異世界魔女の配信生活   作:龍翠

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キツネだっこにキツネお土産

 

 そのまま少し歩き続けて、たくさんの椅子が置かれている場所にたどり着いた。何のための場所だろう? 側には職員さんもいる。

 

「ここはキツネの抱っこができる場所です。お写真も撮りますよ」

「抱っこ」

 

 それは、ちょっとやってみたいかも。有料らしいからお金を払って、椅子に座る。前掛けとかしないといけない……らしいんだけど。

 キツネが勝手に集まってきて私の足を上り始めた。

 

「ええ……」

 

 職員さんがとても困惑してる。

 

『セルフ抱っこ』

『リタちゃん上りですね分かります』

『リタちゃんに上れる山なんてないだろ!』

『お前シッショに殺されるぞ』

 

 どういう意味かよく分からないけど、とりあえずキツネだ。私の服は保護魔法がかかってるから、引っかかれたり噛まれたりしても破損することはない。だからこのまま抱っこしよう。

 膝の上まで来ちゃったキツネを両手で持ち上げる。ぷらーんと。キツネと目が合った。

 

「かわいい」

 

『かわいい』

『おまかわ』

『あああああキツネを抱っこするリタちゃんがかわいいよおおお!』

『まずいぞ錯乱兵だ! 射殺しろ!』

『決断が早い!』

 

 職員さんが戸惑っていたけど、すぐに我に返った。写真を撮ってくれるらしいから、アイテムボックスからスマホを取り出す。アイテムボックスにキツネたちがちょっと驚いていて、かわいい。

 

「いい子、いい子。何もないよ」

 

 抱いているキツネがお鼻をぴくぴくとさせていて、とっても愛らしい。あと、もふもふだ。

 職員さんがさっと写真を撮ってくれる。そうして撮られた写真には、キツネを抱っこする私と、それに群がるキツネが映っていた。

 

『なんでこんなキツネが群がっているんですかねえ?』

『やっぱり何かフェロモン出してるってw』

『動物に好かれるフェロモン……ちょっと研究しようぜ!』

 

 そんなものないはずだから、研究しても無駄になるだけだよ。

 抱いているキツネを下ろして……。今度は別のキツネが上ってきた。真っ白ふわふわなキツネ。ホッキョクギツネ、というらしい。せっかくなのでこの子も抱いて、写真を撮ってもらう。

 うん……。真っ白なキツネ、とってもかわいい。ちょっと連れて帰りたいと思ってしまった。

 

「もふもふはやっぱりいいよね」

 

『人類の癒しである』

『そういえば宮城県に猫がたくさんいる島があったはず』

『田代島だったかな?』

 

 そんな島があるんだ。そこにも行ってみようかな。

 キツネの抱っこが終わったら、また次の場所に向かう。またてくてくと歩いて、ぞろぞろとキツネを引き連れて……。本当に、どうしてついてくるんだろうね。

 

「先に入ってもらっておいてよかった……」

 

 職員さんのそんな声が聞こえてくるぐらいだから。

 

『他の来園者さんからすれば、せっかく来たのにキツネがいないっていう状態になってそうだからなw』

『どうしてこうなった』

 

 私が聞きたいよ。

 次に見つけたのは、キツネへのエサやり場。直接手渡しで渡すのは禁止だけど、ちょっと高いところから投げるようにしてエサをあげることができるらしい。

 ちょっと楽しそうだからやってみよう。エサを買って、エサを投げる場所に出て。

 

「うわあ……」

 

『おお……』

『これはある意味絶景ですな』

 

 たくさんのもふもふが集まっていた。つまりキツネが。とんでもないことになってる。

 とりあえず……。エサを投げてみよう。

 エサをつまんで、投げてみる。すると落下地点あたりのキツネが一斉に跳びはねて、エサをぱくっと食べた。これはちょっと楽しいかも。

 持っているエサを次々と投げる。投げた先のあちこちでキツネが飛び跳ねてエサを食べてる。とてもかわいいし、すごいと思う。

 

「キツネ、かわいい」

 

『やばいめっちゃここに行きたい』

『餌やりも抱っこもやりたい』

『ちょっと遠いけど行こうかな』

 

 是非とも来た方がいいよ。私はとても気に入った。

 そうしてぐるっと園内を回って、入り口付近にたどり着いた。放し飼いしているエリアから戻る時にドアを通るけど、キツネがたくさん集まっていてちょっと困る。

 

「解散してね?」

 

 そう言うと、キツネたちはおとなしくみんなどこかに行ってしまった。かしこい。

 

『これはキツネ使いの才能がある』

『キツネ使いってなんやねんw』

 

 みんなを見送ってから、最初のエリアへ。入ってきた時は気づかなかったけど、ふれあいコーナーというものがあった。キツネ以外の動物もいるらしい。

 

「ウサギとかヤギとか小さい馬、だね。ヤギかわいい」

 

 近づいてみると、こっちに寄ってくる人なつっこいヤギだった。柵に囲まれてるから触らないようにするけど、もふもふしていそう。この子もかわいいね。

 ウサギももふもふさせてもらえた。ウサギも小さくてかわいい。

 そうして最後はお土産コーナー。とりあえず……。

 

「キツネのぬいぐるみ。十個ほど買って帰る」

 

『多い多い多い』

『なんかもうぬいぐるみも大量買いするようになったなあw』

『誰に配るんだろう』

 

 真美とちいちゃん、精霊様に……。ぬいぐるみならミレーユさんたちに渡しても大丈夫かな? 精霊様に聞いてみよう。

 あとは、キツネの帽子も買ってみた。とりあえず被ってみる。

 

「どう?」

 

『かわいい』

『かわいい』

『永久保存する』

 

「ちょっと意味が分からない」

 

 買ったものをアイテムボックスにしまって、と……。キツネ村、とても楽しかった。満足だ。

 それじゃあ、次は猫の島に行ってみようかな。

 




壁|w・)キツネ帽子のリタ!
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