異世界魔女の配信生活 作:龍翠
ふみさんに案内された場所は、ペンギンのスペース。ここにペンギンがたくさんいるらしい。入ってみると、ペンギンを近くから見れるところと、水槽の中を通る水中トンネルの二カ所があった。
とりあえず、近くから見てみる。
「おー……」
ペンギンいたね。ぺたぺたと水槽の周りを歩いてる。かわいい。
「ん……。かわいい」
「で、ですよね……!」
『ペンギンは動物園でもかなり人気だからね』
『ぺったぺった歩く姿に癒やされる』
うん。歩く姿がかわいいと思う。でもあんなにゆっくり歩いて、他の動物に捕まったりしないのかな。
そう思っていたら、ふみさんに水中トンネルに案内された。
「おー……」
ペンギンが泳いでる。しかも結構速い。トンネルの周りをすいすいと泳いでる。
「ペンギンは、鳥?」
「一応……鳥です……。でも飛べなくて……泳ぐ方が……得意……」
「へえ……」
飛ばない鳥なんているんだ。その代わりに泳げる、と。泳ぐことに特化した鳥なんだね。不思議な動物だ。もふもふは……してないみたいだけど。残念。
『ちなみに冬とか雪が積もってる時に来ると、ペンギンが園内をお散歩します』
『それもまたかわいいんだ』
「なにそれ。見てみたい」
雪とかでいっぱいにすればやってくれるかな? ちょっと思ったけど、さすがにやめておいた。少しだけ暗くする、とかならともかく、気温を下げて雪を積もらせるなんてことをすると、悪影響がどこまで出てくるか分からない。ここの動物たちも混乱しそうだし。
できれば冬にまた来てみたいね。
次に来たのは、アザラシのスペース。ペンギンと同じで近くから見れる場所と、屋内の場所があるみたい。屋内の場所は円柱の水槽があって、アザラシが泳ぐ姿を見れるのだとか。
アザラシも泳ぐ動物ってことだね。海の生き物なのかな。どんな動物なんだろう。
そうして水槽の方で見たアザラシは……。
「ひなたぼっこしてる……」
「ですね……」
水槽から出てひなたぼっこしていた。えっと……。いいの? かわいちゃうけど。いいの?
あと、白い小さなアザラシもいる。子供のアザラシかな? ふわふわしてそうでかわいい。ちょっと撫でてみたい。でも勝手に入ったら怒られるだろうし……。
そう思っていたら、中にいた人と目が合った。
「あれ……。もしかしなくても、リタちゃん?」
「ん」
「わあ、本物だ……!」
中の人、飼育員さんはそう言うと、側にいた白いアザラシを抱き上げた。アザラシが不思議そうに飼育員さんを見てる。飼育員さんはにこにこ笑顔でこっちに歩いてきた。
「ほら、リタちゃんだよー。挨拶しよっか?」
挨拶。鳴くのかな。小さい子だし、きゅう、とか?
「ぎゅあ!」
「…………。鳴き声はかわいくない……」
『草』
『まあそういうもんですw』
『でも見た目はかわいいでしょ?』
「ん。すごくかわいい」
白くてふわふわしていて、とてもかわいい。お土産コーナーにはこの白いアザラシをモチーフにしたぬいぐるみも売ってるらしい。この子をモチーフにした、というよりは、白い子供のアザラシをモチーフにした、だろうけど。
「撫でてみます?」
「いいの?」
「特別ですよ」
というわけで、ちょっとだけ撫でさせてもらった。おお……。ふわふわだ。ふみさんも一緒に撫でさせてもらっていて、わあ、と小さな声を上げてる。
「ばれたら怒られちゃうので、そろそろ戻りますね!」
飼育員さんはそう言って、他のアザラシの方へと戻っていった。配信してるからばれると思うけど、言わないでおこう。
アザラシ、すごくかわいいね。子供のアザラシももちろんかわいいけど、大人のアザラシもかわいいと思う。ひなたぼっこしていて、気持ちよさそう。ひなたぼっこで寝るのはいいよね。分かる。
「私もひなたぼっこしてお昼寝したい」
『最近わりとやってるのでは?』
『畳の上で猫のように丸くなって眠るリタちゃん』
『気持ちよさそうで羨ましいです……』
うん。実際すごく気持ちいいよ。
建物の中に入ってみる。円柱の水槽もすぐに見つけられた。おお……。アザラシが上から下へ、下から上へ泳いでる。なるほど、泳ぎ方がよく見えるんだね。
うん……。すごく良かった。そろそろ次に行こう。
次に入ったのは、ホッキョクグマのスペース。ホッキョクグマ。白い熊、だね。白い熊。
「白い熊」
「はい……」
「おそろい」
「はい……。はい?」
『おそろい?』
『毛がってこと?』
うん。ホッキョクグマは、ちょっと汚れたりもしてるけど、全体的に白い。私の髪も見方によっては白色だろうから、おそろいだと思う。
ホッキョクグマは私を見て、何故か動きを止めた。じっと見つめ合う。じっと。じいっと。
『なにこれ……?』
『さてはこの熊、相手は頂点捕食者だと理解したな?』
『なにそれこわい』
いや、当たり前だけどさすがに食べないよ。動物園だし。もし森にいたら……一度は食べるかもしれないけど。少なくともここでは食べないよ。本当に。
「ホッキョクグマは、北極に住む熊?」
「そうです……。野生ではアザラシを……食べています……」
「おー……」
アザラシ。さっきのスペースにいた動物、だね。弱肉強食。自然の摂理だ。仕方ない。どっちもかわいいのにね。
『リタちゃんはあんまりそういうのは気にしない感じ?』
『バカかお前、リタちゃん自身が弱肉強食の世界で生きてる野生児だぞ』
野生児言うな。否定はできないけど。
ホッキョクグマも、うん。かわいかった。かわいい動物がいっぱい、だね。それじゃあ、次だ。一日で見て回りたいから、どんどん行こう。
壁|w・)出張版テイマー姉妹なのりになってる気がする……!