです」

「ん?」

「深緑の剣聖様から、メッセージが届いていますので」

「来てたの?」

「いえ。ギルド間で短い文章をやり取りする特殊な魔道具があるのです」

 

 聞いてみたら、ずっと昔からある魔道具みたい。短い文章を指定もしくは全てのギルドに送る魔道具。人間が作れるとは思えないから、多分精霊たちが何かやったのかも。

 もしくは、ギルドを作った人に、精霊と親しい人がいたのかも。頼めばこれぐらいの魔道具は作ってくれると思うから。かなり条件はつけられそうだけどね。

 

「内容は?」

「はい。隠遁の魔女様へ、五日後にお会いしたいとのことです。場所は、初めて会ったギルドで、とのこと。またあの部屋に集まろうと」

「ん……」

 

『アリシアさんからの呼び出しか』

『まって? ねえまって? あの部屋って、もしかしなくてもギルドマスターの部屋では?』

『逃げて! ギルドマスターさん超逃げて!』

『残念! 魔女と剣聖からは逃げられない!』

『もうやめて! ギルドマスターのライフはもうゼロよ!』

『わりとまじめに心労でやばいんじゃなかろうかw』

 

 言いたい放題にもほどがある。でも、ちょっと否定できない。アリシアさんも別の場所を指定したらいいのに。

 でも他の場所を聞かれるとちょっと困る。森は、アリシアさんが緊張するかもだし。

 

「わかった。行くようにする」

「お願いします」

 

『おいたわしや、ギルドマスターさん……』

『なんでや! ギルドマスターさん何もしてないやろ!』

『マジで何もしてないのにただただ巻き込まれてるの草なんだ』

『これもはやアリシアさんの嫌がらせでは?』

 

 それはないと思う。ないよね? ちょっと分からない。

 ともかく。五日後に行かないといけない。忘れないようにしないと。

 

「それじゃ、お世話になりました」

「はい。またいつでもお越しください」

 

 受付さんに手を振って、ギルドを出る。のんびり歩いて、時々買い食いをして……。街から出たところで、真美のお家に転移した。

 

 

 

 晩ご飯はビーフカレーでした。ごろごろしたお肉がたっぷり入ってる。お肉にカレーがしっかり絡んでいて、とても美味しい。

 カレーとお肉とライスで食べる。うん。これはとてもいいもの。

 

「もぐもぐもぐもぐ」

 

『一心不乱に食べてる……』

『そりゃリタちゃんにカレーライスを出したらそうなるわw』

『いつもの光景』

 

 真美のカレーライスはとても美味しい。好き。

 

「いつも美味しそうに食べてくれるから、作りがいがあるよ」

「おねえちゃんおかわりー!」

「はいはい」

 

 ちいちゃんもカレーライスをたくさん食べてる。美味しいよね。よく分かってる。

 

「きっとちいちゃんは大物になる」

「その評価、カレーライスが基準になってない?」

「気のせい」

「そうかなあ……」

 

 きっと気のせい。カレーライスが美味しいのが悪い。

 

「ところでリタちゃん。スマホ、震えてない?」

「気のせい」

「気のせい!? 首相さんって表示が出てるんだけど!?」

「放置していい」

「リタちゃん!?」

 

『草』

『首相<超えられない壁<カレーライス』

『知ってたw』

 

 食べ終わってから連絡するから大丈夫。

 なんだかそわそわしてる真美を見ながら、カレーライスを食べ続けた。やっぱりビーフカレーはとても美味しい。

 ちなみに、電話は明日会いたいというものだったから、明日は日本でのんびりするつもり。

 




壁|w・)闘技場編、終了。次話からはまた日本です。
どこかのギルドマスターさんには逃げる猶予ができました。
ちなみに、今回のアリシアさんのメッセージは『全ギルド』に送られてます。
つまり、あそこのギルドマスターさんも知ってるってことだよ……!


さすがに四日も休みたくないので、次の投稿は1日、その次は3日の予定です。


新作の投稿しています。
『ちっちゃい魔女の相談所 ~地球生まれの魔女、両親に冷たくされたのでお姉ちゃんと家出します。異世界からちっちゃい魔女をたくさん呼んでのんびり遊びたい~』
という作品です。
また、カクヨムでは3日分早く投稿されています。
ご興味がありましたら、是非是非。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。