異世界魔女の配信生活   作:龍翠

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壁|w・)ここから第35話のイメージです。



電車のチケット

 

「それじゃあ、他に日本、というより地球からそちらの世界に転移した人はいないんだね?」

「ん。それは間違いないって精霊様も言ってた」

 

 勇者なコウキさんを日本に送り返してから、一週間後ぐらい。首相の橋本さんとお話し中。とりあえず精霊様から聞いたことを報告しておいた。

 今回が例外中の例外だったみたいで、地球から私の世界に転移してきた人はもういない。精霊様も全ての精霊に確認させたって言ってた。惑星を移動する大規模な転移の魔法陣も、私が使っているもの以外はもう存在しないことも確認した、だって。

 

「でも、もしも他の世界が同じような魔法陣を使っていた場合は、さすがに分からないよ。私の世界でも師匠が召喚されちゃったことがあるぐらいだから」

「そうか……。分かった。それだけでも分かれば十分だよ」

「ん」

 

 そんな感じで橋本さんとのお話は終了。特に怒られることもなかった。一安心だ。

 

『よかったよかった』

『国際問題ならぬ星間問題に発展するかと』

『リタちゃんの世界と戦争ですか!?』

『地球に勝ち目があるんですか……?』

 

 そこまでの問題になったらそもそもこっそりと来るようにするだけだから大丈夫だよ。

 

「この後はどうするのかな?」

「んー……。安価かな? 日本に来たんだし」

 

『安価!?』

『よっしゃ今度こそ長野に来てもらうぞ!』

『琵琶湖に……』

『琵琶湖ニキはまだ満足してないのかよw』

 

 みんなもなんだかんだと楽しんでくれてるから、安価も悪くないと思う。またあのとっても高いなんとかツリーの上に行って、安価でも……。

 

「その……。視聴者の人には怒られるかもしれないけど、ちょっとチケットが手に入ってね」

「ん?」

 

『チケット……だと……?』

『もしかしてリタちゃんと二人で出かけるつもりか!?』

『なんだあ……テメエ……』

『クーデター待ったなし』

 

「血の気が多すぎないかな? 違うからね?」

 

 視聴者さんはいつもこんな感じだから気にしないでほしい。

 それで、チケットってなんだろう。首相さんから渡されたのは、電車の切符、だと思う。いつかの新幹線の切符に似てるけど……。なんだか、とっても長い。二枚分以上の長さがある。

 

『それはまさか!?』

『最近はやりの!』

『夜行列車の切符だあああ!』

『よく分からない俺、置いてけぼりで涙目』

 

 夜行列車。確か、夜の間に走って移動する電車、だよね。そういうのがあるって知ってるだけで、詳しくはよく分からないけど……。これはその夜行列車のチケットみたい。

 

『日本で定期運行されている最後の夜行列車やな』

『期間限定で運行するやつはあるけど、毎日往復してるのはその列車だけ』

『最近は謎の人気でなかなか手に入らない切符だよ』

『ちょっと羨ましい』

 

 そういう電車らしい。寝台特急、というものらしくて、夜に乗って寝ている間に目的地に着く、みたいな電車みたいだね。ちょっと楽しそう。

 

『ちなみに席の種類はなんですか?』

「ん……。これ」

 

 よく分からないから切符を光球に近づけた。これで分かるかな?

 

『シングルデラックスだあああ!』

『一番良い部屋だあああ!』

『いいなあああ俺も乗りたいなあああ!』

 

 おー……。一番良い部屋。なんだかちょっと特別感がある。

 

「ホテルのスイートルームみたいなやつ?」

 

『そこまでじゃないw』

『寝台特急にそんな規格外を求めないでくださいw』

『ビジネスホテル程度、かな?』

 

 まずビジネスホテルが分からないから、ちょっと想像ができないけど……。でも、寝ながら移動する電車の部屋としては、かなりいいものみたい。

 しかも視聴者さんの話では、そう簡単に切符を取れるものでもないんだとか。すっごく競争率が高いらしい。

 

『なんでそんなものを持ってるんだこの人』

『乗るつもりだった、とか?』

 

「私がじゃないけどね。職員が乗る予定だったらしいんだけど、別件で乗れなくなったらしくて……。どうせならリタちゃんにどうですかって渡されたんだ」

「おー……」

 

 じゃあ、もらってもいいものみたい。切符の日時は、今日、だね。出雲市駅っていうところから発車みたいだ。出雲市駅ってどこ?

 

『これリタちゃんじゃなかったらキレるやつw』

『東京から出雲に行って、夜行列車で東京に戻るのか』

『何がしたいんだって言われそうw』

 

 そう言われると確かに変な感じだね。私は場所さえ分かれば転移で行けるから問題ないけど。

 橋本さんが地図を出してくれたから、場所を確認してみる。えっと……。島根県、だね。まだ行ったことがない場所だ。

 

「じゃあ、島根県もいろいろ見てくる」

「ああ。是非楽しんでほしい」

 

『よっしゃあああ島根だああ!』

『島根県民の俺大歓喜』

『いやあ、安価に勝てなくても来てくれるなんて最高だなあ!』

『くっそ羨ましいんですが』

『こいつら全員ぶちのめしたい』

 

 ケンカはよくないよ。仲良くしてほしい。

 それじゃあ、島根県だ。でも観光の前に、精霊様にお泊まりのことを伝えないと、だね。

 




壁|w・)今回は島根県&夜行列車!
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