異世界魔女の配信生活 作:龍翠
まだまだいろいろ食べられるけど、そろそろ首里城が近いということで行ってみることにした。人の邪魔にならないようにふわりと浮かんで、場所を調べる。スマホでささっとね。
『ささっと調べる(もたもた)』
『多分人の往来の邪魔にならないように空を飛んだんだろうけど、余計に邪魔になってないかこれ』
『下から撮ろうとする人たちでみんな立ち止まってるw』
「ん?」
下の方を見てみたら……確かにみんながこっちにカメラとかスマホを向けて立ち止まってる。確かにこれは、邪魔になってしまう。早めに移動しないと、と思うけど、まだ場所が分からない。
『ちなみにリタちゃん、首里城ってわりと目立つから、ちょっと高めに空を飛んで見下ろしたら分かると思うぞ』
『スマホをもたもたするより早いから』
『微妙にバカにしてないかそれw』
ん……。確かにまだスマホには慣れないのは事実だから、言われても仕方ない。
軽く空を飛んで、もう一度見下ろす。んー……。
「あ、あれかな?」
ちょっとだけ離れた場所に、周りの建物とは雰囲気が違う建物があった。全体的に赤い建物だ。それがいくつもある。あの辺りが首里城なのかな?
『西の方に入口があるから、そこから入るんだぞー』
『おっきな門とかもあるから!』
『リタちゃん好みのおっきな門』
『きっとかっこいいと思ってくれるはず』
おっきな門。それは是非とも見てみたい。
少し移動して、首里城の方へと進むらしい道を見つけた。他の車道とは雰囲気が違うから、ここから入ればいいんだと思う。首里城公園の看板もあるから。
空から下りて、早速向かう。てくてくと。周りからいつも通り写真を撮られるけど、気にしない。
「わあ! リタちゃんだ!」
「ちっちゃい! かわいい!」
「今日が修学旅行で良かった……!」
気にしない!
『修学旅行で来てる学生もいるんか』
『定番の場所だからなあ』
『沖縄が修学旅行、いいな。言葉の通じない外国より沖縄の方が良かった』
言葉が通じなかったら不便だからね。修学旅行というのが何のためにあるのかよく分からないけど、どうせ旅行に行くなら言葉が通じる場所の方が私もいいと思う。
しばらく歩いて、大きな門が見えてきた。守礼門、というらしい。
「おー……」
全体的に赤い大きな門。確かにこれはかっこいい。すごい。
「上の方に看板みたいなのがある。首里城……ではないよね? なにあれ」
『確か、しゅれいのくに、と書かれてるはず。礼節を重んじる国だよ、と示してるはず。うろ覚え』
『すげえ初めて知った』
『さすが詳しい人もいるなあw』
礼節。大事だね。私も気をつけないと。
さらに歩いて見えてきたのは、石造りのちょっと小さい門。視聴者さんが言うには、歓会門というものらしい。これが首里城の正門に当たるんだとか。
さっきの門ほどではないけど、こっちもいい感じだと思う。石造りというのがいいよね。
そこを通ると、明らかに雰囲気が変わった。道が石畳みたいなものになってる。なるほど、正門と言われてる理由が分かった。
さらに階段があって、また門がいくつかある。さっきの石造りの門に似てるけど、上に赤い部分がある。これもとってもいい雰囲気。どんどん通って進んでいこう。
そうして歩いてたどり着いたのは、全体的に真っ赤な門だ。守礼門より真っ赤っか。おもしろい。
「赤い」
『感想が赤いw』
『いや確かに赤いけどw』
だって、赤いから。大きいけど、こんなに赤いと真っ赤という感想が先に来ちゃうよ。
その門を通った後も、全体的に真っ赤な門みたいな建物がたくさんだ。首里城は赤い、というイメージがついてしまった。そういうものなのかもしれない。
もう少し歩いて、歩いて……。そして、床に赤いラインが引かれた場所にたどり着いた。
「おー……」
これは、確かにすごいね。前も後ろも左右も真っ赤な建物。さらに正面の赤い建物は、金色の部分がたくさんの装飾が施されてる。
赤くて綺麗。おっきくて、とてもかっこいい。すごい。
「かっこいい」
『やっぱり感想はかっこいいなのかw』
『男の子かな?』
『男親に育てられてるからね、仕方ないね』
『俺か? 俺が悪いのか?』
『シッショは反省してもろて』
いや、反省はしなくていいと思うけど。私はとても感謝してるから。
のんびり眺めているけど……。古い建物というわりには、あまり古さを感じられないね。むしろ。
「ちょっと新しく感じる?」
そんなことをつぶやいたら、同じように見学していた側の人が反応した。ちょっと初老の男の人だ。
「ほほう。分かるかね?」
「ん」
「首里城はね、何度も再建しているんだよ。燃えたり、戦火で焼失したりね。直近だと二〇二六年に再建されたかなあ」
「へえ……」
それだけ何度焼失しても、しっかりと再建する。それってつまり。
「たくさんの人に愛されてる建物なんだね」
そんなことを言ったら、おじいさんはにこにこ笑顔で頷いた。
「もちろんだとも。沖縄を代表する場所でもあるからね」
「ん……」
それも分かると思う。ここまで通ってきた門もそうだけど、他には見られない場所だから。
「ちなみに……君はリタちゃんだね?」
「ん? そうだけど」
「沖縄の伝統菓子を食べられるお店がすぐ側にあるけど、どうかな。案内するよ」
「お菓子!」
それは……それは是非とも食べないといけない! お菓子!
『お菓子が全てを持っていってしまった気がするw』
『やっぱりリタちゃんはリタちゃんだなって』
『すごい建物より美味しいお菓子に決まってるだろうが!』
そんなことはないと言いたいけど、お菓子は大事。とても楽しみ。
おじいさんに案内されて、そのお店に向かうことになった。お菓子!
壁|w・)まっかっか! でかい! かっこいい!(byリタ)
なおそんな感想はお菓子に全て持って行かれました。仕方ないね。