異世界魔女の配信生活   作:龍翠

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シューティングライド

 

 缶ジュースを飲みながら、のんびりと遊園地を歩く。まずはどれにしようかな。遊園地で有名なのはジェットコースターとか観覧車とからしいけど……。でも他にもたくさんあるみたい。

 アルティは周りをきょろきょろ見回しながら、ふわあ、とか、おお、とか、そんな声を上げてる。なんだっけ、お上りさん、だっけ。そんな感じだね。

 

『なにこのかわいいいきもの』

『リタちゃんも最初はいろんなものに驚いてくれてたのになあ』

『最近は反応が鈍くて寂しい』

 

 いろいろと見てきたからね。もうそこまで驚かないと思う。多分。

 

「師匠。おすすめは?」

「え、俺に聞くの? あー……。俺はシューティングライドが好きだったなあ」

 

『あれ楽しいよね』

『でも大丈夫? 面倒だって言って魔法で攻撃し始めない?』

 

「お前らはリタを何だと思ってるんだよ」

 

 そうだよ。もっと言ってやってほしい。しゅーてぃんぐらいど、というのはまだよく分からないけど、いきなり魔法を使ったりはしないから。

 

「リタがやるなら、アトラクションごとぶっ飛ばす。これだろ」

 

『なるほど!』

『その通りだ!』

 

「師匠?」

「すみませんでした」

 

『よわいwww』

 

 師匠は師匠で私をなんだと思ってるのかな。怒るよ?

 少し歩いて、師匠おすすめのアトラクションにたどり着いた。三人掛けの……車? そういうのに乗って、洞窟風の建物や森の中に入っていく、という感じみたい。

 座席の前には武器みたいなのが取り付けられてる。銃みたいなやつ。当然本物ではないし、テレビで見る銃とはいろいろ根本的に違うみたいだけど。

 

「ようこそ……」

 

 迎えてくれた係の人が一瞬止まって、小さく深呼吸して、にっこり笑顔で言った。

 

「ようこそ! 遊び方を説明しますので、乗ってくださいね!」

「ん」

 

『これはプロ』

『ちゃんとしてますねえ』

 

 どんな目線なの?

 遊び方は……椅子に座って、目の前の銃で出てきた敵を攻撃する、みたいな感じ。トリガーをちゃんと引かないと攻撃されないし、ちゃんと敵に向かって撃たないといけないらしい。

 

「魔法では攻撃しないでくださいね?」

「しないよ」

 

『係の人にも言われてるw』

『やっぱりみんな考えることは同じなんだなって』

 

 私はそこまで信用ないのかな。

 

「アルティは分かった?」

「た、多分大丈夫……。えっと、これを引いたら攻撃……。何か出るの? 魔法とか?」

「何も出ないと思う。本当に攻撃したらだめだからね」

「う、うん……」

「…………。注意するべきはアルティちゃんの方だったか……」

 

『おい係の人w』

『めちゃくちゃ不安そうw』

『だ、大丈夫だから! 多分!』

 

 アルティなら大丈夫だよ。本当に。

 三人で並んで座って、銃を持つ。この銃も席の前で固定されてるから持ち上げられないみたい。向きだけを変えられるだけだね。

 そうしてカートが動き始めた。ゆっくり動いていって、建物の中へ。まずは物語の説明が始まる。えっと……。なんか危ない宇宙人が襲ってきたから攻撃して倒せってことだね。

 

「なんだろう。すごく複雑」

「まあこれ、完全に敵は俺たちだな」

「え? え?」

 

『あー……』

『確かにリタちゃんは宇宙人だもんなあ』

『リタちゃんみたいな宇宙人がいるわけないだろうがいい加減にしろ!』

『だからリタちゃんは宇宙人だって言ってんだろうが!』

 

 私自身、普段は分かりやすいだろうからって異世界って言ってるからね。そろそろたまに忘れられても不思議じゃないとは思ってる。でもやっぱり、正確には異星人とか、宇宙人で間違いない。

 だからまあこのゲームは……私たちを撃つ、みたいになってるよね。侵略なんてするつもりはないけど。

 

『ていうかリタちゃんがマジで侵略し始めたら、普通に勝てないような気がする』

『どうやったら倒せるんだよw』

 

 わりとどうにかしてくるような気もするけどね。

 気を取り直して、ゲームだ。目の前の壁はモニターになってるみたいで、敵というのが出始めた。なんだろう。タコみたいな感じの、かわいい敵。少なくともこれと一緒の扱いにはされたくないかな。

 みんなで銃で攻撃していく。おお、ちゃんと銃が向いてる方で爆発が起きてる。すごい。

 

「すごい、魔力を使ってないのにどうやって……。わわわ、敵がいっぱい!」

 

 うん……。アルティも楽しんでくれてる。今はそれで十分、かな。

 そうして攻撃している間に洞窟エリアが終わって、森林エリア。こっちもモニターが取り付けられていて、そこにみんなで攻撃していくという流れだった。

 前半と違うのは、大きな敵が出てきたところ。多分、ボスみたいな扱いなんだと思う。ちっちゃい敵も前と同じように出てきてるから、役割分担だね。

 

「アルティはおっきいのを攻撃してほしい」

「任せて!」

 

 師匠は、まあ適当にやると思う。なんだかちょっぴり懐かしそうに遊んでるから、邪魔しないでおこう。

 そうしてしばらく攻撃して、無事にボスを倒したところで終了。カートも元の場所に戻ってきた。

 

「おかえりなさい。どうでしたか?」

「ん。楽しかった」

「楽しかったです!」

 

 アルティもちょっぴりうきうきだ。係の人も微笑ましそうにしてる。

 最後にその場にいた人たちで写真を撮って、次に行くことにした。

 




壁|w・)宇宙人が宇宙人を倒すゲームをしてる……。
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