異世界魔女の配信生活   作:龍翠

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動物たち

 

 次は、猛獣スペース。ライオンとかヒョウとかがいるらしい。どれも肉食の動物だって。というわけで、見に来たんだけど……。

 

「これが、肉食の動物?」

「そうです……」

「…………。小さくて、弱そう」

「えっと……」

 

『リタちゃん、どこの動物と比べていらっしゃるので?』

『精霊の森の動物と比べてやるなよ!』

『そっちが異常なんだから!』

 

 ひどい言われようだ。いや、私の世界でも森の外を考えると、やっぱりあの森がおかしいというのは分からないでもないけど。

 檻の方に近づいてみる。オスのライオンはたてがみというか、もふもふな毛がある動物みたい。メスはそういうのがない、らしい。不思議な生態だね。あのもふもふが多い方がライオンにとってかっこいいとかあるのかな。

 私が檻の側まで近づくと、全ての動物が私をじっと見つめてきた。なにこれ。

 

『なにこれ』

『あからさまにリタちゃんを警戒してるw』

『肉食動物が怯える……テンプレですね!』

 

 そんなテンプレはいらないと思う。別に警戒してなくても、取って食べたりしないのに。

 

『ちなみにもし森の中でライオンを見かけたらどうしますか?』

 

「一度は食べる」

 

『ア、ハイ』

『肉食動物を食べる肉食少女』

『なにそれこわい』

 

 だってやっぱり、お肉の味は気になるからね。でも君たちは食べないから。だからそんな、私が食べるって言った瞬間にびくっと震えないで。申し訳ない気持ちになるから。

 なんだか怯えさせるだけのような気もするから、早めに離れることにした。近くにいた飼育員さんに笑われていたのは気のせいだと思いたい。

 

 

 

 次のスペースは、レッサーパンダ。

 

「…………」

「あの……リタちゃん……?」

「かわいい」

「あ、うん……」

 

 なにあの小さくてまるっこい動物。とてもかわいい。もふもふしたい。一匹連れて帰りたい。

 レッサーパンダは檻の中をうろうろしていたり、木登りしていたり、小さい橋を渡ったり、木の上でお昼寝していたり……。どの子もすごくかわいい。

 

『ほほう、リタちゃんはレッサーパンダがお気に入りですか』

『いいよね、レッサーパンダ……。尻尾も魅力的』

『お顔もかわいいんだ……』

 

 ちょっと撫でたりしてみたいけど、さすがにだめだと思う。今回は飼育員さんもいないみたいだし。

 そう思っていたら、頭上のレッサーパンダ用の吊り橋からころんとレッサーパンダが落ちそうになっていた。とりあえず魔法で浮かせてあげる。橋に戻してあげよう。多分落ちても大丈夫なんだと思うけど、落ちちゃったら痛そうだからね。

 レッサーパンダは不思議そうにきょろきょろしていたけど、吊り橋を渡って木登りをし始めた。あとでぬいぐるみ買いたい。あるかな?

 

 

 

 その後もいろいろ見て回った。オオカミもいたよ。ただやっぱり森のフォレストウルフとかよりもずっと小さかった。小さくてかわいい。犬みたいだったね。

 タヌキとキツネも見た。タヌキはなんだか全体的にまるっこいふわふわな生き物。キツネは犬にちょっと似てる。

 タヌキは、みんなが言うにはおっとりとした生き物らしい。野生でどうやって生き残ってきたか不思議なぐらいに。驚くと固まっちゃうらしいよ。食べられそう。

 キツネもかわいいけど、野生で見かけても触ったりはしない方がいいらしい。寄生虫を持ってるのだとか。私は魔法でどうとでもなるけど、確かに魔法がないなら危ないかも。なんだっけ、えきのこっくす……? 気をつけないといけないね。

 

 不思議な動物は、キリンとか。とっても首が長い動物で、高いところの餌とかを食べてるみたいだった。野生でも高い木の上の葉っぱとかを食べてるのかも。他の動物が食べにくい場所だろうから、エサがちゃんと食べられるようにってそうなったのかも。進化ってやつだね。すごい。

 そうして見て回って、最後に立ち寄ったのはカピバラのスペース。なんだかちょっと見覚えがある形。んー……。

 

「真美の部屋にあるぬいぐるみに似てる……」

 

『ああ、うん。カピバラのマスコットのぬいぐるみ置いてるからね』

『なんか一時期からめちゃくちゃ人気になったからな、カピバラ』

『ぬいぐるみはめちゃくちゃもふもふしてるんだけどなあw』

 

 確かにぬいぐるみはもふもふしていた。でも、こうして本物を見ると……。あんまりもふもふしてない気がする。

 じっとカピバラを見てると、中で掃除をしていたらしい飼育員さんが話しかけてきた。

 

「ちょっとだけ撫でてみます?」

「いいの?」

「ええ。特別、ですよ?」

 

 ん……。本当は、だめ。大丈夫。分かってる。

 飼育員さんに案内されて、建物の中へ。飼育員さんが連れてきたカピバラをちょっと撫でさせてもらった。それにしても、おとなしいねこの子。抱き上げられてもじっとしてる。鼻をぴくぴくとさせてるけど。

 んー……。見た目はふわふわそうなのに……。なんだろう、ごわごわって言えばいいかな。ちょっと毛がかたいかも。

 同じように撫でさせてもらったふみさんが言うには、たわしみたいな感触、らしい。たわしって掃除で使う道具だったっけ。私は使ったことがないけど、そういうものらしい。

 

「イメージと違う」

「あはは。初めてカピバラに触った人はみんなそう言いますよ」

 

『触れ合える場所で触ったことあるけど、最初のイメージのままだと衝撃的だったなあれはw』

『でもおっとりとしてるのがかわいいんだ』

『そこの動物園だとサルにちょっかいをかけられて素早く逃げるカピバラもたまに見れるはず』

 

 なにそれ。ちょっと見てみたいけど……。カピバラがかわいそうだね。やめておこう。

 最後にもう一度カピバラを撫でてから、飼育員さんに手を振ってその場を離れた。

 動物はだいたい見て回った、かな? たくさん日本の動物を見れて、満足。かわいいものもたくさんいた。小さいもふもふな動物はやっぱりかわいいと思う。

 うん……よし。

 

「ふみさん」

「はい……?」

「ぬいぐるみが欲しい」

「分かりました……。お土産コーナー、行きましょう」

 

 ちゃんとあるみたい。ぬいぐるみ、楽しみだね。

 




壁|w・)レッサーパンダがお気に入り。
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