異世界魔女の配信生活   作:龍翠

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襲撃者は強敵でしたね

 

 私が外に出て少し歩くと、嫌な視線は私を追ってくるようになった。予想はしていたけど、私も標的みたいなものらしい。

 獣人国で私はあまり活動していない。そもそも私を知っている人の方が少ないはず。魔女を狙っているとしても、そもそも私がそうだって知る人はルドガーさんだけだ。

 そしてルドガーさんも狙われてるみたいだから、無関係。つまり……。

 表の通りを外れて、薄暗い道に行く。小さい紙を持って、お店を探してるみたいな雰囲気で。きょろきょろと周りを見るのも忘れない。どうかな?

 

『リタちゃん何やってんの?』

『お店探し?』

『白紙だぞ?』

 

 視聴者さんは気づいてないみたい。視線とかは私にしか分からないだろうから仕方ないと思う。

 しばらく歩き続けたところで、目の前から人が歩いてきた。なんだか物腰低そうな、笑顔を浮かべた人。私を見て、おや、と驚いたような顔を見せてきた。

 

「こんな裏通りに子供がいるなんて……。どうしたんだい? 何かお店を探しているのなら、よければ手伝って……」

「ぎゅっ」

「うおおおお!?」

 

 とりあえずぎゅっと拘束。影からにょろにょろ黒い縄を出して縛り上げる魔法。

 

『リタちゃん!?』

『いきなり何やってんの!?』

『裏通りだからっていきなり攻撃はやばいと思う!』

 

「ナイフ持ってる。私を狙ってた」

 

 からん、と男の手からナイフが落ちた。小さめのナイフだけど、十分に人を殺せる大きさではある。私みたいな小さい相手なら特に。

 

『なるほど理解した。殺そう』

『ばくっとしよう』

『すぱっとしようぜ!』

 

「過激すぎるよ?」

 

『リタ。俺が許可する。殺せ』

 

「師匠も黙ってて」

 

 どうしてみんな過激なのかな? だめだよ、いきなり殺すのは。そういうのはしちゃいけない。

 

「ちゃんと情報を吐かせてから殺さないと」

 

『草』

『慈悲はないw』

 

 情報は大事だから。その後は命を狙ってきた相手だからね。因果応報というやつです。

 男は静かだ。私の魔法が男の口まで塞いでいるからだけど。じたばたしてみのむしみたい。んー……。

 

「つんつん」

 

『いきなり木の枝を取り出したと思ったら何やってんのw』

『まるでばっちぃものを扱うかのようにw』

 

 ばっちぃと思う。食べられないから、ルドガーさんの料理の方がましだね。

 私がつんつんしていると、男がもぞもぞ動いて私を睨んできた。しっかりと。ふうん。

 

「えいや」

「……!?!?!?」

 

『ひぇっ』

『腕にぶすーって!』

『珍しいすぷらった!』

 

 刺しただけだから、そんなに言うほどじゃないと思う。

 私が魔法を操作して口を自由にしてあげると、男が涙目でこっちを睨んできた。

 

「てめっ……」

「私のこの魔法はおもいっきりやると相手をばらばらにする魔法でもある」

「…………。何が聞きたいのでしょうか」

 

『おいwww』

『さっきまでの威勢はどうしたw』

『一瞬で負けてるw』

 

 素直な人は嫌いじゃないよ。

 

「ルドガーさんを狙ってるよね? ついでに私も。どうして?」

「依頼です。ルドガーが第一目標、あなたが第二目標です」

「依頼。誰から?」

「それは……死ぬ者に教える必要はねえなあ!」

 

 男が口から何かを噴き出した。それは私の結界に当たって、反射されて、男の肩に当たる。ぶすりと。

 

「いだああああ!?」

「わあ」

 

『いや草』

『わあ、じゃないんだがw』

『反射されてるw』

 

 なんだろう。毒針とか、そんな武器だったのかな。それを私の顔にぶつけようとしたみたいだけど……。私の結界が反射して、男の肩に当たってしまった。最初の威力がそこまでじゃなかったから、反射もほどほどだったけど……。男の肩がえぐれてしまった。ちょっとかわいそう。治癒とかしないけど。

 

「うぐぐ……」

「んと……。それで?」

 

『リタちゃん!』

 

 コメントが聞こえて、そしてその少し後に後ろから轟音が聞こえてきた。なんだろう? 振り返ったら、建物の壁に大きな人がめり込んでいた。がっくりと気絶してる。

 

「……?」

 

『ごめんなんでもない』

『後ろから襲われたんだぞ!』

『大きな剣で真っ二つに、てな!』

『いつも通り反射で余裕でした』

『ごめん笑うわこんなんw』

 

 後ろから誰か来てるな、とは思っていたけど、そんなことをしてたんだ。脅威にもならないから無視していたけど、ちょっとぐらい相手をしてあげた方がよかったかな?

 魔法で軽く調べてみたけど、とりあえずは生きてるみたい。今回は相応の力で反射されたと思うけど、相手も体が大きいからなんとか致命傷にはならなかったらしい。安心だ。

 いや、正直私はこいつらが死んでもなんとも思わないけど……。情報源がなくなっちゃうのは困るから。

 そう、思ってたんだけど……。

 

「素晴らしい! もう終わったのですな!」

 

 拍手しながら歩いてくる小太りの男。小太りの人はそうして歩いてきて、

 

「は?」

 

 私たちを見て、絶句していた。

 うん……。これが依頼者、かな?

 




壁|w・)作中最強の強敵でしたね!
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