異世界魔女の配信生活   作:龍翠

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壁|w・)ここから第42話のイメージ。そして師匠視点です。



・弟子のお昼寝

 

 ルドガーとやらとの約束の日の前日。今日は快晴。太陽の光が庭にも降り注いでいる。昼寝日和というやつだ。

 

「すぴー……」

 

 だからか知らないけど、俺の弟子は気持ち良さそうに昼寝をしていた。庭にぽつんと置かれた畳の上で、まるで猫のようにまるまって寝ている。とても気持ち良さそうだ。

 今日は特に予定もないし、ゆっくり昼寝しておいてもらってもいいんだけど……。いくらなんでも無防備すぎないか? いや、結界はちゃんと維持されてるけど。

 

「でもいつまで寝てるんだろうな?」

「えー。かわいいじゃん」

 

 そんな声に視線を上げれば、フェニックスがこちらを見下ろしていた。

 

「どうも、フェニックス」

「やっほー、先代さん。リタちゃんはお昼寝中?」

「お昼寝中だな」

「そっかー」

 

 どこか残念そうに言うフェニックス。こいつが自分からここに来るのは珍しいと思ったけど、もしかすると遊びに来たんだろうか。俺が守護者の時には考えられなかったことだと思う。

 距離感、かな。やっぱり。どうしても俺は、ドラゴンともフェニックスとも距離を置いてしまっていたから。明らかな格上と接するのは、心労が結構あるんだ。

 その点、リタは友だちのように接している。その距離感をドラゴンもフェニックスも好んでいるらしい。上位精霊たちも。

 

「リタはすごいな。俺にはできないことだったよ」

「どうしたの急に」

「いや……。お前らとの距離感とか」

「あははー。先代さんも、リタちゃんみたいに接してくれていいんだよー? ボクたちも精霊様が認めた人を無下にしたりなんかしないんだから」

「そうだよなあ……」

 

 分かっていたつもりだったけど、それでもやっぱりやりづらいものがあるんだよ。

 靴を脱いで、畳の端に座る。リタの頭を撫でてやると、もぞもぞと動き始めた。頭だけ上げて、俺を見る。ちょっとだけとろんとした目だ。

 

「ししょー……?」

「おっと。悪いな、起こしちゃったか?」

「んー……。ぽかぽかいい天気……」

「いい天気だな」

「ん……」

 

 またもぞもぞと動いて、俺の足の上に頭をのせてきた。そのまままた寝息を立て始める。いいのかそれで。

 

「あはは。やっぱりリタちゃんは先代さんが好きだねー」

「あー……。まあ、親代わりとして悪い気はしないよ。もしも結婚相手とか連れてこられたら相手を殺してしまうかも」

「その時はボクも呼んでね!」

「精霊たちも集まってきそうだな」

 

 世界の管理者たちを前にしての挨拶とか、俺が紹介される側だったら胃痛で死ぬかもしれない。むしろ死んだ方が幸せだと思える状態になるかも。本当にその時が来たら遠慮なんてしないけど。全力でやる。

 

「せっかくだし配信でもしてやるか」

 

 今日はこのままお昼寝で一日を終えそうだし、配信が途絶えると心配する人もいそうだしな。というわけで、配信の魔法を使う。リタが使ってる改良済みのやつを俺も教えてもらってあるから、配信そのものは俺でもできる。魔法の主体がリタになっている魔法だから、リタが使っている時は使えないけど。

 配信魔法を使うと、いつも通り光球と黒い板が浮かび上がった。

 

「どうも。魔法使いだ」

 

『コウタ!?』

『懐かしい始まりで涙が出そう』

『リタちゃんはどうしたんだこら』

 

「リタならこの通りだよ」

 

 光球を下に向けてやると、俺の足に頭を置いて寝息を立てているリタを映し出した。器用に丸まって、気持ち良さそうに眠ってる。

 

「どうだ。かわいいだろ」

 

『かわいい』

『とってもかわいい』

『リタちゃんをお嫁さんにください!』

 

「俺やフェニックス、ドラゴン、精霊たち総出の挨拶に耐えられるなら考えてやらんでもない」

 

 考えるだけでやるとは言ってないけどな!

 

『やめてください死んでしまいます』

『それ絶対に圧がやばいことになるやつw』

『圧だけで死ねる気がするw』

 

 そんなことは……あるかもな?

 

「リタちゃんもよく配信してるけど、楽しいの?」

 

『その声はフェニちゃん!』

『フェニちゃんいるの!?』

 

 光球をフェニックスの方に向けてやる。ていうか、視聴者からもフェニちゃんって呼ばれてるのか。威厳とかどこ行った。いやそもそも威厳とか気にしてないやつだけど。

 

「やっほー。地球の人たち。リタちゃんがいつもお世話になってます」

 

 ぺこりと頭を下げるフェニックス。親か何かかな?

 

『いえいえこちらこそ』

『礼儀正しいフェニックスだな?』

『お兄ちゃんかな?』

『お姉ちゃんだろ?』

 

「フェニックスには性別の概念がそもそもないから。ちなみに原初のドラゴンにもないし、精霊たちも守護者に合わせて姿を変えてるだけで当然性別はない」

 

『なん、だと……!?』

『つまり、両性!?』

 

「怒られるぞお前ら」

 

 まあ精霊様なら苦笑いで流しそうだけど。

 それじゃあ、と飛び去っていくフェニックスを見送って、一息つく。まだしばらくのんびりと、だな。

 

「今日はいい天気だからってことで、リタは惰眠をむさぼるつもりらしいから、まあのんびりとリタの寝顔でも見ていってくれ」

 

『十分です』

『リタちゃんの寝顔だけで満足です!』

 

 まあ、あとはのんびりと、だな。俺も昼寝でもするかなあ……。

 

   ・・・・・

 




壁|w・)食べるのが好き。寝るのも好き。そんな魔女。すぴー。
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