異世界魔女の配信生活   作:龍翠

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フレンチトースト

 

「来た」

「いらっしゃい」

 

 真美のお家に転移した。

 

『いやそこは宮城県じゃないんかい!』

『バカヤロウ! リタちゃんが朝ご飯を逃すはずがないやろ!』

『それで? 今日の朝ご飯は何かな?』

 

 なんだろう? 真美はくすくすと笑いながら朝ご飯を用意してくれてる。ちいちゃんを見ると、もぐもぐとすでに食べてる。黄色いパン……かな?

 

「おいしい!」

「おいしいの?」

「うん!」

 

 なんだろう。とても気になる。

 深めのお皿に何か漬けてるみたいだね。黄色いスープ……スープじゃないの? 黄色い液体にパンをひたひたに浸してる。そのパンをどうするのかなと思ったら、フライパンで焼き始めた。

 

「なにに漬けたの?」

「卵とか牛乳とか砂糖とか、だね。しっかりと混ぜて、パンにたっぷりと吸い込ませるの。三枚準備してるからね」

「ん」

 

『すでに三枚は食べることが前提な件について』

『まあリタちゃんだし』

『むしろ一枚しか食べなかったら体調不良を疑うレベル』

 

 一枚だけしか食べないというのは私もないとは思うよ。さすがにね。

 パンを弱火でじっくりと焼いて、完成。包丁で半分に切って、お皿に盛り付けてくれた。全体的に黄色くて、焼き色がついたパン。シロップをかけてできあがり。

 

「はい、どうぞ」

「ん……。とてもいい匂い」

 

 甘くて香ばしい香りがして、とても食欲をそそられる。これだよこれ。こういう香りがいいんだよ。匂いって料理にもとても大切なものだよ、やっぱり。

 

「とっても……いい匂い……」

「万感がこもってる……」

 

『草』

『まあ、その、なんだ……。いろいろあったからね……』

『悪臭しかなかったのでは?』

『言うなw』

 

 それじゃあ……。いただきます。

 ぱくりとフレンチトーストを一口。外はカリッとしていて、中はじゅわっと不思議な食感。卵と牛乳の甘さ、かな? 強い甘さじゃなくて、控えめな優しい甘さ。とっても美味しい。

 普通のトーストとは全然違うね。トーストは中がほくほくしていたけど、フレンチトーストは噛むとじゅわじゅわとしみこんだ卵と牛乳が出てくる、そんな感じ。

 シロップの味も邪魔になってなくて、不思議と他の甘さと調和してる。これは、とてもいいもの。

 

「美味しい」

「良かった。バターを載せても美味しいよ」

「次はそれで」

「うん」

 

 二枚目のフレンチトーストはバターを載せてもらった。バターの香りが暴力的だ。すごい。

 

『店売りのフレンチトーストを急いで買ってきたけどさ。映ってるものと全然違う気がする』

『そりゃお前、焼きたてと比べると雲泥の差だよ』

『しかも真美ちゃん料理スキル高いし。普通にお金取れるレベルでは?』

『リタちゃん! そのフレンチトーストください!』

 

「やだ」

 

『即答www』

 

 誰にもあげない。これは私のフレンチトーストだ。

 三枚目はバターを載せて、さらにシロップもかける。これもまた違った味で、甘じょっぱいって言えばいいのかな? これもとても美味しい。

 できればもっと食べたいところだけど……。さすがにもうないかな?

 そう思っていたら、さらに一枚出てきた。しかも……生クリームとバニラアイスが添えられてる!

 

「おー……!」

「デザートっぽく、ね」

「デザート!」

 

『ぐああああ!』

『これはあかん! あかんやつですよ!』

『ちょっと仕事行く前に喫茶店寄るわ』

『近場の喫茶店が満席なんですがどうしてくれるんですか』

『早いよw』

 

 生クリームとかアイスと一緒に食べるのも、とてもいい。甘さが強くなって、これはこれでとても好き。特にアイスが、なんだか不思議な感じだ。熱いと冷たいが一緒になって、お互いを引き立ててる。とても、好き。

 

「んふー」

 

『んふーいただきました!』

『さすが真美ちゃん先生やで』

『喫茶店が満席だぞどうしてくれる』

 

「いや私に言われても……」

 

 とっても美味しいフレンチトーストだった。とても満足した。

 

「満足。ありがとう」

「いえいえ。喜んでもらえて嬉しいよ」

「ん……」

「よしよし」

 

 何故か頭を撫でられたけど……。うん。真美のなでなでは悪くない。好き。

 

『俺もリタちゃんの頭を撫でてみたいです』

『多分師匠にぶっ殺されるぞ』

『ありそうだから困るw』

 

 さすがにそんなことはないと思うけど……。どうなんだろう?

 食後にのんびりとオレンジジュースを飲んでから、そろそろ宮城県に出発することにした。朝ご飯はとっても美味しく食べられたからね。お昼ご飯もわくわくだ。

 

「牛タン、楽しみ」

「ちいが嫌いだから私はあまり食べないなあ」

「そうなの?」

 

 真美が言うには、独特な食感が子供にはあまり好まれないらしい。私はどうだろう? それも含めて楽しみ、だね。

 それじゃあ、宮城県だ。レストランとかはまだ時間があるし……。とりあえず、楽しそうな場所があればそこに行こうかな。

 




壁|w・)フレンチトーストは美味しくて好き。
まあたくさん食べたらアレルギー反応で軽く地獄を見るんですけどね……。
卵アレルギーだからね。ある程度は食べられるけど、食べすぎたらやべーのです。
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