異世界魔女の配信生活   作:龍翠

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簡単キャンプアヒージョ

「簡単キャンプアヒージョだ!」

「おー」

 

 とっても良い香り。美味しそう。ただ量はあまり多くないから、味見程度になりそうだね。

 

『リタちゃんには物足りない量になってそう』

『リタちゃんにあげるならその百倍は用意しないとだめでしょおばか!』

『無茶言うなw』

 

 百倍用意されてもさすがに困るよ。

 部長さんがチーズにナイフを入れると、とろとろのチーズがふわっと出てきた。小皿にのせてもらって、まずは一口。

 

「とろとろ……!」

 

『美味しそう』

『ニンニクのオリーブオイルの香りがしっかりと感じられるんだよね』

『視聴者ニキに後ろから刺された気分だよ』

『なんで!?』

 

 私が言いたかったことを言ってくれたからもう何も言わなくてもいいよね。

 丸いチーズだったから、四等分。世菜さんと部長さん、竹中先生も食べてる。みんなとってもいい笑顔。

 

「これはうまいな……。学校で食べるものじゃないが……」

「あははー。竹中先生はお酒が飲みたくなるんじゃないですか?」

「言わないでくれ……!」

 

 お酒のお供にいいんだね。私にはよく分からない。私はお酒を楽しめないから。

 

「お酒を飲むと、その後の記憶が飛んじゃう。そういえば、前の時ってまだ配信やってたよね?」

 

『あー……』

『俺たちシッショに口止めされてるから……』

『ついでに精霊様が検閲してるのか、あの場面に関わることを書こうとしたら自動的に削除されてるっぽいです』

『なにそれこわい』

 

 本当に怖い。そんなことやってたんだ。むしろ私、本当に何をやったんだろう。師匠からも気をつけろって言われてるだけだし……。分からない。とても、気になる。

 でも、美味しかったかどうかすら覚えてないから、その程度、だね。美味しいって覚えていられないものはそこまででもないかなってなってくる。

 ともかく。今は目の前のご飯だ。

 

 こんどは、ベーコンを巻いたウインナー。粗挽き? というやつを使ってるんだって。それじゃあ、早速。

 こっちにもニンニクとオリーブの香りがしっかりとついてる。でも嫌になる香りじゃなくて、食欲をそそるいいあんばい、というやつだ。

 一口食べる。ベーコンのおいしさの直後に、ウインナーの楽しい食感。パキッとしていて、ちょっと楽しい。ベーコンとウインナー特有の味に香りがまざって、とっても良い感じ。美味しい。

 残念なのは、一人二個しかないこと。とても、残念。

 

「あたしたちはこの後家で晩ご飯があるからなあ」

「いっぱい食べちゃうと、どうしても、ね……」

「ん」

 

 それは仕方がない。だから文句なんて言わないよ。ちょっと残念ではあるけど。

 

「ふむ……。あまり手間はかからなそうだし、家でやってみるか……」

「あれ? 竹中先生、料理できるんですか?」

「休みの日は妻と一緒に家事全般やってるからな」

「おお! できる旦那さん!」

 

 これなら簡単そうだし、私も自分でやってみてもいいかも。大きいフライパンでもできるのかな?

 そうしてご飯を食べ終わった後は、洗い物、なんだけど。こっちは魔法でさっと済ませておいた。こういう時に洗浄の魔法はとても便利。

 

「おお! すっげえ!」

「いいなあ、私も使えたらいいのに……!」

「これは確かに羨ましい……」

 

 ちいちゃんもこれを使いたがってるぐらいだからね。まあ……。そうそう使えるようにはならないだろうけど。

 片付けを終えたら、部室に戻る。火を使う料理が終わったから、竹中先生は自分の仕事に戻っていった。先生はまだ仕事が終わらないみたい。大変な仕事だ。

 世菜さんと部長さんも、そろそろ帰る時間、とのこと。残念だけど仕方ないね。

 

「リタちゃん、今日は来てくれてありがとう」

「またいつでも来てくれていいからな! あたしたちが卒業するまでだけど」「

「ん。また遊びに来る」

 

 というわけで、二人とは部室の前でお別れ。この後はどうしようかな?

 

「真美。真美。晩ご飯何かある?」

 

『流れるように真美ちゃんに晩ご飯をねだる魔女』

『そんないきなり言ってもさすがに晩ご飯が出てくるわけが……』

『ないだろなんて言いながら、まあ真美ちゃんのことだからあるんだろうなって』

『用意してないかな!』

 

「え」

 

『なあ!?』

『な、なんだってー!?』

『真美ちゃんが……リタちゃんの晩ご飯を用意してない、だと……!?』

 

 い、いや……。別にそれは悪いことじゃないんだけど……。私も頼んでないから仕方ないし……。でも、うん……。これは、反省しないとだめだよね。真美に頼りすぎだってことだから。真美だって、いい加減そろそろ迷惑に感じてもおかしく……。

 

『学校帰りのハンバーガー食べに行くんだけど、リタちゃんも来るよね?』

 

「行く」

 

『さすがやで真美ちゃん!』

『いったん突き落としてからの持ち上げよ』

『一生ついていきます!』

 

 ハンバーガー。学校帰りに食べるんだって。だから晩ご飯を用意してないらしい。あれ? でも、ちいちゃんは……。

 

『ちなみにちいも一緒だよ』

 

「ん。楽しみ」

 

『ふふ。私の学校の前にいるから、待ってるね』

 

 晩ご飯は、ハンバーガー。お店だったらいっぱい食べられるかも。どのハンバーガーを食べようかな。確か、テイクアウトとかもできるんだよね。お土産も兼ねていっぱい買おう。

 

「師匠。師匠。何が食べたい? ていくあうとする」

 

『ダブルチーズバーガーのピクルス抜きで頼む』

『なんだあテメエ……』

『ピクルスを抜くとか正気かお前』

『恥を知れ恥を!』

『なんでこんな怒られてんの……?』

 

 ダブルチーズバーガーのピクルス抜き、だね。ちゃんと買おう。

 それじゃあ、真美の学校に転移だ。ハンバーガー、とても楽しみ。

 




壁|w・)ピクルス抜きのハンバーガー? なめてんのかテメエ。
なお私は嫌いとは言いませんが、邪魔だとは思ってm……なんでもない。
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