異世界魔女の配信生活 作:龍翠
朝ご飯を食べた後は、真美のお家へ転移。今日どこに行こうか決める前に、やっぱり寄っておきたいから。
「いらっしゃい、リタちゃん」
「ん」
「今日の朝ご飯は白いご飯と焼き鮭、それにお味噌汁だよ」
「おー」
『和風の朝ご飯、いいですねえ!』
『ていうかさらっと二回目の朝ご飯の準備がされてるw』
『普通なら朝ご飯はいいよねって聞くだろうにw』
「だってリタちゃんだからね」
その認識はどうなんだろう。何も否定できないけど。
テーブルでお絵かきしていたちいちゃんの隣に座る。ちいちゃんは色鉛筆で何かを描いてる。すごく一生懸命でかわいい。
「何描いてるの?」
聞いてみたら、ちいちゃんは笑顔で絵を見せてくれた。
「ん……。私?」
「そう!」
「おー……」
絵は……お世辞にも上手だなんて言えないけど、でもなんだろう、すごく嬉しい。とりあえずちいちゃんを撫でておこう。なでなで。
「えへへー」
かわいい。
『これは……てえてえですか!?』
『どう見ても違うだろう阿呆』
『子供が絵を描いてくれると……嬉しいよね……』
ん。すごく嬉しい。不思議な気分だ。
そうしている間に、朝ご飯を用意してもらった。聞いていた通りに、白ご飯に焼き魚、それにお味噌汁。焼き魚は私が作ったものとは全然違うね。
早速、いただきます。それじゃあ、お魚から。
おー……。身がほぐしやすい。とりあえず、ぱくりと一口。
「んー……。ほどよい塩加減。美味しい」
「リタちゃん好みの塩加減にしておいたからね」
「ん……。ありがと」
『なあんで塩加減の好みまで熟知してるんですかねえ?』
『俺、真美ちゃんが一番人間離れしているんじゃないかって思えてきた』
『リタちゃんなら魔法で何かしてると思えるけど、真美ちゃんは純日本人だからな』
「なんかめちゃくちゃ言われてる気がする!」
真美は本当にすごいよ。私も表情に出にくいのは自覚してる。それなのにちゃんと好みに合わせてくれて、すごくすごい。すごく嬉しい。
「真美好き」
「ストレートに言われると照れる……」
『てえてえ?』
『これはてえてえ』
『なお胃袋を掴まれてるだけです』
『そう考えるとなんか複雑だw』
そうなのかな。よく分からない。
お魚と一緒にご飯を食べる。ほどよい塩加減だけど、ご飯と一緒に食べるのも美味しい。お味噌汁はほっとする味だね。
『そういえばシッショはお味噌汁作らなかったんか?』
『シッショのことだから、泥とか入れてそうw』
『お前らはシッショのことをなんだと思ってるんだw』
お味噌汁。師匠も作ろうとはしなかったかな。確か、理由も聞いてる。
「そもそも味噌の作り方が分からないっていうのは聞いたことがある」
『リタ。言わなくていいから』
『あー……。まあ、改めて言われると、どうやって作るのか普通は知らないよな』
『大豆が原材料とだけしか知らないです』
『なんだっけ。麹とかが必要だったはず』
麹。なんだろう、読めない。えっと……。
「まり?」
「ぶふっ……」
『真美ちゃんが噴き出したw』
『リタちゃん、こうじ、な。まりは鞠だから』
ん……。すごく漢字が似てる。日本語はやっぱり難しい。
もぐもぐと食べ進めていたら、お魚ももう残り少なくなってしまった。あ、ちゃんと硬い部分も食べないとね。ぱくりと。
『ガリゴリボリ』
『だから骨をまるごと食べるなとw』
「ちい。絶対に真似しないようにね」
「はーい」
なんだろう。ちょっとだけ悲しくなりました。骨、硬いけど美味しいのに。この食感がいいんだよ、この食感が。でも一般の人が真似するのはだめだっていうのも分かってる。骨が喉に刺さっちゃうらしいから。すごく痛そう。
最後にお味噌汁を飲んで、完食。とても美味しかった……。ん?
隣でちいちゃんが、ご飯にお味噌汁をかけていた。そういう食べ方もあるの?
『ねこまんまだー!』
『お行儀が悪いぞ!』
お行儀が悪いらしい。マナー的にはあまり良くないってことだよね。真美も苦笑いしてるし。
「ちい。それだめだって言ったよね?」
「おいしいもん!」
「美味しいけど……」
美味しいんだ……。それじゃあ。
「真美。おかわり」
「こうなると思ったよ……!」
『草』
『幼女の真似をする魔女』
『美味しそうだからね、仕方ないね!』
お茶碗のご飯にお味噌汁をかける。そうして食べると……。おお、確かにこれは美味しい。ねこまんま、だね。覚えておこう。
目の前では真美がため息をついていたからやっぱりだめなことらしい。あまり見られていないところでしないと、だね。でも……。美味しかった。満足。
壁|w・)ほとんどやらなくなったけど、ねこまんまは美味しい。