異世界魔女の配信生活   作:龍翠

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ハンバーガーいっぱい

 

 お持ち帰りのハンバーガーは後で渡してくれるとのことで、今は食べていくハンバーガーだけ。ダブルチーズバーガーのセットを食べていくことになった。あとは、普通のハンバーガー。

 セットについてくるのは、ポテトとジュース。ジュースはもちろんオレンジジュースだ。真美はコーラを頼んでいた。すごい。

 お店の二階にある飲食スペースに向かうことになった。一階にもスペースはあるけど、あまり広くないから、だって。

 そうして二階に向かったら……。

 

「リタちゃんだ……」

「本物だ……」

「写真写真」

 

 そんな声が聞こえてきた。いつもの、だね。

 

『こいつら……!』

『おまえらわりと写真撮る機会多いだろちくしょー!』

『俺も心桜島の学生だったらなー!』

 

 二階はわりと広い。たくさんのテーブル席がある。窓際はカウンターになっていて、外の景色を眺めながら食べることもできるみたい。

 でも、今回はとりあえずお部屋の隅っこで。あまり目立たない席……ではあるけど、完全に隠れるわけじゃないからちょっと視線は感じる。これぐらいは仕方ないだろうけど。

 

「それじゃ、食べよっか」

「ん」

 

 ごはん。ハンバーガー。とても、楽しみ。

 包み紙を外していく。まずは普通のハンバーガー。丸いパンにハンバーグ、レタスを挟んでる。他にも特製のソースとか、ピクルスというのも入ってる。

 そういえば、師匠はピクルスが苦手なんだっけ。ちょっと食べてみよう。ピクルスをつまんで、ぱくりと。

 

「リタちゃん、はしたない」

「ごめんなさい」

 

『お母さんかな?』

『ママ味を感じる……』

 

 今回だけだから許してほしい。

 ピクルスは……そこまで変な味じゃないと思う。確かに独特の風味はあるけど、まずいわけじゃない。師匠はどうしてこれが嫌いなのかな。

 

『嫌いってわけじゃないんだよ……。ハンバーガーの味を楽しんでる時にピクルスが邪魔してくるのが嫌なんだよ……』

『そのアクセントがいいんだろうが!』

『これだからガキは困る』

『そこまで言う?』

 

 師匠が言いたいことも分からなくはないけどね。

 それじゃあ、改めて、ハンバーガーを。ぱくりと一口。

 んー……。思ったよりも柔らかい。ハンバーグとソースの味がマッチしていて、おいしい。パンに挟むだけで、ハンバーグとは違った味わいだ。悪くない。

 

「ふふ……」

 

 そんな笑い声。真美を見ると、真美はちいちゃんを見ていた。ちいちゃんは……。

 

「はむはむはむはむ」

 

 小さい口でハンバーガーを食べてる。なんだかリスみたいで、とてもかわいい。思わず撫でたくなるかわいさだ。

 

『とても癒やされる光景』

『いいよね……一生懸命食べる姿……いいよね……』

『ここにはロリコンしかいないのか?』

『お前も含めてだよ』

 

 でもすごくかわいいと思うよ。

 次は、ダブルチーズバーガー。真美のオススメ。二枚のハンバーグに、それぞれの層にチーズを挟んでる。チーズがほどよく溶けているのが見た目で分かった。

 

『すごい、めちゃくちゃ綺麗に積んでる……!』

『これ絶対店員が気合い入れてるだろw』

『だって配信で全世界に見られるわけだしな』

『あー……w』

 

 普段はもう少し崩れたりしてるのかな。

 ともかく。これもぱくり。

 

「おー……! ハンバーガーと全然違う……!」

 

 ハンバーグが増えるとくどくなりそう、なんて思ったけど、そんなことはなくて。むしろこのハンバーグとチーズのバランスが一番いいとすら思えてくる。とろとろのチーズも絶品で、これはとってもいいものだ。

 ポテトもしっかりと塩味がきいていて、美味しい。ハンバーガーばかりで飽きてきた時のお口直しでいいかもしれない。飽きるというのは私にはよく分からないけど。

 

「もぐもぐもぐもぐ」

「ふふ……」

「もぐ……?」

 

 また真美が笑ってる。ちいちゃんを見てるのかな、と思ったら、私を見ていた。なんだろう。

 

「なに?」

「なんでもないよ。リタちゃんはかわいいなって」

「ん……? よくわからない」

「あははー」

 

 何故か手を伸ばしてきて撫でられてしまった。よく分からないけど、別に嫌じゃないから気にせずハンバーガーを食べよう。

 これなら他のハンバーガーも期待できるね。読書のお供のハンバーガー。とっても楽しみだ。

 

『読書でハンバーガーって俺らじゃ絶対できないよね』

『間違いなく本を汚すな』

『リタちゃんの魔法が本当に羨ましい』

 

 魔法はとっても便利だからね。

 ハンバーガーを全部食べ終えて、一階に戻る。そろそろお持ち帰りも用意が終わってるかも……。

 

「お待たせしました……!」

「おお……」

 

 たくさんのハンバーガーが入った大きな袋が用意されていた。しかも、潰れないように配慮してくれてる。ハンバーガー以外のものもいくつか入ってる。ポテトもサイズごとにしっかりと。

 師匠へのお土産のピクルス抜きは取りやすいように一番上に置いてくれていた。

 

『これは気遣いができるお店』

『利用させていただきます!』

『ハンバーガーを食べるために心桜島に行くのか……?』

 

 さすがに移動のお金がもったいないと思うよ。

 それじゃあ、お土産を持って森に帰ろう。師匠も楽しみにしてるだろうから。

 真美とちいちゃんを転移でお家に送り届けてから、私も帰るために転移した。

 




壁|w・)あのジャンクな味がいいんですよ……。
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