異世界魔女の配信生活   作:龍翠

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お昼ご飯を考え中

 

「そろそろお昼ご飯が食べたい。何かある?」

 

 琵琶湖の周りを歩きながら聞いてみる。途中、いろんな人に手を振られて、振り返して。ちょっとだけ楽しい。

 

『琵琶湖、てことは滋賀だよな。なんだっけ』

『やっぱビワマスだろ。あれはマジで美味いから。世界一美味いから』

『赤こんにゃくとかどうかな。他では見ないものだと思う』

『ふなずしとか。滋賀だったはず』

『滋賀といえば、めちゃくちゃ美味しいバウムクーヘンがあったんじゃないかな』

 

 なんだかいろいろ料理名とか出てきてる。どれにしよう。

 

「ビワマスって、美味しいの?」

 

『俺のこめだー!』

『マスってつまりサーモンなんだけど、他のマスは海で育つんだけど、ビワマスは琵琶湖で育つんだ。湖で育つだから特有の臭みもなく、寄生虫の心配もない』

『長文乙。それにしても詳しいなw』

『漁師さんか何かか?』

 

 サーモン……。お魚なんだね。すごく美味しそう。とりあえずはビワマスというのを食べてみたい。

 

「赤こんにゃくっていうのは?」

 

『赤いこんにゃく』

『そのままやんけw』

『ほんのりと甘みがあるこんにゃくかな。あと食感がこんにゃくと違う』

 

「へえ……」

 

 それも気になる。それじゃあ、今日はその二つを食べに行こう。問題はどこで食べられるか、だけど……。

 

「どこに行けばいいかな」

 

『お昼ご飯なら、まずはビワマスかな?』

『琵琶湖の東ぐらいに美味しいお店があったはず』

『情報が曖昧すぎるだろw』

『せっかくだし近くの人に聞いてみようぜ!』

 

 ん。それはとてもいい考え。近くの人に聞いてみよう。

 ぴたりと立ち止まって、周囲を見る。大きい道を歩いてるんだけど、今もたくさんの人が私を見てる。お船の方からなぜかついてきてる人もいるし、結構な人数かも。邪魔になるよ?

 とりあえず……。道路を挟んで反対側にいるお兄さんにしよう。

 空を飛ぶ魔法で少し飛んで、反対側に移動。空を飛び始めた直後からなんだか写真とか動画とか撮られてるみたいだけど、気にしない。

 

「ねえ」

 

 そして目当ての人に話しかけると、何故かびくっと体を震わせた。

 

「え、え、ぼぼぼぼく!?」

「ん」

「えとあのその……あわわ……」

「ん……?」

 

 なんだか、すごく緊張してるみたい。どうしたんだろう。

 

『そりゃいきなり話しかけられたらそうなるわ』

『誰だってそうなる、俺だってそうなる』

『これだからコミュ障は』

『うるせーお前はなんねーのかよ!』

『なるに決まってんだろ言わせんな恥ずかしい』

『ごめん』

 

 何やってるのかな……。

 急に話しかけられると緊張する、らしい。私にはいまいちよく分からない感覚だけど、そういうものなんだろう。

 とりあえず。

 

「ビワマス、知ってる?」

「え、と……。知ってる、けど……」

「美味しいお店、ある?」

「え……」

 

 固まってしまった。困った。

 そう思っていたら、待ってください、と慌てたようにスマホを取り出してすごい勢いで操作し始めた。いつも思うけど、日本の人はスマホを使うのがとても早い。すごいと思う。

 

「こ、ここ! ここ! 昔両親に連れていってもらったんですけど、美味しかったです!」

「ふうん……?」

 

 スマホの地図を見る。琵琶湖の、東側だね。視聴者さんが言ってたお店だったりするのかな。

 ともかく、わざわざ調べてくれたわけだし、行ってみよう。

 

「ありがとう。行ってみる」

「い、いえ! あの、あの……。握手、とか……」

「ん。いいよ」

 

 日本の人は握手が好きだね。それじゃあ、握手。にぎにぎ。

 

「ちっちゃくてやわらかい……」

「ん?」

「な、なんでもないです!」

 

『はいギルティ』

『こいつぁ変態の香りがするぜ!』

『お前ら羨ましいだけだろw』

『そうだが?』

『正直でよろしい』

 

 何がいいのかはよく分からない。

 お兄さんに手を振って、空を飛ぶ。転移でもいいけど、せっかくだしどんな街なのかも見てみたいから。少し遠いからちゃんと景色は見れないかもしれないけど、琵琶湖はたくさん見れそう。

 

「じゃあ、行く」

 

 目的地に向かってスピードを上げる。ビワマス、楽しみだね。

 




壁|w・)お昼ご飯の計画しかしていない……!
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