異世界魔女の配信生活   作:龍翠

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お土産とシーフードカレー

 

 遊園地の門の側にあるお店。そこでお土産を買えるらしい。とっても広いお店で、たくさんの商品が並んでいた。お菓子とかもあるし、ぬいぐるみもたくさんある。

 

「ぬいぐるみの……これは、なに?」

「この遊園地のマスコットだぞ」

「マスコット」

 

 そんなのがいるんだ。なんだかまあるいキャラクターで、ちょっとかわいいかも。腕に抱えられるぐらいの球体に小さい手足や目がついてる、そんなマスコットだ。

 手に持ってみると、わりとふわふわしていて気持ちいい。悪くないと思う。

 

『わりかし人気のマスコット』

『手触りがいいんだ、手触りが』

『気づいたら抱きしめてる』

『わかるw』

 

 んー……。確かに、抱き心地がとてもいい。これは是非とも買って帰ろう。何個いるかな。

 

「私と……アルティと……精霊様と……。師匠は?」

「さすがに男がかわいいものを買うのはな」

 

『なんだあ、テメエ……』

『お前は全世界のかわいいもの好きの男を敵に回した』

『万死に値する』

 

「あ、はい。すみません」

 

 男とか女とか気にする必要はないと思う。かわいいものはかわいい。それだけのはずだから。

 でも本当に師匠はいらないみたい。なので、私とアルティ、精霊様に……。真美とちいちゃんにも買っていこう。とりあえず五個だね。ふわっと浮かして運ぶことにする。

 そうしてぬいぐるみを浮かせたら、どうしてか周りの人たちがざわざわとし始めた。

 

「ほ、本物だった……!」

「コスプレじゃないんだ!」

 

『コスプレ扱いw』

『最近リタちゃんのコスプレするやつ増えたからな』

『たまに子供がやってる場合もあるしなー』

 

 私のコスプレ。即売会の時もあったけど、私のコスプレをしたがる人の気持ちがちょっと分からない。

 

「アルティも欲しいものがあったら言ってほしい」

「うん……。でも、お金が……」

「お金は気にしなくていいよ」

 

 使い切れなくなるぐらい持っちゃってるからね。師匠にも使ってもらったりするけど、まだまだあるから。日本のお金なのに私が持ったままでいると、あまり良くない、はず。

 周りの人に写真を撮られながらお土産を選んでいく。私は、会場限定のクッキー缶っていうのを買ってみよう。

 

「お菓子が……お菓子がいっぱいあるよ、リタ!」

「ん。たくさんある」

「チョコレートとかも……。いいかな?」

「もちろん」

 

 というわけで、アルティはチョコレート菓子をたくさん買っていた。日本の菓子ではチョコレートがお気に入りなのかも。

 そんなに気に入っているのなら、たまに持っていってあげよう。きっとアルティにとっても気晴らしになるはずだから。

 お土産を買った後は、今度こそ帰宅。まずは真美のお家へ転移だ。

 

「ただいま」

 

 真美のお家に転移すると、何かを煮込んでいる音が聞こえてきた。ことことことと。そして特徴的な、私の好きな香り。これは、間違いなく。

 

「カレー!」

「いらっしゃい、リタちゃん。カレーだから落ち着いてね」

「え、え、え」

「アルティちゃんもいらっしゃい。久しぶり。椅子に座っておいてね」

 

 今日はカレーだ! カツはあるかな? とても楽しみ。わくわくする。

 

『流れるように自然な真美ちゃんの家』

『もはや動じない真美さんさすがです』

『ところで今日は一回も立ち寄っていないのにただいまとは』

『リタちゃんにとっては地球での自分の家扱いなのかもw』

 

 そんなことは……あるかもしれない。なんだか落ち着く場所になってるし。

 

「ごめんな、急にお邪魔して」

「いえいえ。師匠さんもカレー食べます? いっぱい作ったので大丈夫ですよ」

「あー……。じゃあ、いただくよ」

「はい」

 

『女子高生の手作りカレーを食べる男がいるらしい』

『羨ましい。妬ましい』

『ぐぎぎぎぎ』

 

「そういうのじゃないからな!?」

 

 せっかくだから食べていく。それだけ、だよね。

 今日のカレーは、残念だけどカツカレーじゃなかった。海鮮がいっぱいのシーフードカレーだ。どうしてかなと思ったら、アルティがいるから、だって。

 

「森で生活していたら、海の幸なんて食べたことないかなって」

「なるほど」

 

 言われてみると、アルティは食べたことがないかも。

 アルティを見てみたら、カレーに入ってるエビとかイカをつついて不思議そうにしてる。あまり行儀がいいとは言えないけど、初めて見る食べ物を警戒するのは仕方ないと思う。

 

「リタ。これ、なに?」

「シーフード。海でとれる食べ物」

「海……。聞いたことはあるけど、見たことはないね……」

「大きな水たまりみたいなものだよ」

「それは絶対に違うと思う」

 

『おかしいな。海を見たことがない子に突っ込まれてるぞ』

『リタちゃんさあ……』

 

 何か間違ったかな? 大きな水たまり、湖、そんなものだと思ってるよ。水がいっぱいだから。

 シーフードが美味しいのは間違いない。イカとかは弾力がある不思議な食感で結構好きだ。これが作り物じゃなくて自然に生きていたものなんだからびっくりだね。

 もちろん私の世界にもいるけど……。アルティは初めてだと思う。

 

「これが……生き物……!?」

「そう。イカっていう」

「へえ……!」

 

 食べる具材に何度も興奮してる。全部初めてだからね。エルフの森も外と交易はしてるみたいだけど、さすがに生物はあまりないだろうし。

 カツカレーほどじゃないけど、私もシーフードカレーは好きだ。イカもエビも貝も美味しい。不思議な食感もあって楽しめる。

 いっぱいお代わりをして、完食。真美にぬいぐるみを渡して、精霊の森に帰ることに。

 

「カレー、ありがとうございました!」

「いえいえ。また食べに来てね」

 

 みんなで真美に手を振って。そうしてから、精霊の森に転移した。

 




壁|w・)マスコットにはモデルがありますが、ないしょないしょ。
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