異世界魔女の配信生活   作:龍翠

463 / 542
特別編・ドイツ

 

 次に向かったのは、ドイツ館。真美に頼まれたものを買うついで、だね。ここもレストランがあるから、後で入ろうと思う。

 

「ドイツって何が有名なの?」

 

『ビールは……だめ?』

『リタちゃんにお酒をすすめちゃならん』

『食べ物ならやっぱソーセージやろ!』

『ドイツのソーセージは世界一ィ!』

 

 変なコメントが流れてるけど、気にしないでおこう。とりあえずソーセージが美味しいらしいから、楽しみだね。

 少し並ぶと、建物の前で解説をしているお姉さんから小さいマスコットを渡された。なんだか丸みを帯びたマスコットで、かわいいと思う。お姉さんが言うには、この子がいろいろと解説してくれるらしい。ちゃんと言語の選択もできるのだとか。私の世界の言語にも対応してくれないかな。

 早速中に入って、進んでいく。するとちょっと広い部屋に出て、マスコットの解説が始まった。

 

「んー……」

 

 部屋でもいろいろと解説してくれるし、途中の廊下でもマスコットをコードみたいな場所に当てたら絵の解説もちゃんとしてくれるし、なかなかおもしろい。

 でも。

 

「解説が……長い……」

 

『こらwww』

『解説を聞かなかったらすぐに回れるけど、解説を全部聞くとかなり時間を取られるよね』

『万博に来ておいて解説を聞かない選択なんてあるの……?』

『ショップに行きたいだけの人とかもいるだろうからね』

 

 言いたいことは分からないでもないけど、せっかく来たんだからちゃんと解説は聞いた方がいいと思うよ。そういう場所なんだし。

 ちなみに内容は、ドイツの環境対策や都市作りのお話とか、そんな感じ、だね。興味深いお話もあったけど、魔法の参考にはならなそう。ちょっぴり残念。

 

 途中の広い部屋はちょっとした休憩スペースになっていて、ゆっくり回る大きな円形の椅子があった。たくさんの人がそこで座って休んでる。

 壁際にはモニターみたいなものがあって、オリジナルのマスコットをデザインできるのだとか。もちろん手に持っているマスコットに反映されるわけじゃないけど。でも好きな人は楽しめるかも。

 そうして一番上まで来たら、マスコットをお別れ。専用の場所にマスコットを転がすことになる。前の人とかもころころ転がっていくマスコットに手を振っていた。

 

「んー……。ちょっと寂しい」

 

 なんだろう。不思議な愛着があるね。そう。これは……。

 

「洗脳……!」

 

『そんな平和な洗脳があってたまるかw』

『マスコットを好きになってしまう洗脳w』

『でもこのまま連れ帰りたいと思ってしまうのは分かる』

 

 すごくかわいいよね。これはとてもいいものだと思う。でも、お別れはちゃんとしないといけない。

 というわけで。マスコットを転がして返却した。わああ、みたいな声が聞こえてきた。

 

「かわいい」

 

『かわいい』

『これがドイツのゆるキャラか……!』

『万博限定キャラだけどな』

 

 うん。とてもかわいかった。

 出口から出たら、ちょっとした庭園になっていた。いろいろと草花が植えられていて、ドイツにある地域の解説がたくさん書かれてる。旅行とか好きな人なら、旅行先を決める参考にできるかも。

 

「いい場所も多いみたいだね」

 

『ドイツに興味を持ちましたか?』

『是非ドイツに来てください。歓迎します』

『謎の敬語コメント……。さてはドイツの人やな!?』

『リタちゃんはやらんぞ!』

 

 それはどんな目線なの? 私が外国に行かないのは言葉が通じないっていう理由だから、いい場所があったとしても、そのためだけに行こうとは思わないよ。行ったとしても、現地の人には会わないと思う。

 それじゃあ……。レストランだ!

 レストランに入って、席に案内してもらう。メニューは……メニューは……。あれ? ない?

 

『リタちゃん、QRコード読み込むんやで』

『スマホの出番だ!』

 

「ええ……」

 

『すっげえ嫌そうw』

 

 スマホ、難しいから……。えっと、QRコードを、よみこ……よみ……。読み込んで……。おお! 案外簡単にメニューが出た! 一安心、だね。

 ビールは師匠に怒られちゃうから、頼むのはソーセージ。あ、カレーとか書いてる。これにしよう。カリーヴルスト、だって。

 誰も注文を取りに来てくれないから、とりあえず手を上げてみる。すると店員さんと目が合って、こっちに来てくれた。スマホに表示されてるメニューを指さして、注文。日本語はだめらしいから。

 店員さんは何か不思議な言葉で話すと、離れていった。

 

「…………。言葉が通じるのって、とてもいいことだね」

 

『わかる』

『とても、わかる』

 

 何を言っているのか分からないって、思ったよりも不安だ。

 そして運ばれてきたのは、ソーセージにケチャップとカレー粉がかけられたもの。ポテトもついてる。それじゃあ、いただきます。

 

「んー……。うん。美味しい。カレー味が控えめだけど、ソーセージとケチャップによく合ってる」

 

『ほうほう』

『俺も食べたい』

『ドイツのソーセージはどう?』

 

「美味しいよ。でも……。うん。日本のソーセージも負けてないと思う」

 

 どっちも美味しいけどね。

 食べ終わったら、最後はレストランと同じ場所にあるショップ。買うものは、マスコットのぬいぐるみ。いくつか色があるみたいだから、全種類買っていこうと思う。

 本音を言うと各色複数個買おうかと思ったけど、一人一種につき一個ずつまでらしいからね。ちゃんとルールは守るよ。

 

「真美に頼まれていたぬいぐるみ、買えた」

 

『頼まれてたのってそれかw』

『万博でしか買えないからね』

『東京、しかも仮にも島暮らしだからな。現地に行けとはさすがに言いづらい』

 

 真美も、近くなら自分で行くって言ってたぐらいだからね。学生のお金で大阪に行くのは辛いものがあるらしい。

 でも私に言ってくれたら、転移でいつでも連れて行ってあげるんだけど。利用してるみたいだから遠慮する、みたいなことを言われてしまったけど。

 ともかく。かわいいマスコットも買えたから、満足した。私も部屋に飾ろうかな。

 




壁|w・)本音を言えば……。日本のちょっとお高いウィンナーの方が美味しかったです。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。