異世界魔女の配信生活   作:龍翠

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当然のように安価

 

 師匠は精霊様と改めてゆっくりお話しする、ということで、世界樹の前に送り届けて。私はスカイツリーにいる。一番高いところ。ここも久しぶりの気がする。

 

「それじゃあ、安価する」

 

『安価きた!』

『待ってぜ! この時をよ!』

『次も琵琶湖を』

『まだいるのかよ琵琶湖ニキw』

 

 さすがに同じところの連続は避けたいところだよ。

 ルールは、いつも通り。私が手を叩いてから十番目のコメントで、外国はなしだ。どこになるのか楽しみだね。

 

「準備はいい?」

 

『おk』

『いつでもこいや!』

『あ、でも十秒待ってから手を叩いてくださいお願いします』

 

 十秒、だね。それじゃあ、ゆっくり心の中で数えて……。ぱん。

 

『琵琶湖!』『ニューヨーク』『パリ!』『オーストラリア』『桜島』『カステラ!』『鳥取きて!』『那智の滝』『青森とか』

 

『動物園どう? ぬいぐるみかわいいよ』

 

『三重!』『高知県で!』『台湾』『松山城見てみたい』『沖ノ鳥島とかw』

『さて結果は?』

『おう外国はなしだっつってんのに増えてるやないかい』

『誰だよ沖ノ鳥島言ったやつw 無人島だろうがw』

『十番目は動物園』

『どこのだよw』

『ぬいぐるみはまあだいたいかわいいけどw』

 

 動物園、だね。うん。どこの動物園に行けばいいんだろう。何かこことかあるのかな。

 

「動物……。お馬さんを思い出すね。あのお馬さん、元気かな」

 

『ちゃんと元気。また会いに来てね』

『いるのかよ関係者w』

『そりゃあの時もコメントから決まったぐらいだしw』

 

 また行きたい。日本のお馬さんはかわいいから。

 うん。せっかくだし、北海道の動物園に行こう。あとついでにお馬さんにも会えたらいいかも。北海道の動物園は、どこかな。

 

「真美。真美」

 

『はいはーい。なに?』

『困った時の真美ちゃん頼み』

『相変わらず返事が早いw』

 

「北海道の動物園はどこ?」

 

『旭川にある動物園、かな? 他にもあると思うけど』

 

 スマホを取り出して調べてみる。えっと……。うん。そもそもとして読めない。

 

「漢字が読めない」

 

『あさひかわ、だよ』

『あー。まあ確かにあまり使わない漢字やな』

『俺も知ってはいても読めんかったわw』

 

 あさひかわ、だね。あ、さ、ひ、か、わ……。北海道の旭川市。見つけた。動物園以外にも何かあるかな。

 

『今思ったら北海道二回目か』

『ほんまやなにそれずるい!』

『二回目ってありなん!?』

 

「ん? 別にいいよ。二回目がだめ、なんて言ってないと思う」

 

 十番目のコメントが外国じゃなければどこでもいい。二回目でも三回目でも行くと思う。さすがに同じ場所に連続で、みたいになったらやり直すけど。

 

『よっしゃ琵琶湖また狙うぞ!』

『琵琶湖ニキは自重して?』

『そういえば東京も大阪も複数回あったな』

 

 旭川市は……ラーメンがたくさんあるみたい。じゃあラーメンも食べに行こう。楽しみ、だね。

 場所は北海道の……真ん中ぐらい。少し上空に転移、と。

 

『相変わらずいきなり転移するなあw』

『さらっと上空に出るのやめよう?』

『よっしゃリタちゃん見えた!』

 

 あまり高い建物がないみたいだから低めに転移したからか、地上からもう手を振ってる人がいる。とりあえず振り返しておこう。いや、見えないだろうけど。

 

『あかん! 配信では振り返してくれてるって分かるのに見えねえ!』

『でしょうねw』

『振り返してもらえてるだけ羨ましいんだが? ぶっ殺すぞテメエ』

『落ち着けwww』

 

 ん……。とりあえず、ここが動物園で間違いないみたい。入り口は……あそこだね。空を飛んで移動して、正門に到着。人気の動物園なのか、人がいっぱいだ。

 

「あ! リタちゃんだ!」

「やばい本物だ!」

「え、こっち来たの!?」

 

 ゆっくり地上に降りて、列に並ぶ。ここで入場券を買うみたい。値段は……千円だね。

 私が列に並ぶと、前の人が何度も振り返ってきた。なんだろう。

 

『気持ちは分かるw』

『いきなり後ろにリタちゃんが来たら二度見三度見する自信があるわw』

『なんだその変な自信……。俺もだけど』

 

 いつものことだけどよく分からない。

 

「あの……。動物園に来た、でいいの……?」

 

 目の前の人が話しかけてきた。真美と同い年ぐらいの女の人。動きやすい服装だけど、学生でいいのかな?

 

「ん。安価で決まった」

「あ、例の……。そうなんだ……」

 

 ちょっとおとなしそうな人、かな? なんだか少し発言に困ってるような、そんな感じだ。

 

「学生さん?」

「あ、うん……。夏休みだから……」

 

『夏休み、だと……?』

『そういえば、そんなものもありましたね』

『夏休み……いいなあ……』

 

 視聴者さんからすると羨ましいものらしい。学生さんはそんなコメントが流れる黒い板を見て、なんとも言えない苦笑いをしていた。

 

「ここ、初めてだよね……?」

「ん」

「わたしは何回か来ていて……。案内、いる?」

 

 案内。どうしようかな。あった方がやっぱり楽しいかも。どこに何があるのかも分からないし。

 

「ん」

 

 私が頷くと、学生さんはちょっとだけ驚いたみたいだった。本当に頼んでくるとは思わなかったみたい。でもやっぱりだめとは言わないみたいで、がんばる、とちょっと気合いを入れていた。

 




壁|w・)動物園。どこ、とは明言しません。
多分あそこだろうな、とは思っても書かないでくださいね。
なおモデルにしただけなので、一部違う部分もあります。
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