異世界魔女の配信生活   作:龍翠

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精霊組のお食事

 

 自分のお家に転移して、とりあえずはカリちゃんも一緒にと思ってお家に入った。カリちゃんはいつも通り、部屋の中でぷかぷか浮きながら本を読んでる。カリちゃんの側にはカップに入ったジュースも浮いていた。

 

『これはひどい』

『ニートか何かかな?』

『お前らと違ってちゃんと常時魔法使ってるから』

『ニートとは違うのだよ、ニートとは!』

 

 カリちゃんは師匠を探す魔法を使い続けてくれてるから、普段はリラックスしてくれていればいいと思う。ジュースを置いていったのも私だし。

 

「カリちゃん」

 

 私が呼ぶと、カリちゃんはすぐに反応してくれた。

 

「あー。リタちゃんー。おかえりなさいー」

「ん。ただいま。お出かけしよう」

「いいですねー。どこにですー?」

「世界樹に」

「え」

 

 驚き固まるカリちゃんを魔法で引き寄せて、両手で捕獲。もちろん苦しくないようにはしてる。大丈夫。

 

「リタちゃんー。精霊さらいはよくありませんー。きゃー、さらわないでー」

「なでなで」

「わはー」

 

『なんだこれ……?』

『謎のテンションで抗議していたのに頭を撫でられて一瞬でふにゃける精霊ちゃんかわゆす』

『うちにも一匹管理精霊ちゃんください』

 

 お家がダンジョンになってもいいのなら、派遣してくれるかもしれないよ。その後どうなるかは知らないけど。

 カリちゃんを連れて世界樹の側に転移。精霊様を呼ぶと、すぐに出てきてくれた。

 

「おかえりなさい、リタ。今日はその子も一緒なのですね」

「ん。おみやげ、みんなで食べようと思って」

「おみやげですかー」

 

 カリちゃんを離してあげると、私の頭、つまり帽子にしがみついてきた。それは、ちょっと大変だと思う。帽子をアイテムボックスに入れると、今度は頭にしがみついてきた。

 

「カリちゃん?」

「落ち着くですよー」

「カリちゃんがいいなら、別にいいけど……」

 

 精霊様はなぜかくすくす笑ってる。何がおもしろいのかな。

 

『リタちゃんの頭にしがみつくカリちゃん』

『なんかかわいい』

『とりあえず保存しておいた』

 

 アイテムボックスから取り出したのは、ビワマスの押し寿司とゆるキャラの肉球饅頭。それにバウムクーヘン。あとは食べ物じゃないけど、ぬいぐるみ。今日はたくさんだ。

 

「これはなかなか美味しそうですね……」

「いただいていいのですー?」

「ん。どうぞ」

 

 精霊様は押し寿司から、カリちゃんは小さく切ったバウムクーヘンから食べ始めた。二人とも美味しそうに食べてくれてる。

 私は、ぬいぐるみと一緒に買ったおまんじゅう。ゆるキャラの肉球饅頭だって。あのゆるキャラは一応猫らしい。猫には見えなかったけど。

 その肉球……を模したおまんじゅう。

 

「つまり肉球の感触?」

 

『違います』

『無茶言わんでくれw』

『普通の白あんのおまんじゅうだよ』

 

 そうなんだ。開封して中を見てみる。猫の足みたいな形のおまんじゅう……かな? 食べてみると、甘めの白あんのおまんじゅうだった。

 うん。おまんじゅうだ。美味しい。

 

「リタちゃんー。それもいただいてもー?」

「ん。どうぞ」

 

 カリちゃんもおまんじゅうを食べて、ほー、と変な声を出してる。よく分からないけど、二個目を食べ始めてるから気に入ってくれたのは間違いないと思う。

 そうして食べていたら、ふと何かが震えてるのに気付いた。スマホだ。

 

「スマホがぶるぶるしてる……」

「なんですかそれ」

「わー……。こわしますー?」

 

『まって!?』

『それただの通知だから!』

『リタちゃんメール来てるだけだと思うよ!』

 

 なるほど。起動させてみると、メールのアイコンが目立つようになっていた。こうして知らせてくれるって、便利な機械だよね。

 

「んー……。橋本さんから」

「日本の偉い人でしたね。何かありましたか?」

「明日、時間が欲しい、だって。真美にも来てほしいみたい」

 

『待って。ねえ待って? なんで私!?』

『推定真美さん、まさかの呼び出しに慌てていらっしゃる』

『そりゃ首相からの呼び出しとか普通ないからなw』

『なんでかと言えばリタちゃんがらみだろうなあ』

 

 私もそう思う。日本で一番親しいのは真美だから。でも真美が嫌なら断るけど……。

 

『いや、大丈夫。学校もお休みだから行くよ』

『内閣総理大臣と一般女子高生の対談が実現するのか』

『なんだそれwww』

『なおリタちゃんからすれば重要度は超えられない壁があるほどに真美ちゃんが高い模様』

『首相さんかわいそうですねwww』

 

 橋本さんは会えなくなっても困らないから仕方ない。とりあえず、明日はまた日本だ。その後もまた観光に……。

 

「ではリタ、お昼からはこちらに時間をください。お話があります」

「ん? お話?」

「大事なお話です」

 

 大事なお話……。なんだろう? 精霊様はとても真剣な表情だ。とっても真剣な表情で、ゆるキャラのぬいぐるみを抱いてもふもふしてる。肌触り、結構いいよね。

 

『ツッコミどころはここですか?』

『大事な話です(キリッ)』

『両手はもふもふもふもふ』

 

「べ、別にいいでしょう!? なかなかかわいいぬいぐるみですから!」

 

 ん。いいと思う。ぬいぐるみ、かわいいからね。きっとあのぬいぐるみもまた、世界樹に飾られるんだと思う。そのうちぬいぐるみ専用の飾る枝ができていても私は驚かないよ。

 それじゃあ、明日は真美と一緒に首相さんとお話で、お昼からは精霊様とお話。二人とも何のお話か分からないけど……。楽しみにしておこうかな。

 ふと精霊様を見たら枝にぬいぐるみを飾っていた。うん。いいと思う。ぬいぐるみ、かわいいよね。

 




壁|w・)お家に管理精霊が棲み着くと、お家がダンジョンになる……かも?
なお、生きて脱出できるかは謎です。拾った宝くじが一等だったぐらいの確立で脱出できるかな……?
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