異世界魔女の配信生活   作:龍翠

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連結作業

 

 場所をしっかりと確認して、岡山駅に到着。駅の上空から直接ホームに行くのは危ないらしいから、今回はホームに直接転移した。

 ただ人とぶつかると危ないから、ちょっと上を意識して転移して、床に着地。これでよし。

 

「本当に来た!」

「リタちゃんだー!」

 

 なんだかそんな声がすぐ側で聞こえてきた。制服を着た女の人が三人ほど。見た目は真美と同い年ぐらい?

 

「ちっちゃくてかわいー!」

「握手して握手!」

「写真いい?」

「ん……」

 

『気のせいかリタちゃんが押されてるw』

『圧が……すごい……!』

『ていうか学生がこんな時間に出歩くなと』

 

 そうだよね。もう夜だよ。きっとちいちゃんも寝てる時間だ。真美は普通に起きて配信を見てそうだけど。

 

「なんだっけ。子供は早く寝ないといけない」

「えー。リタちゃんの方がちっちゃいよ?」

「…………」

 

『その通りだけどさあ!』

『見た目! 見た目だけだから!』

『実年齢は大人だから……!』

 

 んー……。まあ、いいかな。私が説得するのも違うと思う。ただ、危ないことに巻き込まれないように気をつけてほしいね。

 とりあえず握手して、写真も撮っておいた。周りがちらちら見てきてるから、電車が来るまでは同じことをやることになりそう。でも夜行列車がとまるホームに行かないと……。

 さっと駅を見回すと、すでにとまっている夜行列車があった。あれが、別の場所から走ってきた夜行列車なんだと思う。あの列車の後ろにくっつくってことだね。

 

「ちょっと移動する」

「またねー!」

 

 学生さんに手を振って、もう一度転移。今度は夜行列車の側だ。幸い、人はあまりいなかったから転移は簡単だった。

 連結する場所は……分かりやすい。人だかりができてるから。

 

「みんな見たいものなんだね」

 

『あまり見れるものではないので』

『でもリタちゃんの方が見たいです』

『ちょっと握手会をやりませんか?』

『どさくさに何を求めてんだよw』

 

 私と握手して何が嬉しいのか理解できない。理解できないからちょっと怖い。だからやらない。

 みんなすでに集まっていて、このままだと連結はちょっと見れないかもしれない。無理矢理前に出ようと思えば出られるけど、それはちょっとだめかなって。だから、見やすい場所に行こう。

 具体的には、みんなのちょっと上から。箒も取り出して、そこに座っておこう。これでよし。

 すでにとまってる列車の一番後ろ。ドアになってるのかな? そこが開いていて、何かいろいろ作業してる。連結するための準備かもしれない。

 その人たちが私に気づいて、ちょっと驚いて、なんだか笑顔で手を振ってきた。私も振り返しておこう。ふりふり。

 そうすると、写真を撮っている人も私に気づいたみたい。振り返ったり顔を上げたりして、驚いてるみたいだった。

 

「しゃ、写真! 写真撮らないと!」

「連結の写真は!?」

「ばっかお前! 連結の写真はまた撮れるんだよ! リタちゃんとはもう二度と会えないかもしれないんだぞ!」

「なるほど!」

 

 なるほどじゃないと思う。

 

『とても……分かる!』

『なんなら一度も会えないまであるから……』

『そしてカメラを向ける者たち』

『多い多いw』

 

 本当に、みんなで撮らなくてもいいと思う。私は連結作業というのを見たいだけなんだから。

 

「り、リタちゃん! 上からだと見づらいだろ!? どうぞ、前へ!」

 

 一番前にいた人がそう言ってきた。

 

「ん……。いいの?」

「もちろんです! その代わり、それを写真に……」

「ん」

 

 別に、写真ぐらいなら勝手に撮ってくれていいから。

 一番前を開けてくれたから、そこに下りる。うん。こっちの方が見やすいね。

 なんだか周りの人が入れ替わり立ち替わり写真を撮っていくけど、私は気にせず夜行列車をずっと見ていた。

 

『ちょっとしたイベントみたいになってるw』

『カメラ持ってなかった人もスマホで撮ってるからなw』

『普通のサラリーマンも撮りに来てるw』

 

 しばらく見守っていたら、私が乗っていた列車もやってきた。そうして、すでにとまってる列車の少し前でとまって、作業が始まる。一番先端かスライドみたいに開いていった。

 

「おー……。かっこいい」

 

『かっこいいのか……w』

『ちょいちょい男の子みたいな感性が見れる』

『男手一つで育てられてるからね』

 

 関係ない……と思う。多分。

 準備ができたみたいで、また列車が進んで……。がちゃん、と列車が繋がった。何か、柔らかい布……布ではないかな? ともかく、そういうので列車を繋げてる。多分、前と後ろを繋ぐ道になるんだと思う。

 そうして繋がったら……終わり、かな? うん。いいものが見れた。

 私が満足していたら、周りの人がばたばたと動き始めた。慌ててるみたいに電車に乗っていく。すぐに出ちゃうのかな? 私も自分の列車に乗ろう。

 

『なんだかんだと、初めて夜行列車の連結って見た気がする』

『同じく』

『ぶっちゃけ興味なかったからな!』

『おいwww』

 

 興味がなかったら見ない、というのは仕方ないかも。私も言われなければ見なかっただろうから。

 あとは……お部屋でゆっくり、かな? お菓子でも食べながらまったりさせてもらおうかな。あとは寝るだけだろうから。

 




壁|w・)私は連結作業を見たことがありません……。
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